好きなことや大事にしていることを信じて人生を謳歌しよう ベッド・イン『TOKYO』

ベッド・イン   2017/12/18掲載
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 ベッド・インがセカンド・アルバム『TOKYO』を完成させた。おなじみのギラギラボディコンロックはもちろんのこと、ラテン歌謡、ブラコン調、シティポップ、バラード、そして念願のキッズソングと、やまだかつてない曲調を動員したスキゾな作り。作詞、歌唱の面でも二人の成長をしっかり刻んだ前作以上のケッ作となった。「マスマス大忙しなんじゃないですか?」と水を向けると「いえいえ全然!」「下半身だけです♡」と相変わらずゴキゲンに返してくれたが、この勢いと完成度は、いよいよ二人の目標である億ションすら視野に入ってきたワクワク感にあふれている。
――まず、このアルバムでお二人がどんなことをやろうとしたか、というあたりから話していただけますか?
益子寺かおり(ヴォーカル / おみ足担当) 「実はアルバムを作ることが決まったタイミングで『TOKYO』ってタイトルが先走りで思いついて。東京はバブル文化が栄えた象徴的な街でもあるので、直感でこれに決めちゃったんです。で、最初に着手したアルバム曲が〈シティガールは忙しい〉だったんですけど、二人で歌詞を遠征先のテルホでゲラゲラ笑いながら朝までカキコキして……。そこでなんとなくアルバムの全体像のテーマが決まってきた感じですね」
中尊寺まい(ギター&ヴォーカル / パイオツカイデ〜担当) 「逆に言うと、それまではアルバムをどういうアルバムにするかっていうところもぼんやりとしか決まってなかったんです。この曲を二人でカキコキしたことでやっと方向性が見えてきたっていうか」
かおり 「東京っていうと“上京物語”的な曲が多いと思うんですけど、ウチらはあえて、バブル時代の女性たちのように自由に人生を謳歌する生き様を通じて“東京”という街を描こうと思ったんです。二人ともいちばんウォンビーロングに暮らしてきた故郷みたいな街でもあるので、東京ってどんな街だろう?って改めてチンキングした時に、たくさんの人やモノが溢れてて、出会いやドラマがいっぱいあって、酸いも甘いも経験できる場所……そして、自分の意思次第ではいくらでもキラキラ輝ける刺激的な街だよねって話になって」
――それはいつごろの話?
かおり 「たしか10月中旬頃だったかしら……10月末が最初のレコーディングで、“ゲロゲロ〜! もうレコーディング来週じゃんー!”ってケツカッチンな状態で書いた記憶が……(笑)。ほんっと今回ギリギリ☆ガールズな進行で、実質的な制作期間は1ヵ月半ぐらいなんですよ!」
まい 「この期間で9曲ですから、さすがのウチらも大丈ブイかしら……と不安になりましたね。私はギターもあるので、歌詞をカキコキして次の日には歌入れ、2日間ギター練習して次の日にはレコーディング……みたいな、やまだかつてない状況が1ヵ月半続いたので、もはや頭があぶない刑事、ウェイクアップ!って感じでした♡(笑)」
かおり 「でも最初の〈シティガールは忙しい〉の歌詞を書く時にふたりでじっくり話し合えたので、アルバムの方向性が見えたあとは、選曲から曲順、ジャケットやPVまで、ブレることなく突き進めましたね」
まい 「バブル時代のキラキラした煌めきを通して、今を生きる全ての人たちに想いを届けたいっていうのが大きな軸としてあるんですが、“東京”って光と影があるからこそドラマチックな街なんだと、個人的には強く思っていて。なので、色んなバリエーションの曲を挿れ込ませてもらったつもりです。前作(『RICH』)も“幕の内弁当”って言ってましたけど、さらにおかずの種類が増えたというか、幅がより広がったアルバムになったかなと」
かおり 「私たちが本気でリスペクトしているバブル時代の精神を伝えていきたいという思いはロンモチで変わらないので、欲望に正直に! 自由に人生を謳歌しよう! いいことも悪いことも欲張りに!という部分を軸に置きつつ、いろんな人間模様やドラマを描いていった感じですね。でも、ロンモチで今回も歌詞の内容は全部自分たちの実体験を赤裸々に書きました……♡ あ、唯一〈シティガールは忙しい〉だけは妄想ストーリーですけどねっ」
まい 「憧れのトレンディドラマのような生活、わたしたちがあの時代に生きてたらこういうことしたいよね! っていう夢がMORI MORIな日常をカイてコイてみました♡」
かおり 「そんなストーリーを描きつつも、バブル時代と今を繋ぐ、架け橋のような曲になったらいいなと思っていたので、サビや最後のCメロ(“好きなもので 溢れちゃうから”以降)に関しては、女の子の普遍的な気持ちを書こうと思って。当時も今も、女の子の気持ちの部分は変わらないと思うんです。以前はバブル文化を伝えるために、バブル用語をたくさん使ってガンバルンバしてた節もあるんですが、今回は全体的に精神的な部分を大事MANにして、等身大な表現を心掛けたので、より今を生きる人たちに共感してもらえる作品になったんじゃないかなって」
まい 「今でこそ女性が社会にでて働くって普通のことですが、バブル時代から女性が社会進出して男性と肩を並べて歩き始めたので、そういう意味でも現代の女の子のパイセンなんですよ。だからこそ、通ずる部分も多いと思うんです。そのあたりを意識し始めたのが『RICH』からだったんですけど、今回のアルバムではより一歩踏み込んで精神的な部分を言葉にできるようになったかなと思っています」
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――なるほど〜。僕の感想をイッてもいいですか?
