スマートフォンの音楽をワイヤレスで楽しめるBluetoothスピーカー
TDK Life on Record A73
いま、Bluetooth(ブルートゥース)によるワイヤレス音楽再生が大いに注目されている。“いまさら何!?”と思う人がいるかもしれないが、ポータブルプレーヤーのジャンルでは、いま何度目かのBluetoothブームが巻き起こっているのだ。もちろん、根幹をなしているのはiPhoneやAndroidなどのスマートフォンが、標準でBluetoothを搭載していて、対応製品(ポータブルプレーヤーとして活用できるもの)が急速に台数を増やしたことが主だ。しかしそれに加えて、Androidなどではとくに、iPhoneのようなDockポートによる音声出力がきちんと整備されておらず、外部機器での音楽再生を行なうにはBluetoothがいちばん楽、という事実も影響しているようだ。ともかく、ここ1年以内に発売された一体型スピーカーは、それまで中心となっていたiPodドック付きのものから、Bluetooth対応モデルへとメインストリームが変わりつつある。さらに、音質が大きく改善されつつあることも、今回のブームを後押しする形となっている。
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背面に13cm口径のサブウーファーを
装備して低音を強化している。
これまでBluetoothを使った音楽再生には、SBCと呼ばれるコーデックを標準的に利用しており、こちらがボトルネックとなっている傾向があった。しかし最新モデルでは、AACや「apt-X」など、高音質なコーデックに対応する機器が増えてきたのだ。
今回紹介するTDK Life on RecordのA73もそんなひとつ。50mm口径のフルレンジドライバーと130mm口径パッシブラジエターを2基ずつ、さらにボディ背面に130mm口径サブウーファーを搭載することで、迫力のサウンドを実現した「A73」も、イマドキの最新モデルだけに、アナログ入力やFMラジオに加えて、Bluetooth入力も持ち合わせているのだ。しかも、AACコーデックに対応しているため、iPhoneやiPad、iPod touchからは高音質な音楽再生を行なうことができるという。
実際に第3世代iPod touch(iOS5.1.1)をBluetooth接続してみると、なかなかにクオリティの高いサウンドを聴かせてくれた。SBCとはあきらかに解像感が違う、きめ細やかなニュアンス表現は、これがBluetooth接続とは思えないほど。A73本来のダイナミックな音楽表現も手伝って、グルーヴ感豊かな、ノリのよいサウンドを堪能させてくれるのだ。「これだったらBluetoothでもいいんじゃない!?」と、音質コダワリ派も納得してくれそうな、クオリティの高いサウンドを楽しませてくれる。なかなか優秀な製品だ。
ちなみに、このあと第5世代iPod touch(iOS6.01)につなぎ替えてみると、こちらではなぜか音切れが発生。調べてみたところ、どうもiOS6固有の現象のようで、A73以外の製品でも同じようなことが起きているらしい。アップルもこの現象はすでに把握しているようなので、すぐにアップグレードを行なうと思われるから、とくに心配することはないだろう。
TDK Life on Record A73
オープン価格 29,800円前後■スピーカー: 5cmフルレンジ x 2 / 13cmサブウーファー x 1 / 13cmパッシブラジエター x 2 ■内蔵アンプ: 7W x 2 + 15W ■入力端子: LINE(3.5mmステレオミニ) ■出力端子: 3.5mmヘッドフォン ■外形寸法: 432W x 292H x 102D㎜ ■重量: 3.9㎏※お問い合わせ: イメーション(株)
www.tdk-media.jp