PC Audio ExtraPCオーディオエクストラ〜パソコンから始める新しい音楽の楽しみ方
アナログ音源をデジタル化して保存できるキャプチャーユニットプリンストン“デジ造 匠”PCA-ACUP文/大塚康一
USBオーディオキャプチャーユニット
PCA-ACUP オープン価格(4,980円)
●インターフェース:USB2.0●対応フォーマット:MP3、WMA、WAV、Ogg Vorbis●MP3ビットレート:40〜320kbps●入力端子:ステレオRCA、3.5mmステレオミニ●対応OS:Windows 7(32ビット版)/Windows XP(32ビット版) SP2以降/Windows Vista●問い合わせ:プリンストンテクノロジー(株) http://www.princeton.co.jp/
セットアップと音源取り込み・変換方法は簡単 アナログ音源のデジタル化は、むしろPCオーディオの得意分野である。アナログオーディオ機器と接続するインターフェース=キャプチャーユニットとアプリケーションソフトさえあれば、高度なアナデジ変換が可能だ。多くのパソコン周辺機器を手掛けるプリンストンテクノロジー社の
「デジ造 匠 PCA-ACUP」(以下PCA-ACUP)は、デジオン社の高機能音源変換/編集ソフト「DigiOnSound5 L.E.」が標準で付属。USB経由でレコードやカセットテープ、MDなどのアナログ音源をリアルタイムでデジタル化でき、かつ編集や音質改善も行なえる音楽専用キャプチャーユニットである。
DigiOnSound5 L.E.取り込み画面:DigiOnSound5 L.E.を起動し、LPレコードを再生したアナログプレーヤーから音を取り込んだ状態。デジタル化された音源は波形で表示され、さまざまな編集や加工が可能になる。
PCA-ACUP本体はUSBケーブルと変換器が合体したような外観で、一方からステレオRCA端子とステレオミニプラグが直出しされている。基本的には、前者をアナログプレーヤーもしくはアナログデッキなどの出力、後者はポータブル機器などのライン出力に接続する。なお、本誌読者ならご存知だと思うが、アナログレコードは基本的にRIAAカーブに基づいてカッティングされているので、再生時はフォノ(RIAA)イコライザーを通す必要がある。フォノイコ内蔵プレーヤーなら問題ないが、それ以外のプレーヤーではアンプのフォノ入力に接続してからライン出力につなぐか単体のフォノイコを通さないと本来の音質にならないので注意したい。
環境設定:デジタル変換の際、サンプリング周波数を44.1kHz、48kHz、96kHzなどから選択できる。アナログ音源のクオリティにもよるが、通常はCDと同じ44.1kHz/16ビットで十分だろう。
セットアップと実際の音源取り込み・変換方法は、非常にわかりやすい。PCのUSB端子にアナログ機器を接続した
PCA-ACUPをつなぎ(電源はUSBから供給される)、DigiOnSound5 L.E.をインストールして立ち上げる。取り込み用のサウンドデバイスとしてPCA-ACUPを指定し、録音レベルやサウンド形式を設定(通常はCD同等の44.1kHz/16ビット)。アナログ機器を再生し、ソフトの録音ボタンをクリックすればリアルタイムでデジタル録音が開始される。録音されたデータつまりデジタル化された音源は波形表示され、さまざまな編集や加工ができるようになる。たとえば、レコードやカセットに付きもののヒスノイズや古いレコードのクラックルノイズ除去、チャプター付けに便利な無音部分を検出するサウンド分割などを行なえる。また、音のバランスを整えるノーマライズやエコーを付加するリバーブ、グライコなど多彩なエフェクト機能もある。デジタル化された音源はMP3、WMA、WAV、Ogg Vorbisといったファイル形式で書き出せ、PCをはじめiPodなどのDAPで再生できる。当然CDにも焼けるが、DigiOnSound5 L.E.がライトヴァージョンなので直接作成機能がないため、別途専用ソフトを使って行なえばいい。
いずれにしろアナログ音源を最新のデジタル機器で聴けるだけでなく、ソースを劣化させず半永久的に保存できるメリットは大きい。その意味でもPC+
PCA-ACUPは、デジタル世代はもちろん、ベテランのアナログ音楽やアナログオーディオファンにこそ使いこなしていただきたいシステムだ。