ふだん何気なく目にしているもののあまり作り手を意識することのない、広告、テレビ番組のタイトルバック、ミュージック・ビデオなどを「DRAWING AND MANUAL」は数多く手がけてきた。これら日常に潜む作品を通し、人々の生活を明るく豊かにしてきたこの天才クリエイター集団の実態に迫るべく、所属するクリエイターの鈴木友唯さんと、設立時からのメンバーで現在は取締役副社長 / プロデューサーとして会社を支える飯野圭子さんに、お話をうかがいました。(編集部)
鈴木友唯(左)と飯野圭子
鈴木友唯
DRAWING AND MANUALに所属するクリエイター、鈴木友唯。アートディレクター、イラストレーター、デザイナーなど、多岐にわたる活躍ぶりは、DRAWING AND MANUALという会社を象徴しているようでもある。その多才な仕事の根底にあるのは、もの作りの楽しさだ。彼女が大学時代から子どもたちのワークショップを続けているのは、「子どもたちに負けない面白いものを作りたい」からだとか。創作のワクワクするような初期衝動を今も大切にしていることが、彼女の作品や言葉から伝わってくる。
――鈴木さんは幅広い分野で活動されていますが、最初に興味を持ったのは何だったのでしょうか。
「子どもの頃から絵を描くのが好きだったんです。そして、高校の時にアートディレクターという仕事があることを知って、それをやってみたいと思って武蔵野美術大学に入りました。学校ではイラストをデザインに起こす、ということを学んで、4年生の時に菱川さん(DRAWING AND MANUALの設立者であり、さまざまな分野で活動するクリエイター、菱川勢一)のゼミに入ったんです。1年の授業で菱川さんの作品を見て感動して、4年になったら菱川さんに学びたいと思っていたんですよね。ゼミで映像もやるようになり、卒業制作はイラストやデザインを使った映像作品を作りました」