俳優。そして歌手。「二足の草鞋を履きつぶすまで続けたい」と言う
石橋 凌が、約5年半ぶりとなるフル・アルバム『
may Burn!』を完成させた。生誕60周年を記念した“R-60 PROJECT”の集大成的な意味も持ったこの作品は、自身も「40年間の音楽人生の中で間違いなく最高傑作」と語るほどの出来栄えで、石橋がこれまでライヴで表現し続けてきたことが1枚にギュッと凝縮されたもの。そして、ジャズ、ソウル、ラテン、ロック、アイリッシュなど、石橋自身が古くから親しんできたさまざまな音楽の要素が実にバランスよく合わさった力作でもある。珠玉の全12曲について話を聞いた。
――フル・アルバムとしては5年半ぶりとなる新作『may Burn!』、聴かせていただきました。「40年間の音楽人生の中で間違いなく最高傑作」とご自身もおっしゃる通り、非常に充実した内容ですね。
「自分は小学生のときからいろんな音楽を聴いて育って、高校に入ってアマチュア・バンドを組んで、当時からオリジナル曲を作っていたんですけど、その頃はまだ音楽の方向性が絞り込めていなくてね。で、オーディションを受けて
ARBに入り、当時はロンドンからパンクやニューウェイブが入ってきた影響もあって、ああいうビート系の音楽をずっとやってきた。でも今回のアルバムでやっているようないろんなジャンルが、自分は小さい頃から好きだったんですよ。それを自分の思う通りのバランスでようやく形にできたのがこのアルバムで。歌詞、メロディ、サウンド、リズム、そのバランスをようやく自分の納得のいくように合わせて作ることができた。そういう満足感はありますね」
――バランスのよさは僕も感じたところで、豊かな演奏、普遍的な歌詞、生き生きとしたヴォーカルがひとつになっている。これまで凌さんがライヴを通して伝えようとしてきたことが、この1枚に明確な形で凝縮されているなと感じました。
「自分のなかで、何を考えて何を歌うかというのは一貫してるんですよ。バンド時代にはそれを8ビート系のタテノリで消化してきた。で、今回はもともと自分の中にあった音楽のバラエティさの上に乗せることができた。6曲目の〈神風ダイアリー〉はもともとアマチュア時代に作った曲なんですよ。だから45年くらい前。そういうものも、その音楽のバラエティさの中でうまく消化することができたんです」
――各楽曲についてはまたあとで伺いますが、まず作り始める前の段階でどんなアルバムにしたいと考えていたんですか?
「新譜を作りましょうという話がまとまったとき、ちょうど自分はドラマを立て続けに2本やってたんですね。で、これまでは僕がある程度曲を作ってから、(
藤井)一彦くんなりミッキー(
伊東ミキオ)なりに早い段階でそれを渡してアレンジを構築してもらうというやり方をしていたわけですが、ドラマが2本続くとなるとそのやり方では時間的に難しい。それなら、ちょっと乱暴だけど、全部自分の頭の中で作ってしまおうと思ったんですよ。頭の中で鳴ってる楽器をイメージして、これはこういう方向性の曲にしようと」
――そのやり方によって、多彩ながらもバランスのとれたアルバムになるだろうと。
「うん。それとね、今もライヴで歌っている〈AFTER'45〉や〈魂こがして〉という曲は1980年代に書いたものですけど、それって30分から40分くらいでできた曲なんですよ。机に向かって唸りながら書いたわけではない。苦しみながらやっとできた曲っていうのは、意外ともう風化していて、今は歌ってなかったりするんです。今でも大事に歌いたい曲は、“あれ? いつのまにかできちゃった”っていうものばかりなんですね。それを今回、確信的に狙ったんですよ。言うなれば作家さんにとっての自動書記。“おりてくる”というような感覚。自分もそれを過去に体験しているから、“よし、それを狙おう”と。で、ドラマの撮影の合間とか移動中に、おりてくるのを待ってたわけです」
――おりてきたんですか?
