歌声で彩りを――“ヴォーカル”グループとして新たな道を切り拓くCOLOR CREATION

COLOR CREATION   2018/05/25掲載
はてなブックマークに追加
 現在のJ-POPシーンにアイドル性とアーティスト性を兼ね備えたダンス・グループは数あれど、“歌”のみに注力しながらその2つを両立させているボーイズ・グループは見当たらない。そんな空白地帯に今、彗星の如く現れた存在がある。5月23日にメジャー・デビューを果たしたCOLOR CREATIONは純然たる5人組“ヴォーカル”グループ。その歌唱力の高さは、曲の大半を一本の声で色とりどりに歌い繋ぐデビュー曲「CANVAS」を聴けば一聴瞭然なれど、“歌はあくまでも武器の一つ”と言い切る彼らの魅力はもっと多彩だ。“新たなシーンを切り拓きたい”と語る彼らの目線は、既に世界へと向いている。
――皆さんはオーディションで集まったそうですが、つまり全員が最初から歌手を目指していたということですよね?
KAZ 「そうです。歌手になりたくて、全員いろんな下積みを積んできて。一昨年の秋に始まった“斎藤GENKIの「なんかやろう!」企画”に応募して、昨年1月25日の最終オーディションでこの5人が選ばれた……という流れですね」
YUUTO 「ただ、その後はみんなで集まることも少なかったのに、急に“来月、Zepp Tokyoで初ライヴするから”って言われて、“え!”ってなって(笑)。そこからはすごいスピード感でした。7月2日に初ライヴを迎えて、8月にインディーズでシングルを2枚出して、リリース・イベントをしたり、年末にワンマン・ライヴがあったり」
JUNPEI 「おかげでメンバーと一緒にいる時間が増えたから、すぐに仲良くなれたんです。もう、プライベートでも5人で遊ぶくらい!」
KAZ 「同年代でみんな歌が好きだから、趣味が合うんですよ。特に僕とJUNPEI、YUUTOは92年生まれの同い年なんで、学校のクラスメイトみたいな感じですね」
――逆に年下の2人がやりづらさを感じたりはありません?
TAKUYA 「いや、仕事に関しては対等なんで。年齢関係なく“こうしたほうがいい”ってストレートに言い合えるし、そこで“生意気な”とかって目で見られることもないし」
RIOSKE 「やっぱりお互いリスペクトし合ってる、っていうのが大きいですね。COLOR CREATIONとして大きくなりたいっていう個々の想いが大きいから、自分では気づけない客観的な意見を言ってもらえるのが嬉しいんですよ」
KAZ 「僕ら活動を始めてまだ10ヶ月だし、初めて経験することがすごく多いから、みんなで力を合わせないと乗り越えられないんです。結構キツイことを言い合うのもプロとしてお互い意見を出しながら助け合っていくためだし、それもお互いの歌をリスペクトしているからこそで、だから今、こうやって仲良くできているんだと思います」
――要するに5人で同じ一つの目標を持っているから、気持ちを一つにできるってことですね。そして今回、遂にメジャー・デビューに至ったわけですが。
YUUTO 「それも本当にファンの皆さんのおかげなんですよ! インディーズ・シングルの売り上げが5,000枚以上、年末のワンマン完売っていう2つのミッションをクリアすることが、メジャー・デビューの条件だったんですけど、かなり早い段階で達成することができて。今、リリース・イベントを回っていても、感謝の気持ちでいっぱいです」
KAZ 「実はデビュー・シングル〈CANVAS〉の歌詞は、その感謝の想いから生まれたものなんですね。メジャー・デビューまで応援してくれたファンの皆さんへの気持ちが伝わるような曲にしたくて、それでタイトルも僕らを応援してくださっている皆さんの総称である“CANVAS”から取ったんです」
――つまり“CANVAS=COLOR CREATIONのファン”ということ?
JUNPEI 「そうです。そもそも“COLOR CREATION”というグループ名には、聴いてくれる皆さんの人生に僕たちの歌声や存在で彩りを与えたい……という想いが込められているんですね。だったら、ファンの皆さんを“CANVAS(=キャンバス)”って呼んだらピッタリじゃないかって、みんなで話していて決まったんです」
YUUTO 「確か、みんなでしゃぶしゃぶ食べ放題食ってたときだよね」
――それで今回はビジュアルも白がテーマ・カラーになっているんですね。
KAZ 「そうです。CANVASといえば白だし、スタートという意味合いも含められるから、メジャー・デビューする“ココ”から色を足していこう!という希望も込めて、テーマ・カラーを白にしました」
YUUTO 「歌詞はKAZが書いているんですけど、もともと作詞はメンバーでやろうという意向があったんですね。それで海外から音源が送られてきた段階で、5人それぞれフルコーラスで歌詞を書いて持ち寄った結果、KAZの歌詞にしようってことになったんです」
TAKUYA 「みんなテーマがバラバラで、僕なんかは恋愛の歌詞を書いたんですけど、KAZは誰にでも刺さる歌詞を書いてくれて。ホントに良い意味で都合よく聴けるんですよね」
――都合よく、とは?
