【コンヴァージinterview】たどり着くのは叫びや激しさ――よりダイナミックに進化したコンヴァージの最新作

コンヴァージ   2010/01/07掲載
はてなブックマークに追加
【コンヴァージinterview】たどり着くのは叫びや激しさ――よりダイナミックに進化したコンヴァージの最新作
 2009年12月に最新アルバム『アックス・トゥ・フォール』を引っさげ、ブルータル・トゥルースとの激烈タッグで来日したコンヴァージ。ライヴでも、ハードコアだ、メタルだといった枠組みを軽々と飛び越えてのアグレッシヴなエモーションが息づくパフォーマンスを展開したが、「バンドの精神や姿勢を表わした」(ジェイコブ・バノン/vo)という「ダーク・ホース」から7分強の不穏な大作「レッチド・ワールド」まで8枚目となる新作も圧巻のひと言に尽きる。具体的な説明をほとんどしないバンドだが、このインタビューを読み、サウンド、歌詞、そしてジェイコブ自身によるアート・ワークに触れ、トータル作品としてのメッセージを感じ取ってほしい。
――『アックス・トゥ・フォール』には、侍が暗闇の中で敵をバッタバッタと倒しながら、前へ前へと突き進むイメージを抱きました。
ジェイコブ・バノン(以下、ジェイコブ) 「そりゃあ、面白い例えだな(笑)。俺たちの音楽を聴き、あれこれイメージを膨らませてくれるのって興味深いよ」
――そんな新作ですが、制作はいつ頃からどのような形で始まったんですか?
カート・バロウ(g/以下、カート) 「いや、とくにいつ頃から曲作り始めたってことでもないんだ。ただ数年に一度の割合で溜まったアイディアを吐き出したいと思う時があって、今回もそんな感じでスタジオ入りしたんだ。それに俺たちは人間としても進化し続けているから、楽曲のアイディアももちろんだけど、人間的な部分を表わしたいと思った時に、アルバムってものはリリースされるんだ」


photo by Matt Miller


――今作に関して、「コンヴァージは今、以前にも増して攻撃的で激しくなってきている」といった発言を目にしたのですが、それだけ魂の叫びを発しなければならない状況にあるということですか。
カート 「というよりも、長年バンドをやってきたことでよりダイナミックに、そして緩急をより巧く使い分けられるようになったってことさ。そういった意味では、攻撃的というより進化と言ったほうが正しいのかも」
ジェイコブ 「うん。4人のポテンシャルやアーティスティックな部分がコンヴァージとしてたどり着くのは、やっぱり叫びだったり激しさだったりするからね。バンドで攻撃的な部分を吐き出せるからこそ、逆に日常では穏やかに暮らすこともできるんだ」
――新作にはまた、「エフィジー」にスティーヴン・ブロッズキーをはじめとするケイヴ・インの3人、「クルエル・ブルーム」にニューロシスのスティーヴ・ヴォン・ティルなど、さまざまなゲストが参加していますよね。
カート 「まあ、ケイヴ・インとは5年前から一緒にやっているし、コラボといってもそんなに目新しいことではないんだけどね。とはいえ、友達のバンドに参加してもらって、インスピレーションの幅を広げたいって気持ちがあったことは確かさ」


photo by Matt Miller


――とくにコラボすることで、最初のアイディアから大きく形を変えた曲といえば?
カート 「そうだな。他の曲に関してはゲストにスパイスを加えてもらう程度だったんだけど、ジンギス・トロンの参加した〈レッチド・ワールド〉に関しては、文字通りのコラボになったと思う。実際、この曲のメロディやリフは昔からあったんだけど、もともとはジョー・サトリアーニを彷彿させるものだったんだ(笑)。自分たち自身、この曲を客観的に見られなくなっていたところがあるし、彼らという新しい風が入ることでいい形に仕上がったんじゃないかな」
――他者が加わることで、逆にコンヴァージ然とした楽曲になるなんて面白いですよね。
ジェイコブ 「そもそも参加してくれたミュージシャンはみんな、俺たちのことを気に入ってくれているだろ。自分たちなんかよりコンヴァージらしさを分かっているんだよ(笑)」
――じゃあ、愚問かもしれませんが、あえてバンドにとってのコンヴァージらしさとは何なんでしょう。
カート 「うーん。それは信条的なことで言葉じゃ表現できないんじゃないかな。それこそメンバー4人がいてのコンヴァージだし、これまでの作品を聴いてもらえば、きっと“らしさ”が感じ取れるはずだしね」
取材・文/兒玉常利(2009年12月)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
[インタビュー] ソウル&ファンク・ユニットMen Spyder 初のEPを発表[インタビュー] KMC 全曲O.N.Oによるビート THA BLUE HERBプロデュースの新作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015