「それがなかなか(笑)。まあ曲のテーマだとかメロディの一部はなんとなく浮かんでましたので、それを頭の中で繰り返しながら、念じるようにして待っていて。でも、なかなかおりてこないから、“まずいな、間に合うかなぁ”と思って。そしたらあるタイミングでね、まるでゲリラ豪雨のようにブワァーっときたんです。“ちょ、ちょっと待って”って自分でも慌てたくらい」
――いろんなタイプの曲が一気に?
「そう。まあ12曲のうち2曲はずっと前に作ってライヴでやってた曲で、1曲はあとから改めて書き下ろした曲ですけど」
――どんな感じだったんですか、そのゲリラ豪雨は。
「いやもう、“きたぁっ!”って感じで。ゲリラ豪雨としか言いようがない(笑)。まあ、自分の中で“こういうのを作りたい”というような大きなイメージがあったからかもしれないですね。『
表現者』のときはまだ手探りだったし、旧曲も3分の1くらいあったじゃないですか。それに対して今回初めて、ソロとしての方向性をフィックスできた。“これだ!”っていうね」
――メロディと一緒に歌詞のイメージもおりてきたわけですか?
「うん。一緒に。それは以前にも経験してることですからね。で、そうやっておりてきた曲と既にある2曲を並べてみて、もう1曲何か歌ものが欲しいなと思って最後に書いたのが〈挽回ヴィクトリー〉なんです」
――アルバム・タイトルを『may Burn!』と付けたのはどういったところから?
「これも、おりてきたんですよ」
――どういう意味を込めたんですか?
「いやもう、自分としては本当に名盤と言っていいものができたので。いろいろ考えたんですけど、名盤……。“may Burn!”でいこうと(笑)。まあこのくらい遊んでもいいかなと。60歳のオヤジの遊びですよ」
――す、すごいですね、その吹っ切れ方は(笑)。ほかに裏の意味があったりするわけではないんですか?
「ないない。それだけです。あったら教えて。次の取材でそれ使うから(笑)」
――はははは。まあそのくらい自信作ができたと。因みに凌さんのイメージする名盤というのは、どういうものですか?
――シリアスなテーマを取り上げてもどこかにユーモアがあった。凌さんのこのアルバムもそういうところがありますね。例えば反戦といったテーマにしても、シリアスになりすぎないよう楽しい曲調で歌っている。バンド時代のようにストレートな怒りとして歌うようなことはもうしていない。そこに“粋”と“成熟”を感じます。
「それはバンド時代も狙っていたところではあったんだけど、まずサウンドがタテノリだったし、バンドのイメージというのもあったので、どうしてもストレートなアプローチになっていた。それはまあしょうがなかったかなと思う。でもやっぱり音楽というのは、流れてきたときに“楽しいね”“気分がよくなるね”っていうのが最初にくるほうがいいじゃないですか。で、“どんなこと歌ってるんだろ?”って歌詞を見てみたら、“ああ、こういうメッセージが込められていたのか”みたいな。そういうのが理想で、それを今回やっとうまく形にできたかなって思えるんですよ」
「池畑くんはバンドの大黒柱でしたし、僕がネオトレロ・ミュージックをやる上で非常に大事なポジションにいてくれた。自分のやりたい音楽の要素のひとつにブラックミュージックがあって、池畑くんがいた
ルースターズはそういうルーツからの影響を大事にやってきてたし、そういう音楽に彼は詳しかったから、抜けることになってやっぱりショックでした。けど、ほかのメンバーたちが“いいドラマーがいますから大丈夫ですよ”と言ってくれてね。それで紹介してくれて」
――3人の中で今まで一緒にやったことのある人は……。
「サンコンJr.だけです。サンコンは以前、MIKIO TRIO(伊東ミキオが中心になったトリオ)で一緒にやって。あとのお二人は今回のレコーディングが初めてでしたね」
――いかがでしたか?
