TEAC CD-P800NT
オープン価格 45,000円前後■CDプレーヤー再生対応フォーマット: CD-DA / MP3 / WAV ■ネットワーク部 / USB部: MP3 / WMA / WMA Lossless / WAV / AAC / FLAC / Apple Lossless / OGGVorbis / DSD ■ネットワーク: 100BASE-T ■USBポート: USB2.0(フロント) / USB1.1(リア) ■デジタル出力端子: 同軸 x 1 / 光 x 1 ■ライン出力: RCA x 1 ■ヘッドフォン端子: 標準ジャック x 1 ■外形寸法: 435W x 101H x 301Dmm ■重量: 4.9kg ■仕上げ: シルバー※お問い合わせ: ティアック(株)
teac.jp CD、DAC機能を備えた多機能ネットワークプレーヤー
ネットから専用アプリ「Teac Avr Remote」を
ダウンロードしてiOS / Android機器に
インストール。Wi-Fi上で本機を認識させる。
PCオーディオ以前から、DAC = DAコンバーターは存在する。内蔵あるいは外付けのDACを持つ最もポピュラーなオーディオは、言うまでもなくCDプレーヤーだ。デジタル音源がCDからハイレゾ、DSD(実はSA-CDと同じ)と様変わりしつつネットワーク上でデータをやり取りするようになった今も、そのDACを活かさない手はない。ティアックの「CD-P800NT」は、まさに従来のCDプレーヤーとしてのプロフィールを保ちながら、ネットワークプレーヤー機能も併せ持ったモデルだ。DAC部はCDのPCM44.1kHz / 16bitからMP3やAAC、WMAロスレスやAppleロスレスといった圧縮ファイル、192kHz / 24bitのFLAC、DSD128(5.6MHz)ファイルまで対応。メディアとしてはCD、USBメモリーそしてDLNA準拠のWi-Fiによるワイヤレス再生が可能となっている。
アプリを起動するとスマートフォン内の音楽
ライブラリが読み込まれ、CD-P800NT
経由でワイヤレス再生できる(図はiPhone)。
まずCD-P800NTをイーサネットケーブルを使ってLANに接続。専用アプリ「Teac Avr Remote」(無料)をiOSならApp Store、AndroidならGoogle playからダウンロードしてスマホにインストールしておく。アプリを起動してDLNAデバイスを検索すると本機が認識され、スマホ内の音楽ライブラリをワイヤレスでリモート再生できるという仕組みだ。本誌試聴室のリファレンスのアンプとスピーカーに接続し、iPhoneに入っている圧縮ファイルから聴いてみたが、非常に歯切れのよい再生音である。この場合規格上の制約によって、クラウドに保存されたライブラリやハイレゾ、DSDファイルなどは再生できない。しかし、本機のUSB端子にiPhone付属のUSBケーブルでワイヤード接続すると、iPhoneに保存した音楽ファイルをデジタルのまま入力できる。ピシッと決まったスピード感が心地よく、ヴォーカルも歪感がなく整っていた。同じくUSB端子にハイレゾファイルを書き込んだUSBメモリを挿して再生したところ、やはり歯切れよく迫力ある重低音で、抜けのよいサウンドが聴けた。最後にCDを再生してみたが、全体の重心はやや上がるものの、バランスの良い安定したサウンドだ。
ともすると現在ではDAC単体に匹敵するような価格帯でありながら、CD再生機能も備えたきわめてコストパフォーマンスの高いネットワークプレーヤーと思われる。ハイレゾ再生ヘのエントリーまたトランジション(移行)機としても、大いにお薦めしたい。