CDJournal.comスタッフが選ぶ“2010年 私のBest5”

2011/01/12掲載
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 毎年恒例の企画、CDJournal.comスタッフが選ぶ“2010年 私のBest5”。昨年1月〜12月までに発売された作品の中からセレクト&レコメンドしました。どんな理由でどんな作品を選んでいるのか、お楽しみください!


 身の周りの整理整頓に励んだ2010年。年始早々&初夏の再結成ビッグ・イベントもあったためか、家では懐メロばっか聴いていた気がします。そんな中のレコメンは、今年早々に登場する(のかな?)“TOKAI DOPENESS”V.A.『THE METHOD』への期待膨らむHIRAGEN from TYRANT、メロディックな胸がキュンキュンしっ放しのタイトル・ファイト、イントロからクラシック級ISSUGI from MONJU、そして年末のビッグな2発、hi-def from ciazooと、BLACK SMOKERからの『MIX CD』。どちらもアートワーク含め、キョーレツな佇まいとスメル。アブストラクト&ジャンクな90's世代感もビシビシ刺激されております。大好きっす!(星)
 あまりにありがちなリストですが、実際によく聴いた5枚です。出身国を意識して選んだつもりはないものの、結果的に北米アーティストのみになったのは、最近の若手ブリティッシュ・ロック勢の停滞ぶりが表われているような気も。ニール・ヤングのほか、ソロモン・バークモーズ・アリソンギル・スコット・ヘロンロバート・ワイアット、来日したボブ・ディランなど年長者のエネルギーに大いに感動させられた年でもありました。また、ブルース・スプリングスティーン『闇に吠える街〜The Promise:The Darkness On The Edge Of Town Story』のパッケージの素晴らしさは特筆モノ。今後、パッケージも簡素と豪華の二極化が進んでいくのでしょうが、いずれにしても制作者の熱意が伝わる作品が増えて欲しいです。(と)
 去年は、新人よりも、長く活動しているアーティストの新たな一面が見られた作品をじっくり聴く、ということが例年以上に多かったです。そんな中でもとくによく聴いた5枚を。去年観たライヴのベスト3にも入る、ポップでひたすら美しい、シガー・ロスヨンシーのソロ(1)と、無尽蔵な才能を感じたニューオーリンズ・ファンクの(2)。ショーティは、ジャズの可能性をもっと広げてくれる人材だと思います。US/UKのロック・シーンに酩酊感のある音楽がなんとなく蔓延する中で、ガツーンとストレートなロックンロールを鳴らした(3)。ひさびさの作品発表となったACOの(4)は、なんと瑞々しいバンド作品。去年はNabowaとのコラボも面白く、あらためて才能のある人だと認識しました。そして、切れ切れの活動になっていた5年間を総括したPBLBのベスト(5)。1月12日には新作『Ground Disco』も発表して本格復帰! おかえり、PBLB!(木)
 もともと超雑食性リスナーだったのが、歳を重ねるごとにクラシックの割合が増えているのは、大人への階段を上っているのだと解釈してよいのでしょうか……? さて2010年は、個人的にヴァイオリンのアルバムに印象深いものが多い年でした。(1)もその一つ。ヤンセンのクールな技巧はもちろんのこと、むんとした夜の空気を醸し出すゴランのピアノも絶妙です。(2)と(3)は、アルバムだけでなくコンサートでも年間ベストだった作品。“これこそ今、同じ時代を生きている音楽!”という興奮と感動を与えてくれた演奏家たちの来日に感謝です。(4)はメルドーオッターという夢のような共演への一票。(5)は現代の吟遊詩人が歌とピアノのみで綴る物語。ルーファスのこれまでのアルバムの中でいちばん好きになりました。(原)
 4位までは今年聴いた回数が多かったアルバムを上から順に並べました。通勤途中の中央線で、帰宅後の我が家で、最もよく聴いたのは星野源の『ばかのうた』。あらゆる意味で自分の生活リズムに“ちょうどよく”フィットするアルバムでした。夏場はLUVRAW&BTBのアルバムをひたすら繰り返し聴きました。七尾旅人Little Creaturesのアルバムも然り、ここに挙げた作品はアルバム1枚通して聴くことができるトータリティを持っているということ。そういった作品が最近目に見えて減ったような気がします。配信の影響がことさら取り沙汰されていますが、果たして理由はそれだけなのか。そんなことをことあるごとに考えた2010年でした。5位に入れた人間椅子のライヴ盤は個人的に昨年最もショックを受けた作品。めちゃめちゃカッコいいストーナー・ロック。それまで、彼らに持っていた色物的なイメージを木っ端微塵に吹っ飛ばされました。ド反省。今もっともライヴが観てみたいバンドのひとつです。(望)
 振り返れば、2010年はアーティストたちにとっても苦しい1年だったと思います。ただ、いい作品を作りたいという“熱”を感じるアルバムが多かったように2010年は感じていました。植村花菜の『わたしのかけらたち』はお馴染みの大ヒット曲「トイレの神様」が収録されたミニ・アルバムで、制作後のインタビューの発言から感じ取れる熱意はものすごいものでした。彼女は個人的にデビューの頃から取材をしてきましたが、とにかく制作に対して一生懸命だったので“売れてくれてよかった”と思えるアーティストの一人でもあります。また、安藤裕子の『JAPANESE POP』も取材のときにものすごい熱意を感じました。しかも作品のクオリティも素晴らしかった。リリース時に特集した記事もその熱意に押されて、普通のアルバム・インタビューだけではなく、“安藤裕子”というアーティストをさまざまな角度から、しかも深く理解できるような記事にしてみました。……ということで、今回はアルバムから“ものづくり”への熱意を感じた5枚を挙げてみました。(清水)
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