カラーはブラック / ゴールドとホワイト / シルバーの2色
DynaminMotion DM008
13,440円■形式: カナル型 ■ドライバ: 8mmダイナミック型 ■再生周波数: 20Hz〜20kHz ■感度: 110±3dB ■インピーダンス: 32Ω±15% ■ケーブル長: 1.2m ■プラグ: ミニ ■重量: 85g ■付属品: イヤーチップ(S / M / L)※お問い合わせ: (株)サエクコマース
www.saec-com.co.jp リファレンスとして活用できるほどバランスの優れた表現力
ダイナミックモーションは1982年に韓国で創業した、ドライバーユニット製造メーカーで、このDM008が初めての全工程自社製造によるイヤフォンの完成品である。しかしその音を聴くと初めてのイヤフォンとは思えないほどバランスに優れた完成度の高いサウンドに圧倒されることだろう。現在最も熾烈な競争を繰り広げる15,000円以下の価格帯のモデルとしては異例の高C / P比を誇る。
同社はソウル近郊に本社を構えるが、こちらは設計(ダイヤフラム製造に用いる金型・治具の製造を含む)に加え、「DM008」などのプレミアムモデルの生産を行なっているという。そのほか中国に巨大ユニット生産工場を2拠点持っており、世界的シェアを誇るスマートフォンにバンドルされるイヤフォンのドライバーユニットを一手に引き受け、その生産数は月産2,000万個に及ぶ。30年にもわたるユニット製造のノウハウと世界でもトップクラスの生産供給能力を有する専業メーカーの強みといえる、振動板そのものから形状、素材を検討できる恵まれた環境を背景に、世界に先駆け、音にこだわるユーザーの多い日本市場へ先行して投入されたのがこのDM008なのだ。
DM008開発にあたり、ドライバーユニット設計の段階から日本でのサウンドチューニングを開始。振動板素材も一般的なPET樹脂を含め、さまざまな素材、厚みが検討された末に理想的な音響特性を持つ、一つのスーパーエンジニアプラスティック素材が選び出された。ドライバー径は8mmであるが、大型リングネオジムマグネットを外周部に装着する技術を用いて製品化した「Power Dynamic Driver」を搭載。小口径ならではの解像感と10mmドライバークラスのパワフルさを両立させている。L、R表示がそのまま外観に活かされたユニークなデザインは2013年初頭、CESで参考出展され、海外でも高評価を得たというが、そのハウジングキャップにはアルミを用い、樹脂筺体の発する振動を効果的に抑制。ケーブルはフラット形状を採用して絡みにくく使い勝手のよい仕様となっている。
特にポータブルヘッドフォンアンプを用いることなく、iPhone / iPod直結でも十分ドライブ可能。ほんのりふっくらとした耳当たりよい低域と、こもることなくヌケのよい中高域表現によってさまざまなジャンルの音楽をバランスよく聴かせてくれる。左右ドライバーの特性も厳密に揃えているため音場の定位感、位相表現の正確さが際立ち、オーケストラの響きもクリアで奥行きさえ感じられる。ヴォーカルは分離良く密度も十分。質感は滑らかで非常に聴きやすい。サウンドバランスはニュートラル基調であり、リファレンスとしても活用できる傑作だ。