KAZ 「例えばクライマックスの“僕を選んでくれて 本当にありがとう”というフレーズは、応援してくださっている皆さんや、今、自分たちに関わってくださっている方々全員に伝えたいと思って書いたんですけど、実はウェディング・ソングとして聴いてもハマるんです。“君と永遠にいることを誓う”っていう意味の英詞もあるし、曲に出てくる“君”を聴く人によって自由に変換できるんですね」
JUNPEI 「それこそ曲頭にある“変わらない毎日に何度ため息ついて”っていうフレーズに、僕は長い下積み時代を思い出したりもしましたから。そのぶん今はこの幸せな状況を無駄にしないように、1秒1秒噛みしめて気を引き締めて頑張っていかなきゃ、って思うんです」
YUUTO 「メジャー・デビューのチャンスをくれたファンの皆さんに対してもホントに感謝しているんですけど、直接面と向かって“ありがとう”っていうのは照れくさいんで(笑)。サビ前の“僕から君に送るlove”という自分のフレーズは、バラードを歌うときは目をつぶることが多い僕も、ファンの皆さんの目を見ながら気持ちを込めて歌うようにしています」
――デビュー曲にインパクトの強いアッパー・チューンではなく、これだけしっとりしたR&Bバラードを持ってくるなんて珍しいなと思っていたのですが、それだけご自身の歌と想いを伝えたかったんですね。
RIOSKE 「はい。今の日本はダンス&ヴォーカル・グループが主流ですけど、僕たちは歌で勝負したいので、その一番のセールス・ポイントを最初にぶつけたかったんです」
KAZ 「ただ、歌唱力はあくまでも武器の一つに過ぎなくて、それよりも人に対する想いだったり、あと日本では特に歌詞が重要視されているじゃないですか。技術の高さに甘えて、ただ上手さを見せつける“ショー”ではなく、僕らは全力のパフォーマンスで観ている人の心を動かせるような“ライヴ”をしたいし、そういう意味では5人それぞれのパーソナリティも重要だと思うんです。真面目なだけじゃつまんないし、ライヴではキラキラしてるけど、ちゃんと考えてることは考えてる。いろんな表現の仕方で魅せていきたいっていう、そのへんのギャップ感は個人的にも意識してるところですね」
拡大表示
――なるほど。ちなみにCOLOR CREATIONってリーダーはどなたなんですか?
JUNPEI 「僕です。特に理由はないんですけど、みんなが“JUNPEIがやったら”って言ってくれたんで」
KAZ 「中和剤というか、5人の真ん中にいてくれるんですよね。で、YUUTOはスケベ王子(笑)」
YUUTO 「他に下ネタ系を話せるキャラがいないんですよ。でも、僕は普通にバンバン言っちゃうんで、結構ファンの中でも変態キャラが浸透してますね。クールなのは歌ってるときだけ」
――そんな(笑)。年下組にも、そんなギャップってあります?