かおり 「おマンを持して!」
まい 「ズッポし聴かせてチョンマゲです♡」
――すばらしいアルバムだと思いました!
二人 「キャ〜〜〜♡ マンモスうれP〜〜♡」
――これまでもずっとよかったけど、ちょっと次元が変わった感じです。聴きながら泣いちゃった曲もあったりして。
かおり 「えーっ! どれどれ?〈離れていても…〉かなぁ?」
まい 「ベッド・イン初のロッカバラード!」
かおり 「ああん! 武道館で性徒諸クン(※注: ベッド・インのファン)たちがバナナの涙を流しながら、シンガロングしてくれてる風景が見えるっ……!!」
――それももちろんいいんですが、僕がいちばんグッときたのは「Conscious 〜闘う女たち〜」でした。
二人 「あ〜〜〜!」
――これと「シティガールは忙しい」は、ベッド・インの代表作になり得る曲だと思います。
二人 「お〜〜〜!(拍手)」
――ファンの方たちはこの2曲を聴いたら絶対ベッド・インをもっと好きになるし、ご新規さまはデ〜ハ〜なチングル曲や「ジュリ扇ハレルヤ」から入ってもいいし。あと、お二人とも作詞が上達しましたよね。
まい 「きゃーのきゃーの♡ 数日間徹夜で24時間戦った甲斐がありました……歌詞がおりてこなくてスワンの涙流しそうになりながらもガンバルマンPのGスポット精神でなんとか乗り切ってよかった!」
かおり 「“まいっちんぐぅ〜! あさってレコーディングだ!”とか言いながら必死でカイてコイて走り抜けたよね……。連日オケカラにこもって(※注: かおりは作詞するときヒトカラしながらハマりのいい言葉を探す)何度“見上げたらモーニングムーン”現象を目の当たりにしたことか……チャゲアスもクリビツ!みたいな(笑)」
――「シティガールは忙しい」ではユーモア的な部分と、シリアスなメッセージがひとつの曲に同居していますよね。“朝シャンって!”とか“写真焼き増しって!”とかウケながら聴いていたらうっかり感動していた、みたいな。
かおり 「ああん、そう言ってもらえるとマンモスうれPです! 歌詞を書いてる段階で、フィナーレのCメロの部分は先にPVのシーンが思い浮かんだんです。生き生きとした女の子たちがミュージカルみたいに歌って踊ってる姿が見える……!って、モッコシモコモコ盛り上がって♡」
まい 「なんとなくフラッシュモブみたいなイメージがあったんです。歩いてたら途中からゲロマブなボディコンギャルが集まって来て、彼女たちを引き連れて踊り出す、みたいな?♡」
かおり 「なのでこの部分の歌詞はエンドロールみたいな位置づけで、今を生きる人たちに贈るメッセージを詰め込もうってマン上一致で決まりました♡」
――人目を気にしなくなったというか、やりたいことが明確になってきたんですかね。
まい 「そうかもしれないですね。ずっと、わたしたちの中の“バブル”というモノをどうやったらわかってもらえるんだろう……って試行錯誤してたんですけど、いい意味で少し心に余裕ができてきたのかな。それはお客さん含め良き理解者が周りに増えたことも大きいと思います。あとは、変な言い方ですけど、どう思ってもらってもいいって心の底から思えるようになったっていうのもありますね。自分たちの中に核があれば、どんなことしても揺るがない自信が出てきたのかも」
かおり 「あとは、前作の『RICH』ではウチらが掲げてきた“ボディコンロック”を表現する名刺代わりになるようなアルバムを作れたと思っているので、今回のアルバムは、いい意味で性徒諸クンを裏切りたいっていうのがテーマだったんです。せっかくのアルバム二作目、いつもとはひと味違う変化球のベッド・インをお見せして、みんなにWAKU WAKUしてもらいたいよね、って♡ 特に二人で作詞した〈シティガールは忙しい〉と〈ジュリ扇ハレルヤ〉は、肩の力をヌいて自由に遊んで書けましたね」
まい 「最近ファミリー層のお客さんも増えてきたのですが〈ジュリ扇ハレルヤ〉でちびっ子たちにジュリ扇振ってもらえたらマンモスヤッピ―すぎる♡」
――前のインタビューのとき仰っていましたよね、「ベッド・イン体操」みたいな曲を作りたいって。
