[特選ヘッドフォンガイド]理にかなった逆三角形のハウジング。音は穏やかな中にも芯の強さがある――ADL H118

2013/07/23掲載
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ADL H118
ADL H118
23,100円

■形式: 密閉型 ■ドライバ: 40mmダイナミック型 ■再生周波数: 20Hz〜20kHz ■インピーダンス: 68Ω ■ケーブル長: 3m ■重量: 245g ■付属品: 3.5mm→6.3mm金メッキ変換プラグ / キャリングケース
※お問い合わせ: フルテック(株) www.furutech.com/ja
理にかなった逆三角形のハウジング。音は穏やかな中にも芯の強さがある
 ADL(アルファデザインラボ)は、高級オーディオケーブルやコネクター、各種プラグなどで有名なフルテックのオーディオブランドで、そのADL初のヘッドフォンが今回紹介する「H118」だ。H118は40mm特殊高性能マグネットのドライバーによる密閉型で、「アルファ・トリフォーム・イヤーカップ」という逆三角形のイヤーパッドが特徴的だ。写真の通り側面にはアルファのマークがあり、硬派ともいえる個性的な外観とこのマークが印象的で、一度見たら忘れないデザインだ。
ステレオミニジャックと非磁性体ロジウムメッキ処理を
施したミニXLRプラグ仕様の交換ケーブル
iHP-35X(1.3m 7,980円 / 3.0m 10,836円)
が用意されている。
H118以外にAKGのヘッドフォンにも対応する。
 片出しのケーブルは左側に付いているので、装着時に左右を間違えることはない。適度な側圧と柔らかめのイヤーパッド、そして独特の形状により密閉度が高い。重すぎず軽すぎず、だがかなりしっかりした装着感だ。耳の形状に合わせた逆三角のハウジングが耳の隙間をなくしているためか、装着のし方によって音が変化する。私の場合、左右の耳を結んだ線を中心にヘッドバンドが頭の後方にある状態よりも、ヘッドバンドが頭のやや前方にくるように装着した方が良いと感じた。頭や耳のかたちは個人差があるので、一番好ましい装着位置を探してほしいと思う。
 音質はこれ見よがしなメリハリ調の派手なものではなく、聴き疲れの少ない落ち着いたものだ。穏やかな中に芯の強さがある。音楽を聴き始めた時は「ちょっともの足りないなあ」と思うのだが、3分から5分ほどすると音楽に引き込まれているということが何度もあって、ADL流の本格的で安定感のある音作りといえる世界をもっている。
 収納時はパンタグラフを押し込むように折りたたむことができて、小さく収納できる点が良い。ケーブルは脱着式で、ミニXLR端子は非磁性体ロジウムメッキが施され、たいへん高級感のあるものだ。付属のケーブルから同社製のケーブルiHP-35X(別売)に交換すると、激変といっても過言ではないぐらいに解像度や密度感がアップするので、購入後のステップアップは大いに期待できる。激変とはいっても、正反対の音になるというわけではない。フラットで浸透力のある音に変わりはないのだが、リケーブルにより透明度が格段に上がって彫りの深い音になる。このケーブル交換による効果は音楽とオーディオが両立するような深みと強さのある変化なので、是非お試しいただけたらと思う。
試聴・文 / 山本耕司
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