1997年・富士山麓天神山から、2007年・苗場まで、過去11年を振り返り、音楽と自然を自由に楽しむフェスティバルのドキュメンタリー映像を中心に、FUJI ROCKの歴史を語る上で欠かせない主要アーティストのライヴ映像を織り交ぜた、ムービー仕様の2枚組DVD『FUJIROCKERS』。台風によってフェス全体の中止を余儀なくされた第1回。会場を豊洲の東京ベイサイド・スクウェアへと移し、2日間にわたって熱狂のパフォーマンスが繰り広げられた第2回。そして、現在への礎ともなる、新潟県湯沢町・苗場スキー場が会場に選ばれた第3回……。ドキュメンタリー映像と、洋邦100組にも及ぶアーティストたちのパフォーマンスを通して、その偉大なる足跡が綴られていきます。
苗場スキー場へ会場を移したことで、ステージ数も増加し、出演アーティストのラインナップはよりバラエティに富んだものへと変化。ルーキー・ステージを出発点に、グリーン・ステージをオーディエンスで埋め尽くすほどに至ったアーティストも登場するなど、ある意味、アーティストにとっては、自らの成長を如実に確認できる場所としても機能。さらに近年では、再結成や解散といった重要なタームを担うこともしばしば。世界的に見ても、ロック・フェスのいち顔役として、確固たる存在感を放っています。
そして、忘れてはいけないのが、FUJI ROCKが早くから取り組んできた環境への施策の数々。ステージは景観を生かす形で建設されているのはもちろんのこと、ボランティアによるゴミゼロキャンペーン、NGO活動「カーボン・ニュートラル運動」(地球温暖化を遅らせるための植林)への参加、会場内の森林地域に通されたバリアフリーの自然遊歩道・苗場インディペンデンス・ボードウォーク、ニュー・パワー・ギア・キャンペーン(バイオ・ディーゼルや太陽光発電などの導入によるCO2排出削減キャンペーン)など、“世界で最もクリーンなフェスティバル”という呼び声にふさわしい、積極的な取り組みがなされています。
音楽と自然を誰もが楽しむことができ、そしてさまざまなメッセージを受け取ることのできる場所、FUJI ROCK。多くの人を惹きつけてやまないその魅力について、もう一度振り返ってみてはいかがでしょうか。