かおり 「100%…SO!なんです♡ 〈ドラゴン体操〉みたいにちびっ子ちゃんたちと一緒に踊れる曲を作りたいってZUTTO思ってたので、夢がMORI MORIに叶いました〜!」
まい 「ちびっ子の声を入れるのも、最後の最後にわがまま言わせてもらって。エンジニアさんの息子クン……あ、そっちの意味じゃないゾ?♡と、そのお友達なんですが、ゲロマブなママたちと一生懸命練習してきてくれて。でも“あきすとぜねこ”とか生まれて初めて聞く言葉だから全然うまく言えなくて(笑)。それが震えるほど可愛くて、タマランチ会長でしたね……母性が爆発して母乳が出るかと思いました♡ 隠し撮りさせてもらった動画、今でも見返してます♡」
――言葉遊びのノウハウがちゃんと詰め込まれていますね。
かおり 「うふふ♡ これも遠征先のテルホで爆笑しながら書いたんです〜♡」
まい 「決まるまで悩んだけど、決まったら即ハメって感じでスッと♡」
かおり 「サビは思わず口ずさみたくなる呪文みたいな響きの言葉にしよう、ってことから決まって、最初に“あきすとぜねこ 占って”って歌詞が浮かんだんです。辛いことがあっても、占いや神様任せにして忘れちゃえ!って(笑)聴いてると元気びんびん物語になれるような、とびきり軽薄なアーパーソングにしてしまおうと。そこからスイッチが挿入(はい)って、“フェロモン 攻撃しなくっちゃ!”とかウケな〜い?って深夜のテンションでゲラゲラ笑いながら作っていった感じです♡ ちびっ子からおじいちゃんおばあちゃんまで“バブルっていいな”って思ってもらいたいので、この曲で『みんなのうた』を狙ってるんですよ、本気(マジ)で!」
まい 「からの『紅白』イケるんじゃない?って。毎年言ってますけど(笑)」
かおり 「だけど、今年もポケベルが鳴らなくて……マル金パパ! 来年こそ下半身のジュルスケ空けておマンちしてるわ!♡」
――「GO TO HELL...!」の“GO TO HELL”と“GO TO BED”とか、「女豹 -PANTHER-」の“PANTHER”と“ANSWER”とか、韻というよりダジャレみたいな言葉遊びを、かおりさんが真顔で歌い切っているのが最高です。なんちゃって感がない。
かおり 「“わたしこそがANSWER”って言っちゃってますからね、超ドヤ顔で(笑)この曲はとにかくタカビーで肉食なナオンの曲にしようと思ってたんですけど、言葉選びがめちゃくちゃ大変だったんですよ! 曲中で“PANTHER〜♪”って歌ってる部分に合うワードを3日くらいず〜っと考えてたんですけど、何も浮かばなくて……何も言えなくて、夏。極限状態まで陥ったので、最終的には英語辞典を買って、開いたページでピンときた単語を使おう!ってひらめいて、それを一日中やってやっと出会ったワードが“PANTHER”!(笑)。そこからERがつく言葉を探してイクという地道な作業をシコシコとやってました……セキメ〜ン♡(笑)」
――努力の甲斐がありましたね。あと、今回はまいさんの歌が目立っている気がします。
まい 「あら、ぶっとびぃ〜ッ! 実はディレクターさんが替わったんです、その方との体の相性が良かったのかな♡」
かおり 「かもね、かもね、そうかもね〜♡ あとは、まいと私の“甘・辛”というそれぞれの声の特性と相性がいい歌のパートを探ってもらえたのも大きかったですね。まいが歌った方がイキフンが出る箇所はここ、私が力強く歌った方がいい部分はここ……みたいに淫ぐり悶ぐりして……♡」
まい 「一度一曲通してひとりずつ歌ってみて、みんなで聴いて、どの部分にどっちがハマるかチンキングしたんです、下半身で。それで私の声に合う部分を選んでくださったんだと思います」
かおり 「今まではあらかじめ歌い分けを決めていたことが多いんですけど、今回初めて、まずは実際に一度歌ってみてから歌い分けを決めてみたんです」
まい 「Aメロを二人で分けて、Bメロはかおりさんが盛り上げてサビまでもっていく、みたいな振り分け方が割とスタンダードにあったんですが、今回はそれぞれの曲に合わせて決めたので、ここでも新しい挑戦がありましたね」
