KEF M500
36,750円■形式: 密閉型 ■ドライバ: 40mmダイナミック型 ■再生周波数: 20Hz〜20kHz ■感度: 103dB ■インピーダンス: 32Ω ■ケーブル長: 1.3m(着脱式) ■プラグ: ミニ ■重量: 208g ■付属品: 保護ケース / 航空機用アダプター / 標準プラグアダプター※お問い合わせ: KEFジャパン
www.kef.jp/ 名門ブランドにふさわしい、完成度の高いデザインとサウンド
コンパクトに折りたたんで
保管できる堅牢な携帯保護
ケースが付属する。
「猫も杓子も」とまではいわないが、ここ数年でさまざまなオーディオメーカー、PCアクセサリーメーカーが、ポータブルオーディオの世界へと新規参入し、数え切れないくらいの新製品が登場しては消えていった。それだけ元気のある、フレッシュなジャンルであることは間違いなく、何を選んだら良いのか迷うくらい充実したラインナップが揃うようになったことは、いちファンとしても嬉しいかぎり。特にイヤフォン&ヘッドフォンは、そういった盛り上がりのおかげで、ひと昔前の製品に対して、音質 / ユーザビリティともにかなりのクオリティアップを果たしている。そんなレベルの高いアピール合戦が繰り広げられているヘッドフォンの世界に、新たなるキラ星が誕生した。それがKEFの「M500」である。
KEFといえば、いまさら紹介する必要のないくらい日本国内でも著名な、英国のスピーカーブランド。そのラインナップは、ハイエンドからエントリー、パワードからシアターセットまで幅広く取り揃えているが、ヘッドフォンに関してはコレが初めて(同時発売されたイヤフォン「M200」も同ブランド初)だという。スピーカーの酸いも甘いも知り尽くしたメーカーだけに、意外にも思える話だが、実は以前から開発はスタートしていたものの、納得できる製品を作り上げるまでに8年もの時間を要したため、このようなリリースタイミングになったという。
ドライバーは40mm径。
強力なネオジムマグネットと
従来の銅線の半分ほどの重量
のCCAW(銅覆アルミ線)ボイス
コイルにより音のレスポンスを
高めているという。
そんな、KEF渾身の作M500だが、その外観はライフスタイル系と呼びたくるような、洗練されたデザインにまとめ上げられている。加えて、オンイヤータイプであること、アルミ製フレームの採用など随所に軽量化が図られているのも嬉しい。同時に、多方向に微調整が行なえる独特のヒンジ部や柔らかな形状記憶イヤーパッドを採用したことで、軽量さに加えフィット感の良好さも持ち合わせている。日常的に活用したくなるデザインと扱いやすさだ。
さて、肝心のサウンドはというと、正確かつ明快な音楽表現が魅力。ありのままの音を素直に再生しつつも、音楽としての躍動感を余さずしっかり伝えてくれるのだ。おかげで、ヴォーカルがずいぶんと芯の強いしなやかな歌声になるし、ハードロックなどはリズムの刻みが心地よく、グルーヴ感がいつもより数段増しに感じられる。こういった「音質が良く、それでいて楽しい」というキャラクターは、まさにKEFスピーカーそのもの。製作に長い時間を費やした甲斐あって、KEFスピーカーファンも納得の、完成度の高いモデルに仕上がったことは確かだ。