CDJournal.comスタッフが選ぶ“2007年 私のBest5”

2008/01/16掲載
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気が付いたら1月半ば! ヘヴィ・ユーザーの貴方ならご察しでしょう、毎年恒例となりましたCDJournal.comスタッフによる「私のBest5」を公開! 多岐に渡るセレクトをよく読んで、2007年を振り返ってみるのもいとおかし。


2007年最大のトピックは吉祥寺にオープンしたカフェ、その名も“サウンドイメージ研究所 dzumi(ズミ)”で拝聴した店主所蔵のフリー・ジャズLPコレクションでした。録音物を介して演奏(者)に肉薄する、というリスニングの究極の境地を垣間見た気が……(ま、少々大げさですが。)というわけで、ここではそれらフリー・ジャズの旧譜“以外”から選んだ5枚を。(1)シュトックハウゼンもあの世でビックリな電子音響エディット。(2)「現在、ジャズ・ピアノによる叙情は可能か?」。(3)世界各国のビート・メイカーたちによるハイブリッド・ファンク最新版。(4)やたらメルドーがもてはやされるジャズピアノ界に一石を……。(5)伝説のドラム・ブレイク集がMP3/AIFF形式にてCD化!(酔)





マイペースな活動を続けるシンガー・ソングライターの新作(1)。ふとした拍子に崩れそうな“しあわせのイメージ”。初めて聴いた時の「今回は明るい作風だなあ」という印象が、聴きこむほどに変わりつつあります。アシッド・フォークの(2)、フリクションの前身バンド(3)は、まさに待望の初CD化。(4)は70年代の発掘ライヴ音源。ひんやりとした空間に広がる絶唱が、胸を打ちました。最後は降神の志人によるプロジェクトのシングル(5)。ご覧のように邦楽一色のセレクト(順不同)になりましたが、今年は洋楽(とくに新譜)にも目を向けてみようかと思案中。でも、ついつい日本語びいきになってしまうんですよね。(も)





ライロ・カイリースリルズレディオヘッドアニマル・コレクティヴホールド・ステディなどなど、バンドの快作が多かった2007年。なかでも、変わらぬ武骨な精神性を見せ付けた(2)に胸を打たれ、(3)のゆるカッコいい疾走感や(5)の見事なバンド・アンサンブルが病みつきになりました。ソロ・アーティストで唯一挙げた(4)は、その恐ろしいほどに豊かな想像力に感嘆、まさに夢の詰まった一枚です。そして、なにより(1)が抜群の出来。こんなにも正直に、生々しく感情を表現できるアーティストはそういないでしょう。“日本の恥”と自称する彼らですが、むしろ日本の誇りです。峯田さん、これからも大いに裸体を晒してください。(と)





昨年(というか毎年)ギター・ロック/ポップ系の作品中心に聴いたので、その方面より心酔した5枚を。リリース方法も原点回帰的なサウンドも時代を反映している(1)。トム・ヨークは器用だな、とつくづく感心しました。音質はやはりダウンロード版よりCDの方が格段に良し。(2)は派手さや革新性はないものの、とにかく美メロの嵐。(3)(写真)はニューウェイヴとエモがミックスしたような、ローファイ感とハイブリッド感のバランスが絶妙でした。(4)はカナダの大所帯バンドの2nd。ざっくりしたオーケストレイションが病みつきに。スーパーカーのデビュー時を思い出した、日本のインディ・バンドの(5)。意外と今の邦楽シーンには居そうで居ない存在かと。今後の動向に注目したいです。(木)





洋邦から各2枚、DVD1枚を選定。R&B/ソウルは昨年以上に購買意欲をそそる作品が目白押しでウハウハ(懐はスカスカ)状態。選定盤外では、アリシア・キーズアンジー・ストーンジル・スコットジョイ・デナラーニクリセット・ミッシェルなど女性陣の良作が目立った。ヒップホップ・ソウルでも(1)に匹敵する完成度のキーシャ・コールに感服。男性陣はジョーやマーカス・ヒューストンエスティミュージック・ソウルチャイルドのソウル勢はもちろん、コモンカニエ・ウェストらのヒップホップ陣に勢いがあった。邦楽は現時点での最高品質といえる2作品(3)(4)を、DVDは個人的にベスト・ライヴだった(5)を選んだ。(今)