「1枚目のアルバムを作るとき、メンバーには“深くて豊かな音をお願いします”とだけ伝えたんですよ。それを今回もまず3人に伝えたんです。“自分はネオレトロ・ミュージックを目指している。最近は中域しか目立たない音楽が多いけど、ここでは低音なり高音なりを大事にしてください”と。で、3人はお願いした曲に関してのドラム・アレンジもやってきてくださったんですけど、完璧で何も言うことはなかったです。だからどれも2〜3テイクでOKになって」
――どの曲を誰にお願いするかは、メンバーと話し合って?
「はい。みなさんオールマイティに叩ける人ですけど、より特化しようということで。沼澤さんは、お聞きしたら
チャカ・カーンのバックで叩いていたこともあるんだってね。僕はホトケさん(
永井 隆)と一緒にやってる映像をYouTubeで見て、それでもう一発で決めた。凄いなと思って。今回のアルバムではジャジーな曲とかでお願いしました」
――ライヴはどなたが叩くんですか?
「ライヴは大島くんにお願いしました。スケジュールも合ったので」
――では、ここから各楽曲についてお訊きしていきますね。まず1曲目「サラナラ!バディ」。イントロのギターからつかまれるファンキーな曲ですね。
「アレンジをミッキーと一彦くんにお願いしたんだけど、“ジャズ・ファンクで!”って伝えて。完全にジャズ・ファンクってわけじゃないけど、イメージは初めからそういうものだったんですよ」
――ここで歌っているバディというのは、誰か特定の人のことなんですか?
「いや、特定の人ではないんだけど、やっぱり年齢的にそうやってサヨナラする瞬間が多くなってきましたからね。僕は小さいときに父親を亡くし、(
松田)優作さんをはじめ、大事な人も早くに亡くしていますから。で、そうやってサヨナラするときに送る歌というのは静かで神聖な歌が多いと思うんですけど、“やっぱりあなたは凄かったよ!”“いい人生だったね!”って明るく送り出す歌があってもいいんじゃないかと思って」
――ニューオリンズのジャズ葬なんか、そうですもんね。
「うん。そういうイメージもちょっとあって」
――2曲目は「パライソ」。ラテン風味の曲です。
「これは(
渡辺)圭一くんにアレンジしてもらったんだけど、“ラテン・ファンクで”とお願いしました」
――ジャケットのアートワークは、まさにこの曲のムードと歌詞がそのまま絵になったような感じで。この曲ができたことで、このアートワークも生まれたんですかね?
「それもあります。たまたま雑誌のBRUTUSを見ていたら、ラテン音楽の特集号があったんですよ(南国音楽特集「太陽の音楽」2015年8/1号)。その表紙を描かれていたのがこの方(イラストレーター / 画家のKads MIIDA)で、外国の方かと思っていたら日本人で。ジャマイカにしょっちゅう行かれてるそうですけど、お話したら“昔、京都でライヴを観てました”ということで、意気投合しました」
――3曲目は「抵抗の詩」。これはバンド時代の曲(1989年発表作『SYMPATHY』収録)のリメイクですが、今の時代にこそ歌詞が強く響いてくる。そういう意味で選んだわけですか? 「もちろんそれもあったし、ライヴでも歌ってますので、もう一回リ・アレンジしてちゃんと聴いてもらいたいという思いもあって。スカでアレンジしてくれたのは一彦くん。ブラスセクションもライヴでやってるときのものから、より整理されてますね」
――4曲目「天のエール」。これは自身の気持ちを鼓舞するような曲で、アイリッシュのサウンドがいい効果を出しています。
「『表現者』収録の〈形見のフォト〉と『
Neo Retro Music』収録の〈ヨロコビノウタを!〉でもアイリッシュ・サウンドはやっていて、その第3弾。僕は
ザ・ポーグスを好きでよく聴いていたんだけど、もっとトラディショナルなアイリッシュとかも聴いてたんですよ。だからそういう要素を入れられたらいいなと思って始めたことで。ヴァイオリンの太田惠資さんには今までにも何曲かで入ってもらってますけど、ここではより自由にやってくださいとお願いしました」
――5曲目はバラードの「エンドレス・ロード」。人生を歌った曲でもあり、ラブ・ソングとして捉えることもできる。
「うん。普遍的な歌詞を書きたいという気持ちはずっと持っていて、例えば〈上を向いて歩こう〉みたいな、あんな曲が死ぬまでに1曲でも作れたらいいなと思っているんですね。で、この歌詞は1番、2番、3番と分けたときに、1番では天災、2番では人災、3番では現実の世界の厳しさのようなものを歌おうと決めて、そこからまとめていったんです」
――これがアルバムのリード曲になるんですね。そのくらい強い思いを込められたと。
「というよりも、自分以上にスタッフのみなさんがこの曲をいいと言ってくれてね」
――6曲目はさきほどちらっと話に出た「神風ダイアリー」。45年くらい前に書いたとおっしゃってましたが、そのときから反戦をテーマに歌詞を書いていたんですか?
