Sony MDR-10R
オープン価格 / 19,000円前後■形式: 密閉型 ■ドライバ: 40mmダイナミック型 ■再生周波数: 5Hz〜40kHz ■感度: 100dB ■インピーダンス: 40Ω ■ケーブル長: 1.2m(着脱式) ■プラグ: ミニ ■重量: 180g ■付属品: スマートフォン対応マイク / リモコン付きケーブル(1.2m) / キャリングポーチ※お問い合わせ: ソニー(株)
www.sony.jp 低域の立体感を中心に王道路線でまとめたサウンド
ソニーは専用40mm HDドライバーを使った新シリーズ「MDR-10」を発売した。上位シリーズMDR-1のテイストを引き継ぎ、小さく軽く、より多くのユーザーに向け低価格化を図ったシリーズだ。
開発は「MDR-1」シリーズと同様、ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業によるものとされ、シリーズ共通の専用40mmユニットは5Hz〜40kHzの再生が可能なハイレゾ対応だとしている。ハウジングの通気孔で振動抵抗を制御する“ビートレスポンスコントロール”や、立体縫製したイヤーパッドの“エンフォールディングストラクチャー”といった上位シリーズの特徴も受け継いでいる。
仕上げはブラックとホワイトの2タイプをラインナップ
そのMDR-10シリーズの基本モデルがこの「MDR-10R」で、アラウンドイヤー型ながら小さく軽くまとまっており、MDR-1Rの約240gに対して約180g(いずれもケーブル含まず)と約60gの軽量化を果たしている。装着してすぐ感じるのは、イヤーパッドの独特の感触だ。パッド自体の容量は大きくないが、適切な部分にくまなく面で当たる感触があり、その存在を不必要に感じさせない。気密性もイヤーパッドを耳に押し付けるのではなく、このパッドの形状で稼いでいるようだ。それが独特の軽快感につながっていて、快適なわりに遮音も悪くない。
音に関しては王道路線でまとまっている。豊富な低域レスポンスによってパンチと立体感のある音像を成立させながら、音圧の分布はフラットに近い。音圧だけで低域の存在感を演出した凡百の製品とはやはり違うのだ。音場感は若干デッドで狭く、そうした意味ではモニター的ともいえるが、前述した低域の立体感がリスニングヘッドフォンの新世代であることを主張している。密閉型ならではの中高域の解像感と、躍動する低域との対比が面白い。
このMDR-10シリーズには、オンイヤー型で折りたたみ機構を持つ「MDR-10RC」や、NFCでスマートフォンとペアリングの容易なBluetoothヘッドセット「MDR-10RBT」、そして騒音低減率約99.4%というノイズキャンセリング仕様の「MDR-10RNC」もある。ドライバーは共通だが、MDR-10RNCは音声信号が消音回路を通るためハイレゾ非対応、ワイヤレスモデルのMDR-10RBTは有線接続時のみハイレゾ対応となる。