ハイレゾ音源再生対応のUSB入力端子を搭載したSA-CDプレーヤー
DCD-1650RE
189,000円■対応ディスク: CD / SA-CD(2ch) ■音声入出力端子: RCAアナログ出力 x 1 / 光デジタル出力 x 1 / 同軸デジタル出力 x 1 / 光デジタル入力 x 1 / 同軸デジタル入力 x 1 / USB(TypeB) x 1 / USB(TypeA) x 1 ■外形寸法: 434W x 138H x 335Dmm ■重量: 13.7kg※お問い合わせ: (株)ディーアンドエムホールディングス
www.denon.jp これぞハイレゾといえる高域の切れと低域の迫力
ハイレゾ = 高音質ネット配信が市民権を得た今、CDプレーヤーとの共存は可能なのか?その問いに対する一つの回答が、デノン(DENON)のSA-CD / CDプレーヤーDCD-1650REである。ディスク再生機としては、アルミダイキャストトレイ採用の強固なオリジナルドライブメカを多層構造で剛性の高い筐体に搭載。デノンの誇る「Advanced AL32 Processing」(16〜24bit信号を32bitにハイビット化し、同時にアップサンプリングも行なう)に最新型の192kHz / 32bit DACを採用し、電源部はデジタル系とアナログ系を分けるなど万全を期している。加えて同社初のUSB-DAC機能を持たせ、192kHz / 24bitまでのデジタルデータ再生、前面パネルに装備したUSB端子によるiPod/iPhoneやUSBメモリー内のデータ再生に対応させたのが、本機というわけだ。
まずディスクを再生してみて分かるのは、従来の同社モデルに比べ、より高域が伸びやかになり、全体的に華やかで硬派な音になったことだ。その上で、中音のなめらかさや厚みは、見事に引き継がれている。そこで、MacBook Airを使って、ハイレゾのFLACファイルを再生してみた。本機でD / A変換されたアナログ出力を試聴室リファレンスのプリメインアンプに繋いで、同じくリファレンススピーカーを鳴らす。ここで重要なのは、デノンのサイトから1650RE用のドライバーをダウンロードして、あらかじめPCにインストールしておくこと。この手順を経て再生された音は、まさに高級DACによるハイレゾサウンドそのもの。高域の切れ味、低音の押し出しと迫力は、CDを凌ぐばかりか、一般的なDACよりも重心が低く安定したもの。やはり、オーディオ的に強固に設計された筐体との相乗効果だろう。次に、前面USB端子にiPhoneを差し込んでAAC圧縮音源やFLACプレーヤー(iPhone用ソフト)でハイレゾ音源を再生してみたが、若干高域が強調される傾向が見られるものの、iPhoneとは思えない重低音に支えられた高品質なサウンドが聴けた。試聴室の高価なシステムとの組み合わせとはいえ、その性能の高さ、音質の良さは、ディスク再生派にも歓迎されるべきものであった。
パソコンを接続してハイレゾ音源の再生が楽しめるUSB-B端子を背面に装備。
なお、USB-DAC機能を省き、前面USB再生に特化した姉妹機「
DCD-755RE」(50,400円)も試聴してみたが、上級モデルに遜色ないDAC部の性能のためか、やや小振りにはなるものの、十分共通したハイレゾサウンドを味わうことができた。すでに単体DACをお持ちの方や、iOS機器を活用した高音質再生には、こちらもC / Pに優れた選択肢といえよう。