今夏リリース予定のゲーム・アプリ「ファイブキングダム―偽りの王国―」。派手な必殺技を持つキャラクター、さまざまな戦略を取り込めるバトル・システムをはじめ、ゲーム・ファンから高い評価を得ている本作の主題歌「Parts of Tears」をTom-H@ck(作曲)、やなぎなぎ(歌唱)が担当することが発表され、大きな話題を集めている。ゲーム音楽、アニメ音楽のフィールドで活躍する2人のコラボレーションは今回が初となる。
優れた作曲センスとプロデュース能力によって日本のアニソンを牽引し続けるTom-H@ck、そして、ファンタジックな世界観を引き立てるヴォーカルが魅力のやなぎなぎ。ふたりの個性と才能が融合した「Parts of Tears」の軸になっているのは、ドラマティックなメロディラインだ。この曲の制作についてTom-H@ckは公式サイトのインタビュー動画のなかで「(ふだんは)“時間をかけないほうが名曲が生まれる”というのがあるんですが、今回はメロディの細かいところを計算して、時間をかけて丁寧に作りました」とコメント。その言葉通り、緻密に組み立てられた壮大な旋律が実現しているのだ。ヘヴィ・ロック、クラシック、ロック、ゴシックなどが絡み合うアレンジも絶品(特に狂気的な美しさを感じさせるストリングスが素晴らしい)。高速のリズムのなかで展開されるスリリングなサウンド・メイクは、危うさ、美しさ、憂いを兼ね備えたダーク・ファンタジーである「ファイブキングダム―偽りの王国―」の世界をしっかりと際立たせている。
やなぎなぎのヴォーカルも素晴らしい。繊細な手触りと壮大なドラマ性を共存させたメロディを正確に描き出すテクニック、そして、過酷な戦いに巻き込まれる運命を受け入れながら、それでも自分自身の未来を掴もうとするキャラクターたちを想起させる歌詞をリアルに響かせる表現力。「Parts of Tears」の歌唱によって彼女は、シンガーとしての才能を改めて提示することになりそうだ。
リリース前から多くの話題を集めている「ファイブキングダム―偽りの王国―」その大きな魅力のひとつが主題歌「Parts of Tears」であることはまちがいない。ゲーム・ユーザーはもちろん、広く音楽ファンに聴いてもらいたい楽曲である。