――まいさんのソロの「燃えさせてよ」も新鮮です。
まい 「実はこの曲は、ちゃんまいがDAISUKI!な三原順子さんと、世良公則さんの気持ちでねちっこく歌いました(笑)キャラを分ける為に、アーパーなかわいい系の発声で歌ってたんですけど、やさぐれたワンカップ臭のする泥臭い曲にしたいってお願いして。実はディレクターさんも歌った瞬間、クリビツテンギョ〜して“あ、本当はこっちの人なんだね”と言われたのが印象的でしたね(笑)。前身バンドは、しゃがれ声で嚙みつくように歌うADK(※注: 元ザ・スターリンのTAMが立ち上げたインディー・レーベル。奇形児、マスターベーションなどが代表格)直系の日本語どろどろパンクバンドだったので、自分の中にある本来の姿をほんのり出せたかなと思ってます。けど、汚さで終わらせずに、ちゃんと歌謡曲に昇華させるという部分で苦労した一曲です。歌詞は、相も変わらずのヤリマン哀歌です。早くおナマでヤりたいな♡」
かおり 「前作のお互いのソロ曲は“まい=甘”“かおり=辛”をイメージした曲だったんですが、今回はそれをスワッピングして、イメージを裏切ってみようと思って。どっちのソロ曲も、いつもとはちがうギャップを感じてもらえたらEな……♡」
まい 「かおりさんの〈Snow Magic〉は完全にカメリア族的な名曲DA・YO・NE〜♪」
かおり 「デモ音源のメロディを初めて聴いた時点でみんなで“名曲”って呼んでたもんね(笑)杏里さんや小比類巻かほるさんみたいな、大人なナオンのイキフン香る、やまだかつてないアーバン・ソングになりました! OL時代にオフィス・ラブを経験したからこそカキコキできる、切なくトレンディなウィンターソングにしたいなと思って……♡ 普段、力強く歌いあげることが多い私ですが、この曲では雪解けのような優しい歌い方にチャレンジしてみました。細かいニュアンスにもこだわったので、桃色吐息まで感じ取って欲しいな……♡」
――うんうん。「離れていても…」はバラードだし、「Kiss Me Kiss Me」はファンキーだし、「シティガールは忙しい」はタイトル通りシティポップ的なイキフンもあって、これまでのベッド・インにはなかった曲調ですよね。
かおり 「実は〈CO・CO・RO グラデーション〉からサウンドへの取り組み方も少し変わってきたんです。たとえば、荻野目洋子さんの〈ダンシング・ヒーロー〉や石井明美さんの〈CHA-CHA-CHA〉をはじめ、バブル時代って、洋楽の流れを汲んだディスコサウンドに歌謡曲のメロディが融合した曲がとても流行った時代なので、よりそのサウンドを追求してみようという意識が強くなったように思います。特に変わったのは、そのディスコサウンドの部分ですね。ロンモチで今まで掲げてきた“ボディコンロック”という部分は大事MANにしつつ」
まい 「ヘイゼル・ディーンWinkさんがカバーしたり、長山洋子さんがバナナラマをカヴァーしたり、バブル時代って洋楽を日本人好みのテイストにうまく昇華させている曲が多いですよね。アレンジ含めてその部分に今回は特にこだわったので、ビートが今までと全然違うと思います。今までより、もっとABCDE気持ちに踊ってもらえるんじゃないかな」
かおり 「だから今回洋楽テイストのコーラスが多いのも前作との違いですね。まいのソロ曲以外のコーラスやハモりは私が歌ってるんですけど、すっごく難しくて……! ディレクターさんに“ここはもっと黒人シンガーっぽく!”ってアドバイスを受けたりしながらガンバルンバしました(笑)AMAZONSさんを意識してタ〜ウ〜したので、そこも注目してみてチョンマゲ〜♡」
――「Conscious 〜闘う女たち〜」に泣いたって言いましたけど、とりわけ女性に向かって“そのままでいいよ! 好きなことやっちゃいなよ!”って励ましている感じがして、自分の心に刺さるというより、聴いた人たちが元気になるだろうな、って想像して泣けちゃって。
まい 「あはは! でもたしかに、わたしも歌詞を見たとき、これで性徒諸クンと一緒に闘える! って思いましたね」