「いや、15〜16の頃に書いたときは、まったくのラブ・ソングだったんですよ。軟派なフォーク・ロックのようなものをやっていたアマチュア・バンドの時代でしたからね。でも今回ふとその曲を思い出して、そこから1行だけ残そうと。それが“相合傘で ちょっとお茶でも 飲みに行こうか 角のお店へ”というところで、それを活かすために、じゃあ何を歌えばいいかと。そう考えたときに、戦争のことが浮かんできまして。俳優として戦争を扱った映画とかドラマとかに出ると、当然その背景を調べますから、書物を読んだりもするんですね。で、2年前の戦後70年の年にはあるドキュメンタリーが放映されて、そこで昔の特攻隊員の人がリアルな証言をしていたんですよ。勇ましく飛行機に乗ったけれども、実は枕の下から母親の手紙が見つかったというような。つまり、その特攻隊員の本心としてはやはり早く田舎に帰りたかったわけで。でも言えない。そういう本当のことというのは、やっぱり残った者たちが伝えていかなきゃいけないと僕は思うんです。それで歌にしようと思って」
――そういうテーマだからこそ「相合傘で ちょっとお茶でも〜」という1行目が生きてくる。当然そのような辛い背景と裏腹にロマンスもあったわけだし。
「ええ。ただその時間と空間はあえてちょっとぼやかしたかったんですよ。これは一体いつの話で、今はいつなんだろう……というような雰囲気を出したかった」
――その効果によってレトロな映画を観ている感覚が味わえます。まさしくネオレトロ・ミュージック。
「うん。それが狙いだったので」
――7曲目「Hey,Voter!」はボ・ディドリーのあのビートに乗せて、「選挙に行こう」ということを楽しい雰囲気で歌っています。 「音楽で楽しく伝えられればいいなと思ったんですよ。正直、自分も昔は政治に対して諦めの気持ちがあって、選挙に行かないときもあったんですね。でも行かないとまた酷くなる。それは誰かがずっと言い続けなければいけないことだけど、だからといってこういうことを上から目線で言ったりすると若い人は受け入れないだろうから。今は18歳から投票できますからね」
――8曲目の「SOUL DOCTOR」ですが、これはバンド時代をも想起させる凌さん節のロックンロールで、ライヴでも盛り上がりそうですね。
「1970年代の終わりにイギリスからパンクとニューウェイブが入ってきましたけど、僕はどっちかというとパンクよりもニューウェイブ派なんですね。
イアン・デューリー、
エルヴィス・コステロ、
グラハム・パーカー。そういう人たちのあの頃のサウンドが大好きだった。だからこの曲は、アレンジを頼んだ一彦くんに“あの世界観で!”って明確に伝えたんです」
――9曲目の「ピカドンの詩」はライヴではお馴染みのロック曲ですが、正式なスタジオ録音でアルバムに収録されるのは、これが初めてですね。
「うん。この曲の全体のアレンジはミッキーだけど、ホーンセクションのアレンジは
梅津(和時)さんがやってくださって。リハーサルの段階から非常に楽しくやれました。もう笑いが起きるぐらい。〈ゴジラのテーマ〉ってあるでしょ、
伊福部 昭さん作曲の。『ゴジラ』も原子力をテーマにした映画でしたけど、この〈ピカドンの詩〉に入ってる梅津さんのサックスのフレーズは、あそこから持ってきてるなって、僕はすぐにわかってね。“梅津さん、それ、伊福部さんのアレですね?!”って言ったら、“これがやりたかったんだよ〜”って(笑)」
――シリアスなテーマの歌だけど、そういうところは楽しむだけ楽しもうと。
「そう。僕は映画で学んだんだけど、対位法というのがあって、