ライヴ行き過ぎによる金欠ゆえに、CD・DVDをめったに買わない私が購入した5点です。
(1)チケットが取れないったらないELLEGARDENのライヴですが、久々に行けた公演がDVD化とは感無量。1stアルバムの曲も多数演ってくれて文句ナシの◎。
(2)シールに「音楽がいつもそばにありますように」と書いてあった気がするのですが、まさにそのとおりとなったアルバムです。
(3)ブランクは確かに感じるのに、さらに面白くなっているのはどうしたことか。
(4)ドラマだろうがアニメだろうが原作(マンガ)至上主義な私ですが、これは例外。スゴ過ぎました。
(5)別のバンド目当てに行ったフリー・ライヴで一目惚れ。彼らの音楽は血が通っててホント良いんです。(武)



(1) GAUZE/貧乏ゆすりのリズムに乗って(写真)
(2) SEEDA/街風
(3) V.A./PUNKS ON THE GALLOW
(4) SHINGO☆西成/SPROUT
(5) TKC/百姓一揆


在りし日のCISCOをまぶたの裏から引っ張り出しつつ「MIC STORY」を聴く毎日。何だかポッカリ呆けてしまった2007年でした。OUT OF TOUCHをはじめ、ASBESTOS、LIFE、DISDOMESTIC VIOLENCE、VOCO PROTESTAを収録、何度観ても激烈!な映像記録集(3)。「言いたいこというぜ」なホタテマン・アティテュードを持つ人の凄さをあらためて痛感&ひたすら楽しい(4)。ジャケットの8ビット感も最高な“SAG DOWN POSSE”所属のTKCソロ(5)。そしてまさしく世界が待ち望んだ一発(1)。10年かけて味わい尽くします。(星)





(1)はエレクトロだけど温かくて、アコースティックだけど無機質で。ドリーミーだけどちょっぴりダークで……うん、素敵なアルバム。僕の生涯のベスト10にランクイン決定です。あと、来日記念盤(2)も、来日公演もすごく良かったし、スタバで売ってるクリスマス・アルバムの曲もゴシックな感じで良い感じ。07年はトリハチにやられっぱなしでした。(3)ギターでロックしてメランコリー。メロディーメイカーとしての本領発揮といった感じで、とにかく号泣。(4)は心にも身体にもじんわり染みた1枚。英語盤も楽しみです。(5)は地元(そして、自分も使っていた練習スタジオ)からこういうバンドが現れたことが嬉しい限り。浦和はレッズだけじゃないんです。他にくるりスウィッチズルーム・イレヴンなどのアルバムも良かったです。(千)





アヴェンジド・セヴンフォールドはダントツ。こんなにスゲェものを作るとは思わなかった。目一杯の要素を詰め込んでいるのに冗長にならず、それでいて劇的な面とクールさを同居させるという、奇跡のような一枚だ。今後も目が離せない存在になった。ハードコア・スーパースターは抜群にカッコ良く、アトレイユは純粋に曲が良い。アーク・エネミーは“コレだよ、コレ!”とヒザを叩き、モンスター・マグネットは中毒性たっぷり。そのほか気にいったものを思いつくままに挙げてみると、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーボン・ジョヴィシャドウズ・フォールメガデススコーピオンズアモルフィスドリーム・シアターコヒード・アンド・カンブリアなど。(敬)








2007年は、開催2回目となるピアノ・イベント“CDJ PIANO NIGHT 2007〜PIANO-ISM”がおかげさまで好評に終わりましたが、そのために“ピアノ”が印象に残る作品を聴きまくってました。ということで、ピアノに関連した5枚を挙げます。イベントに出演していただいたコトリンゴさんは、ファンタジックな柔らかい音楽の第一印象からは想像できなかったピアノの腕前にまずは驚きました。彼女の独特な世界観に惹き込まれる作品です。そして、同じく出演していただいた川江美奈子さんの「ピアノ」は、改めて音楽の素晴らしさを再認識させてくれた、意義深い名曲でした。メロディのよさだけでなく、丁寧に綴られた言葉から受ける感動は聴き込むほどに増してきます。イベントを観ていただいた方も、同じように思われたのではないでしょうか。一方で、ピアノ以外だとセリーヌ・ディオン「TAKING CHANCES」のパワフルなシャウトが新鮮に聴こえました。今のシーンを盛り上げる作品というのは、このぐらいの突き抜けたパワフルさが必要なのではないでしょうか。(清水)
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