かおり 「この曲は、恋愛じゃなくて、一人の人間としての生き様をテーマに歌詞を書いてみようと思ったんです。正に自分たちが掲げていきたい“女の生き様”を。そういうテーマで過去に作った曲だと〈SEXY HERO〉や〈GOLDの快感〉という曲があるんですが、より思い切って、ストレートな言葉でわかりやすくメッセージを伝えられたらと思って」
――ストレートですよね。“コンプレックス 武器にして 立ち上がれ”とか“命燃やして 死ぬほど生きてやれ”とか“茨の道を踊るの”とか。
まい 「女子プロ感ありますよね(笑)」
かおり 「ああん、プロレス好きなのが滲み出ちゃったかも……♡」
まい 「まさにこれってベッド・インが結成当初から言ってることで」
かおり 「言葉では言っていたものの、いざ歌詞にしてみようとすると本当に難産で……。今回私が担当した歌詞のなかで、正直、一番難産だったかもしれないです。本当にギリギリまで言葉選びも悩みました。この歌詞は実際にガラスの十代の頃に自分が感じていたリアルな気持ちを思い出しながら書いたんですけど、当時の自分は今よりも遥かにコンプレックスだらけだったし、人の目が怖くて、弱かった。でも、自分次第で人は何度だって変われるってことを伝えたくて。少しでも性徒諸クンたちの背中を押せるような曲になれたら嬉しいですね」
――こういう歌を作れるようになったこと自体、ベッド・インがいっそう強く、たくましくなってきたことの証明だと思うんです。
まい 「さっきも言いましたけど、性徒諸クンがいることが自信につながってるのかもしれないです」
――安心感みたいな?
まい 「安心感というより……なんだろう。ん〜……背負ってるって感じかな」
かおり 「そうだね。たくさんの性徒諸クンたちが、信じてついて来てくれている感覚。結成当初は本当に二人だけで闘っていたので」
まい 「おギグしてても思うんですが、一緒に闘ってくれる人がこんなにいるんだ、って。生まれて初めて“守りたい”って思ったんです、今のベッド・インを、性徒諸クンたちのこの気持ちを。今までは自分自身さえ正直どうでもよかったし、いつか形は無くなるし、全てにおいてなるようにしかならない、と思ってたんです。けど、こんなにも声を届けてくれる人たちが私にいるんだって思ったら、やり遂げなければ、と」
かおり 「性徒諸クンたちの声を、存在を、常に身近に感じられていることも大きいですね。ウチらは一つのTwitterアカウントを二人で使っていて、いつもエゴサーチして性徒諸クンたちのコメントを全部読ませてもらっているんです。どんな些細な発言でもバコバコたくさんファボしたり、リツイートしちゃうから“運営スタッフがファボしてるの?”って聞かれることも多いけど、全部二人だけでやってて。自分たちですべての声を隅から隅まで読んでいるからこそ、みんながウチらの曲をどんな気持ちで聴いてくれているのか、ウチらをどんな風に想ってくれてるのか、おナマの声がわかるんです。それこそ〈Conscious 〜闘う女たち〜〉に書いたような感覚……もっと周りの目を気にせずに生きたい、好きなことを謳歌したい、もっと自信を持ちたい、強くなりたいってベッド・インを見て思った、と言ってくれる子がたくさんいて。そんなみんなの想いを全部まるっと受け止めて、贈りたいメッセージも歌詞に込めました」
まい 「コメントもお手紙も、隅々まで全部二人で視姦してますからね。それが背負っているっていう感覚と、守りたいっていう気持ちで少し強くなって、自信につながってるのかもしれないですね」
かおり 「だから今は、ウチらが先陣切って、みんなを桃源郷に引き連れていきたいって気持ちがどんどん強くなっているんです。フォロー・ミー!みたいな。ウチらを信じてついてきてくれてる性徒諸クンたちの気持ちに、全力で応えていきたい」
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――ベッド・インはファンサービスにも定評がありますけど、チェキ会だけじゃなくて、音楽でももっとみんなの気持ちに応えていこうと?