RIOSKE 「僕はいつでもハッピー野郎ですけど……」
TAKUYA 「僕、プライベートはメチャメチャ人見知りなんです。でも、ライヴ前にみんなで円陣組んだり、背中叩いてもらったりするとスイッチが入るんですね。で、盛り上げ隊長としてメチャメチャ高くジャンプしたり、手拍子もメチャメチャ大きくやったり。広い会場だったら走ってみたりもするし、やるからには後ろの人も見えづらい席の人も置いていかないようなライヴを心がけてます」
――ある意味“ステージの自分=理想の自分”なんでしょうね。普段が人見知りだからみんなを盛り上げる自分が憧れ。
TAKUYA 「そうですね。普段はホントに無理です。もしソロでデビューしていたら、こういうインタビューでも5回くらいトイレ行ってる!」
KAZ 「実際一人で曲を書いて、お客さん全員を盛り上げて、インタビューに応えて、自分のモチベーションを管理して……っていうのを考えたら、僕だって無理ですよ! みんなそれぞれ欠けているところがあるし、そんな“ガラクタ”な僕らが一つになって夢に向かってるんだって、カップリングの〈Odds & Ends〉(初回限定盤、通常盤A収録)でも歌ってますからね」
JUNPEI 「始動して10ヶ月でメジャー・デビューなんて傍から見たら順風満帆に見えるかもしれないけど、5人それぞれ挫折を繰り返してきたからこそ、今の強さがあるんですよ。ホントここまで来るのは平坦な道じゃなかった」
――それで“半端者”とか“ガラクタ”という意味を持つ「Odds & Ends」というタイトルになっているんですね。かなりダンサブルな曲調の裏に、そんな意味合いが込められていたとは。
KAZ 「ずっとクラップしたり手を上げたり、ライヴではかなり動いてますね。イメージ的には僕らは指揮者というか、僕らが全力で曲を伝えることによって、お客さんにも楽しんでもらう感じです」
TAKUYA 「もう1曲の〈Flying Memories〉(通常盤B収録)は別れがテーマの叙情的な曲なのに、すごく歌詞が前向きなんですよ。君が去っても、透明で濁っていない自分だけの未来を見てる……っていう、その世界観が個人的にすごく好きです」
RIOSKE 「洋楽や邦楽、いろんなジャンルを織り交ぜた、いろんな層に刺さりやすいシングルになったので、たくさんの人に届いたら嬉しいですね」
――待望のメジャー・デビューを果たした今、では今後の目標は何でしょう?
JUNPEI 「さっきも言った通り、聴いてくださる方々の人生に僕らの歌声で彩りを与えたいというのが一番なので、COLOR CREATIONの存在や歌を生きる活力に感じてくださる方を、一人でも多く増やしていきたいですね。例えば僕の見た目が好きで“かっこいい! 今日も頑張ろう”って思ってもらってもいいし、歌声を聴いて“メッチャ癒された”って感じてくれてもいいし」
KAZ 「このダンス&ヴォーカル・グループが全盛の時代に、ヴォーカル・グループの先駆者としてシーンを作っていきたいんですよ。僕らアイドル的な要素もあるかもしれないけど、自分らで歌詞も書くし、もちろん歌には自信があるし。アーティストとして熱い想いを持って活動しながら、アイドル“も”できるっていう引き出しの多さを武器に、いろんな人に刺さるようなアーティストになっていきたいです。あとはアーティストとして、やっぱり日本武道館には絶対に立ちたいですね」
YUUTO 「武道館もアリーナもドームも全部行きますよ。紅白にも絶対出たい!」
TAKUYA 「COLOR CREATIONっていうパブリック・イメージの先頭に立つのは僕ら5人だけど、その裏に関わってくれてる人たちや応援してくれてる人たち全部を含めてCOLOR CREATIONなんだって、前に事務所の代表に言われたんですね。だからCOLOR CREATIONというもののバリューを上げていくために、まずは個々の力を伸ばしていきたいです」
RIOSKE 「COLOR CREATIONとして大きくなっていきたいのはもちろんなんですけど……僕はお母さんがペルー人で、日本に働きに来たときにお父さんと出会って結婚したんですね。だからペルーの貧しい地域とかも見たことがあって、そういう貧しい人々を少しでも助けたいっていうのが、実は僕が歌を始めたキッカケでもあるんです。なので、ソコにも向かって頑張っていきたい」
――つまりは世界進出も視野にあると。
KAZ 「それもあって曲は海外のクリエイターから送ってもらったり、国内と海外どちらにも刺さるように作っているんですよ。だから今後、英語だけの曲をリリースすることもあるかもしれないし、幅広いリスナーを目指してやっていきたいですね」
取材・文 / 清水素子(2018年5月)
COLOR CREATION“PALETTE TOUR Vol.1”
color-creation.jp/
2018年11月23日(金・祝)
愛知 名古屋 大須 RAD HALL
開場 17:30 / 開演 18:00
4,500円(税込 / 別途ドリンク代 / スタンディング)



2018年12月2日(日)
大阪 西心斎橋 FANJ twice
開場 17:30 / 開演 18:00
4,500円(税込 / 別途ドリンク代 / スタンディング)



2018年12月9日(日)
東京 渋谷 ストリームホール
開場 17:00 / 開演 18:00
4,500円(税込 / 別途ドリンク代 / スタンディング)
stream-hall.jp/
※渋谷ストリームホール: 2018年秋オープン予定
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015