人気アニメ『スレイヤーズ』の新シリーズ『スレイヤーズ REVOLUTION』がテレビ東京系にて7月2日から放送開始! オープニング&エンディングはもちろん主人公のリナ=インバース役の林原めぐみが担当し、7月23日にシングル「Plenty of grit/Revolution」(写真)としてリリースされる。本作について彼女に話を訊いた。 7月2日から、TVアニメとしては実に11年ぶりにオンエアされる『スレイヤーズ』。それにともない、7月23日には、本作で主人公リナ=インバース役を演じる林原めぐみによるオープニング&エンディング曲が収録されたシングル「Plenty of grit/Revolution」もリリースされることとなった。『スレイヤーズ』によって「今生きていることの大切さを痛感した」と言う彼女にとって、久々のTVアニメ化は「ついに来たか……」と言う待望のものだったという。主題歌の制作を手掛けた彼女は、こう語る。
「今回、オープニングはかつてのTVシリーズの再現をテーマに、曲は佐藤英敏さんに決めていました。10曲近くあろうかと思われる佐藤さんの曲のみのデモ・テープの中から、イントロ部分に“スレイヤーズ”というタイトルが見えるものに絞り込んで、この曲を選びました。曲が決まり、“かつて”のスタッフに声をかけたら快くオッケイしていただき、〈スレイヤーズNEXT〉のコンビ……である大平勉さんにアレンジをお願いしました。さらに
奥井雅美さんまでコーラス参加。“かつて”を知っている人には大いなるくすぐりでしょ。放送が深夜ということもあり、ちょっと聞いただけでも“スレイヤーズ”とわかる作りを目指しました。逆にエンディング・テーマはタイトル文字は見えなくても、リナの表情や、マントや、髪や、動いているリナたちが見える曲を選びました。まずデモ・テープの段階で“終わりはしない”という歌詞がいきなり出来てしまい。エンディングなのに終わらない! “まさにこれでしょ!”ってことで決定です」
作品を知り尽くした彼女のディレクションによって緻密にサウンドが形成され、そして詞の方は深い情感とともに、深い想いも込められていった。
「人間誰だって、迷うことはある、くじけることもある、投げ出したくなることも逃げたくなることも、全部チャラにしたくなることも、“なんで自分はこんな目に……”と状況を呪いたくなることもある。怒られてへこむ、うまくいかなくてへこむ。でも、それでも“生きている”、つうか“生まれてきた”。すごい確率で生まれたことを人は忘れてしまうけど、まず最初に命を勝ち取ってここに生まれ落ちているのだから、最初に“勝ち”ありきなのよね。負けてもいいのだ。見ためどんだけ負けても、それは負けじゃないと思う。問い掛けだったり教えなんだと思う。“そこからどうするか?”というね。そもそも魂の奥には“力”が備わっているであろうと願うし、信じている。私はかつて、この作品から、そんなど根性を叩き込まれました。それを歌というかたちで返したいし、返せたらいいなって思っています」
一聴して“スレイヤーズ”だと想起できるサウンドと、聴き込んでからも新しい発見がある本作。こだわりとともに、彼女の全力が注がれた制作の過程では、常に“スレイヤーズらしく”ということを考えていたという。
「主題歌というか、歌に正解、不正解なんてなくて、結局どんな曲を持ってきても、放送にのってしまえばそれが主題歌として認知されていくものですが、(ネット上などでのファンの人の賛否両論はともかくね)とにかく“スレイヤーズらしい”ということにこだわりました。でも、その“らしい”って何かを言葉にするのはとても難しい。“スレイヤーズ”のファンの人が1度聴いただけで、あ!“TV”のスレイヤーズだって思ってもらえるようなかたちを目指しました。それはリズムだったり、音質だったり、音の高低だったり、歌詞での言葉選びだったり。とにかくいろいろいろいろ。これも“スレイヤーズ”でしょ。こんな“スレイヤーズはどう?”という打ち出しは過去にしているので、今回はあえてかつての影を追いながら“新しいスレイヤーズ”がテーマでしたね。でも、エンディングは追ってるふりをして実はそんなに追ってないのよね。だからタイトルは〈Revolution〉でも、聴けば聴くほど“スレイヤーズ”。かめばかむほど……うまみが出てまっせ。ふふふ」
6月にリリースされた、彼女の手による29曲のスレイヤーズ・ソングが収録されたアルバム
『スレイヤーズ MEGUMIX』を聴いたあとは、7月リリースのシングルを堪能しましょう。
構成:編集部