かおり 「そうですね。ロンモチで今までも音楽で応えたいと思ってきたつもりではあるんですけど、ようやく歌詞を書くうえでも、みんなの気持ちへの応え方がわかってきたのかもしれないです。性徒諸クンたちがこんなにひとつひとつの歌詞を大事MANに思ってくれているのならば、そこにしっかり真摯に向き合わねばと。言葉遊びもそれはそれで大切だけど、ストレートにメッセージを伝える歌詞も書けるようになったのは、性徒諸クンたちの存在が大きいですね」
まい 「不思議な感覚なんですけど、自分がずっと日常を彩るものとして音楽を聴いてきたのと同じことを、わたしたちの音楽でやってくれてるんですよね」
かおり 「ベッド・インの音楽を聴いてると、強い気持ちになれます、とか、悩みが吹っ飛びました、とか、辛い仕事もがんばれた、とか、好きなことを貫こうと思いました、とかコメントやお手紙にたくさん書いてくれるんですよ! こんなに嬉しいことはないです。その言葉が私たち自身にとっても、すごく励みになっているし、支えになっている。本当にかけがえのない存在です」
まい 「性徒諸クンは偉大だし、一番大事MANです」
――鬼いいねと鬼リツイート、あとネバーエンディングなチェキ会は、性徒諸クンが何十万人になってもできるかぎり続けていただきたいです。
かおり 「ロンモチでネバーエンディング・ストーリー!」
まい 「バコバコし続けます♡」
――ベッド・イン初のイラストを使ったジャケットもいいですね。
かおり 「そう! タマランチ会長なんです〜♡ 〈男はアイツだけじゃない〉のチングルから担当してくださってる木村 豊さんが手掛けて下さいました♡」
まい 「溢れ出るホイチョイ(・プロダクション)感♡」
かおり 「木村さんったら、ウチらのGスポットを知り尽くしてくださってるんです♡ 打ち合わせのとき、キラキラしたバブル時代の東京のいろんな街で、トレンディドラマのワンシーンみたいなことをヤッてみたい!って伝えたら、“イラストなら何でもできるんじゃない?”って言ってくださって、な〜るほどTHEワールド! その手があったか!って(笑)あうんの呼吸よろしく、サクサクっと方向性が決まっちゃいました♡」
まい 「イラストの赤尾真代さんがコレ股、すごいんですよ! ウチらがいろんなポーズで撮影して、それをもとに描いていただいたんですけど、例えばスキーリフトに乗ってるカットは、真っ黒いボディコン着たまま、普通の椅子に座ってこのポーズをしただけで、スキーウェアを着せてストックを持たせてグラサンまでブッかけてくださったんですよ!? 愛をびんびん物語に感じております……!」
――さすがプロですね!
まい 「昔のでっかい携帯電話を持ってるカットなんて、実際にはコーヒーの紙パックを持ってるだけですからね!!」
かおり 「わたしも耳にペットボトルを当てて切ない顔してただけなのに、マ〜ラ不思議♪ 雨の中で電話ボックスに佇んでる姿に、やまと舐めシコ七変化! イラストっていう発想がまったくなかったので、そうか、イラストならゲレンデに行かなくてもスキーができる! 高級車も手配しなくていい! お茶もこぼせる!って性紀の大発見をしてしまいました(笑)夢が全部叶った〜!」
――総合的に新しいベッド・インを見せられたアルバムだと思います。
かおり 「ウチらが今やりたいことを全部ギュッと詰め込めた作品になりました! レコーディングに関わってくださったみなさん、衣装製作のタクティ〜さん、木村さんや赤尾さん、カメラマンの岩澤さん、キングレコードのみなさんも、チームみんなで完走したね!って感じがすごくしていて。時間のないなかでも絶対に手は抜かず、みんなでとことんこだわって作れたので結果オ〜ライ、みたいな♡」
まい 「ギリギリ☆ガールズ進行だった分、極限まで水を与えなかったら果物が甘くなった!みたいな感じですかね?(笑)」
――“バブル再び”みたいな動きも各所で見られる昨今なので、初歩的な質問をあえてもう一度したいんですけど、お二人がバブルを標榜する理由は何なんでしょうか?
