[PC Audio Extra]クリスタルのごとき透明感のある再現力――Astell & Kern AK120

2013/08/29掲載
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Astell & Kern AK120
Astell & Kern AK120
オープン価格 / 129,800円前後

■対応音源フォーマット: WAV / FLAC / APE / MP3 / WMA / OGG / AAC / ALAC / AIFF / DSD ■最大サンプリング / ビットレート: 192kHz / 24bit ■内蔵メモリー: 64GB ■メモリーカード: micro SD x 2 ■ヘッドフォン出力: ミニ ■液晶サイズ: 2.4型 ■再生時間: 約12時間(FLAC, 192kHz / 24bit) ■外形寸法: 59.2W x 89.1H x 14.4Dmm ■重量: 144g
※お問い合わせ: (株)アユート www.aiuto-jp.co.jp/m
クリスタルのごとき透明感のある再現力
 モバイルオーディオがオーディオシステムとしての一形態であるならば、ハイレゾ音源の再生に対応するのは必然的だったのかもしれない。実際、iPod / iPhoneに代表されるデジタルオーディオプレーヤーにおいても、本来の解像度ではないにしろ、ハイレゾ音源を何らかの手段(ダウンコンバートなど)で再生できるようになってきている。では、ハイレゾにネイティブで対応した、あるいはハイレゾ専用のモバイルオーディオは存在しないのかというと、すでにいくつか出現している。そのひとつがアステル&ケルン「AK120」だ。
内蔵64GBメモリーのほかに最大64GB x 2のmicro SDカードスロットを装備。メモリー合計は最大192GBの大容量。
 AK120は、レコーディングやマスタリングなどのプロフェッショナルな現場において、スタジオクオリティのサウンドを忠実に再現するために開発されたという。前身のAK100もハイレゾのネイティブ再生機として話題となったが、その上級モデルに相当する。定評あるウルフソンのDACチップを左右chに2基使うという贅沢さで、クロストークやS / N比、歪特性などを改善するとともに、USB-DACや光接続によるDAC / DDC(デジタル変換)、Bluetooth対応など多くの機能を有する。そのため、ヘッドフォンでのリスニングだけでなく、パソコンや既存のオーディオシステムとの連携も可能にしているのだ。また、88.2 / 96 / 192kHzサンプリングの24 / 16bitというハイレゾだけでなく、CDクオリティの44.1kHz / 16bitや圧縮音声の再生、FLAC、WAVのほか、AIFF、ALAC(アップルロスレス)、AAC、MP3など、まずほとんどの音声ファイル形式に対応している。なお、DSDに関してはアップデートによって対応とあり、今回の試聴ではいまだ非対応だった。
イタリアの職人によるゴージャスな手作り天然皮革ケースが付属する。
 音源のインストールは、本機とMacもしくはWindows PCを付属のミニUSBケーブルで接続し、デスクトップにマウントされたAK120のMUSICフォルダーにドラッグ&ドロップでコピーすれば完了。
 筆者リファレンスのヘッドフォンで試聴したところ、さすがにハイレゾ再生は素晴らしく、解像度が高い。さらに歪感がまったくなく、個々の音の塊がしっかりしているのにスムーズで耳障りなところがない。44.1kHzや圧縮音源でも、高音が自然に伸び、クリスタルのごとき透明感があるのには驚いた。基本的な操作はタッチ式の画面で行なえるが、ボリューム調整をメカニカル式の高精度ノブで行なう点は、オーディオ機器としてのこだわりを感じさせる。従来のモバイルを鮮やかに超えた、高価ながら存在価値の大きなポータブルオーディオと断言できる。
試聴・文 / 大塚康一
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