小型モニタースピーカーの可能性を広げる
サブウーファーとの組み合わせ
6010BPA-2.1-S
162,750円(セット価格)[6010BPM]
■ユニット: 7.6cmウーファー / 1.9cmドームトゥイーター ■アンプ出力: 12W(低域) + 12W(高域) ■再生周波数: 74Hz〜18kHz ■入力: アナログ(RCA) ■外形寸法: 121W x 195H x 114Dmm ■重量: 1.4kg
[5040BPM]
■ユニット: 16.5cmウーファー ■周波数特性: 35〜85Hz ■アンプ出力: 40W ■外形寸法: 305φ x 251Hmm ■重量: 6.3kg※お問い合わせ: オタリテック(株)
www.otaritec.co.jp モニター的資質を損なわず重低音を付加できる
その中でもコンパクトな「6010」シリーズは、2ウェイ方式でバイアンプ駆動のパワードスピーカー。お弁当箱程度のサイズながら十分に広帯域、かつ上位機種と同等の高解像度で、ジェネレックらしい性能が凝縮された製品だ。
もちろん家庭で使ってもその良さは満喫できるわけで、現行6010シリーズ「
6010BPM」に合わせた、「
5040BPM」という専用設計のサブウーファーも用意されている。そして6010BPM(2台)と5040BPMの組み合わせセットをそれぞれ単体購入よりリーズナブルな価格で提供してくれるのが「
6010BPA-2.1-S」だ。
6010BPMの低域再生限界70Hz(-3dB)に対し、5040BPMの周波数特性は35-85Hz(±3dB)。メインスピーカーは机上に置きやすいコンパクトサイズ、でも大型のスピーカーのような低域が得られる点で、5040BPMはニアフィールドリスニング向けの合理的なチューンナップオプションだろう。
ただ気になるのは、サブウーファー追加による低域の追従性や過渡特性の悪化だ。それを実際に聴いて確かめてみた。まず
パブリック・イメージ・リミテッドの「ポップトーンズ」を聴いてみた。80年代のニューウェイヴからダブへの流れの中で、ベースが異様に強調されたアルバム
『メタル・ボックス』の中の一曲。当然ながら普通の音量で低域が飽和することもなく、クロスオーバー周波数の設定も適切で、サブウーファーの存在を意識することなく聴ける。
よりシビアな音源として、e-onkyo musicで配信中の
宮下 伸『三十絃』を試してみた。1976年から78年にかけて録られたアナログマスターを192kHz / 24bitの音源にしたもの。全長2.3メートルという大型の箏を中心に、三味線や和太鼓のような減衰の速い楽音だけで構成された音源で、低域の分離や立ち上がりを確認するにはもってこいだ。これに対しても5040BPMの追従性は十分で、大太鼓のような爆発的アタックを持つ三十絃の魅力を再現。三十絃にマスクされてほとんど存在感のなかった和太鼓も、サブウーファーを入れると鮮明に聴こえる。5040BPMは若干割高感はあるものの、単に低域を「盛る」だけではない。6010BPMのモニター的資質を損なわない点でも、ベストマッチなオプションだと感じた。