かおり 「たくさんありますけど、何よりも自由な精神ですね。規制だらけの今の世の中と比べると、すべてにおいて豪快で大胆でおおらかで……みんな自分の欲望に正直に、やりたいことをやって、好きなことを追求して生きていた時代だと思うんです。だからこそ、そこにかけるパワフルなエネルギーもすごく感じられる。テレビ番組も映画も音楽作品ひとつとっても、好きなことをやりたいように全力で楽しんでいるなって」
まい 「すべてに対する熱量と、そこで失敗しても許してくれる度量が社会にもあったこと。ひとりひとりがキラキラ輝いていたからこそ、他人のことはいい意味でどうでもよかったんだと思います。だから、今みたいに揚げ足をとるような炎上もなかったと思います。誰もが自由に自分のやりたいことを熱量を持ってやっていた。わたしたちがバブル時代をリスペクトして、その精神をもって活動することによって、ネクストステージにいけるんじゃないかと思ってて」
――ベッド・インにとってバブルはノスタルジアではないと。
まい 「はい。このまま続いていくものですね」
かおり 「当時を実際に生きていないわたしたちには、正直バブル時代の負の部分は見えていないんです。だからこそ、逆にいい部分や魅力的な部分が輝いて見える。その中でも一番に伝えていきたいのは、バブル時代の表面的な部分ではなく、精神的な部分で。まさにそれを〈Conscious 〜闘う女たち〜〉には詰め込んだつもりです。例えば、お立ち台に立ってたお姉さんたちって、誰かに媚びるために露出の高いボディ・コンシャスを着てたんじゃなくって、いかに自分が好きな自分になれるか、気持ちよく輝けるかを追求していた。今の若い人たち、特にガラスの十代の子たちは、まわりから浮かないように発言も服装すらも抑制してしまうという傾向がありますけど、人に流されないで、自分がDAISUKI!なこと、大事MANにしてることを信じて貫いて、人生を謳歌してみたら、もっと気持ちよくなれるよって、まだ気づいてない人に言ってあげたいですね」
まい 「今を窮屈に思っている子たちがいるなら、そういう精神を知ってほしいし、そこからまた何か新しいものが生まれるかもしれないって思いますね。たとえば“ベッド・インを見てバンドおっ始めました”なんて子たちがもし出てきたとして、何をしでかすのかってすごくDOKI DOKIするし、そういう風に続いていけばいいなと思いますね」
かおり 「ベッド・インを結成したとき、まわりに流されずに好きなものをズッポシ貫く女性像ってかっこいいよね、その精神をもって世の中に殴り込みをかけようよ、っていうところから始まったんですけど、そこは今もブレてないし、これからも一生ブレないですね。これだけは、君は1000%……いえ、マン%言い切れます」
取材・文 / 高岡洋詞(2017年12月)
ベッド・イン TOUR 2018
祝!“TOKYO”発射記念ツアー 〜サクセス・ストーリーは突然に…〜

bedin1919.chu.jp/
2018年1月4日(木)
東京 下北沢 SHELTER
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月6日(土)
大阪 心斎橋 BIGCAT
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月13日(土)
宮城 仙台 CLUBJUNKBOX
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月14日(日)
新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月20日(土)、21日(日)
北海道 札幌 DUCE
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月27日(土)
岡山 CRAZYMAMA 2ndRoom
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年1月28日(日)
福岡 DRUM Be-1
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年2月3日(土)
愛知 名古屋 Electric Lady Land
前売 スタンディング 4,000円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)



2018年2月18日(日)
東京 お台場 Zepp DiverCity Tokyo
前売 スタンディング 4,000円 / 2階指定席 4,500円(D別)
※3歳以上チケット必要(3歳未満入場不可)


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