【2007年回顧録】〜vol.1 旅立ったアーティストたち

2007/12/26掲載
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今年も多数のアーティストがこの世を去りました。ファンであるなしにかかわらず、才能のあるミュージシャンが亡くなるのは実に惜しいものです。そこで、追悼の意味も込めて、2007年に死去した方々を振り返りたいと思います。
■一般層にも衝撃
 まずは、一般紙でも取り上げられた有名アーティストから。もっとも衝撃的だったのは、階段からの転落による脳挫傷によって、5月27日に死去したZARDの坂井泉水でしょう。突然の訃報だったのはもちろんのこと、子宮頸癌で闘病中だったという事実もこの時に明らかにされ、ファンはさらなる驚きをもってこのニュースに触れました。40歳という若さでした。また、同じ90年代に活躍したJ-POPのアーティストとしては、ICEの宮内和之が耳下腺癌により、43歳で亡くなったという悲報も12月18日に飛び込んできました。

 6月2日、肝細胞癌によって死去したのはピアニスト、作・編曲家の羽田健太郎。58歳でした。テレビ朝日系『題名のない音楽会21』の司会者として、また、数々のアニメやドラマ、映画音楽を手掛けたことでも知られています。海外では“世界三大テノール”の一人、ルチアーノ・パヴァロッティが、9月6日に腎不全により71歳で他界。テレビやラジオでの追悼番組、関連作品のリリースも決まるなど、その人気の高さを改めて示すことになりました。




■クラシック・ロック〜80年代に活躍した人たち
 ロック黎明期の60〜70年代から活躍していたミュージシャンは、当然のことながら年齢を重ねており、近年では訃報を耳にする機会も増えてきました。ママス&パパスのデニー・ドハーティは腎臓を患い、1月19日に66歳で死去。キング・クリムゾンに在籍したことで知られるイアン・ウォレスは、2月22日に食道癌によって60歳でこの世を去っています。ボストンのシンガーだったブラッド・デルプは、3月9日に55歳で自殺。公私ともにティナ・ターナーのパートナーだったこともあるアイク・ターナーは、12月12日に76歳で亡くなりました。その直後の12月16日には、シンガー・ソングライターのダン・フォーゲルバーグが56歳で前立腺癌によって死去しています。

 また、80年代に人気を誇ったミュージシャンの訃報もありました。4月5日には元キッスのマーク・セント・ジョン(51歳)、7月15日には“女性版モーターヘッド”と呼ばれたガールスクールのケリー・ジョンソン(49歳)、82年にキリング・ジョークに加入して以降、近年まで第一線で活躍したポール・レイヴン(46歳)は10月20日に、そして80年代のメタル・シーンで大きな人気を博したクワイエット・ライオットのシンガー、ケヴィン・ダブロウ(52歳)は11月25日に他界しています。




■ジャズ・シーンより
 ジャズ・シーンは年明け早々に訃報が続けて届けられることに。まず1月12日にジョン・コルトレーンの妻だったアリス・コルトレーンが呼吸器不全によって死去。69歳でした。その翌日の1月13日には、テナー・サックス奏者のマイケル・ブレッカーが白血病のためにこの世を去っています。57歳という若さでした。また、9月11日には、ウェザー・リポートなどで活動し、ピアニスト/シンセサイザー奏者としてシーンに多大なる影響を与えたジョー・ザヴィヌルが75歳で亡くなっています。そして、12月23日には“鍵盤の皇帝”こと、オスカー・ピーターソンの訃報が世界を駆け巡りました。





 人の命に限りがあるとはいえ、ミュージシャンは若くして亡くなるケースが多いと感じるのは気のせいでしょうか。もちろん、ここで取り上げていないアーティストの訃報もありました。彼らの功績を振り返り、改めてその死を悼みたいと思います。(敬称略)
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