アンディ・ウォーホルとの出会いによって、名門の令嬢から時代のミューズとなった“イーディ”を描く、映画『Factory Girl -ファクトリー・ガール-』が4月19日(土)よりシネマライズ他にてロードショー。その公開に合わせ、再確認しておきたいアンディ・ウォーホルが手掛けたレコード・ジャケット・コレクション!
アンディ・ウォーホルが「80枚の2ドル札」「200個のキャンベル・スープ缶」といった傑作を世に発表し、ポップ・アートの旗手として君臨していた1960年代。ニューヨークにたしかに存在したスタジオ“ファクトリー”。才能と熱気に溢れるアーティストが集い、当時のカルチャー・シーンを先導するサロン、つまりは時代の“場”としての役割を担っていたことでも知られています。
夜ごとに新たな才能が生まれた「In 15 minutes everybody will be famous」な時代のミューズ、ウォーホルを含めファクトリーを魅了した“It Girl”こと、イーディ・セジウィックの人生を描いた映画『Factory Girl -ファクトリー・ガール-』が4月19日(土)よりシネマライズ他にてロードショー!(写真はUS版DVD)
アンディ・ウォーホルとの出会いによって、名門の令嬢から時代のミューズとなり、
ボブ・ディラン(劇中では“ロックスター”)との出会いによってその華麗なストーリーに終わりを告げたイーディ・セジウィック。ルックス、センス、その存在すべてで時代を魅了しながらも、孤独という影から抜け出すことのできなかった彼女を軸に、『Factory Girl』は60年代のニューヨークを描いていきます。
現代のトレンドセッターとして名高い
シエナ・ミラーをはじめ、
ガイ・ピアース、
ヘイデン・クリステンセンらキャストとスタッフは、残されている資料をはじめ、当時を知るファクトリーのメンバーへアプローチを取り(製作にはウォーホルの友人であったアーロン・リチャード・ゴラブが参加)、当時の空気感を完全に再現。今もなお刺激的であり続けるポップ・アートの記録としても見逃せない作品! ヴィンテージをふんだんに採用した、スクリーンを彩る60年代ファッションにも注目しましょう。
アンディ・ウォーホルが生み出した重要なファクター、
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドも『Factory Girl』では登場。バンドのプロデュースを申し出たウォーホルが、モデルのニコをヴォーカルへ据え(二人の出会いはボブ・ディランの紹介によるものとか)、1967年に1stアルバム
『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』を発表。
バンバンバザール、
Crue-l Grand Orchestra、
デッド・ミルクメン、
ゴーゴーコンビ、
ザ・ダンディ・ウォーホルズ……数多くの真似ジャケを生み出したことでも知られる、潔さとインパクトが同居するジャケット・アートワークはやはり一級品。さほど名前が知られていない頃よりレコード・ジャケットを飾ってきたウォーホル、音楽と自身のアートを見事に融合させ、後世へ繋がるきっかけともなった記念すべき作品は、やはりコレなのではないかと。
その後も、
ザ・ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ』(1971年)、
『ラヴ・ユー・ライヴ』(1977年)、
ポール・アンカ『The Painter』(1977年)、
ビリー・スクワイア『Emotion in Motion』(1982年)、
ダイアナ・ロス『シルク・エレクトリック』(1982年)、
ジョン・レノン『メンローヴ・アヴェニュー』(1986年)、
アレサ・フランクリン『Aretha』(1986年)など、数多くの作品を手掛けた彼。
著名人への憧れと、その“顔”を記号化してしまう手法、そして“アンディ・ウォーホルのデザイン”というステイタスを求めるクライアント、見た目の美しさはもちろん、彼のアート活動を構成する要素が滲み出るレコード・ジャケット・コレクション。銀髪頭を叩いてみれば、ポップ・アートの音がする……といったかどうかは定かではありませんが、『Factory Girl -ファクトリー・ガール-』のお供にご覧ください。
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