黒澤 明さんの本に出てくるんです。それはどういうものかというと、絵的にハッピーなシーンに悲しい音楽をつける。あるいは悲しいシーンに明るい音楽をつける。そのギャップによって効果が倍増するというものでね。この曲ではそれを狙ったんです。アレンジでもそれを伝えました」
――それから10曲目が「SUNNY BRAIN」。60年代のリズム&ブルースのタッチがありますね。レイ・チャールズの「アンチェイン・マイ・ハート」を想起させるというか。 「うん。僕は
エイミー・ワインハウスの音楽がけっこう好きでね。昔のR&Bを今に蘇らせるやり方をしてたでしょ? あるテレビを見ていたら彼女のプロデューサーの人がインタビューに応えて言ってたんですよ。“自分は昔のオリジナルのR&Bやブルースを大事にしたい。それを今に蘇らせるには、大きく変えるんじゃなくて、ちょっとひねってどこか一ヵ所を変えればいいんだ”と。その通りだなと思いましてね」
――なるほど。11曲目はガラっと雰囲気が変わって、ジャシーなバラード「名も無きDJブルース」。6月に丸の内コットンクラブで行なわれた〈石橋凌 with JAZZY SOUL〉の公演でも、この曲は歌われてましたね。僕はそこで初めて聴いてジーンときたんです。この曲はどのようにして生まれたんですか?
「震災のあと、ニュースで流れたことが、自分の中にはずっと断片的に残っている。だから〈AFTER'45〉も震災後のことを新しく入れて歌っているわけで、そのように“歌でできることはなんだろう?”って、いつも考えているんです。で、これに関しては福島のことと、あと沖縄のことも歌いたかった。ニュースを見てると思うわけですよ。この国は大事なことが欠落しているなと。復旧の取り組みにしたって、一時的にはやるけど、続けてやっていこうという気持ちが見えない。沖縄のことに関してもそうで、地元の人たちがどれだけ辛いめにあっているかなんて考えずに、“これが政治なんだ”というような態度じゃないですか。本当に愛のない国になっている。いろんなことが置き去りにされたままになっている。そこを歌いたかったんです。で、1曲の中で、沖縄、福島、東京と飛ぶわけだけど、それを物理的に3〜4分の中に収めないといけない。それにはどうすればいいかと考えて」
――どうされたんですか?
「本当は言葉で3ヵ所のことを全て歌い込めればいいんだけど、それは無理なので、言葉ではなく
渡辺隆雄さんのトランペットに託したんです。トランペットで感情を表現してほしかった。で、まず隆雄さんに一回吹いてもらったんですけど、“ここは、もっと怒って吹いてください”“怒りを表現してください”と伝えて。隆雄さんも“わかった”と。“自分もトランペッターとして何ができるかを常に意識しているから”と言って、それで吹いてくれたのがこれなんです。怒りがあって、そして最後に必要なのはやはり愛なんだということを、隆雄さんはトランペットで表現してくださった」
――そして最後の曲は、決意が表現された力強い「挽回ヴィクトリー」。
「これは梅津さんのホーンセクションのひとりであるトロンボーンの
松本 治さん、それからチューバも入れたかったので吉岡正洋さんにも参加してもらって。曲調的にはゴスペルのような感じにしたいという話をしました」
――希望を持たせた終わり方にしたかったわけですね。
「そうです」
――そんな12曲を収録したアルバムですが、これ、幅広い年代の方に聴いてもらえるといいなと僕は思いました。
「そうですね。今の若い人たちにどう聴こえるのかっていうのは、正直ちょっとわからないけど、期待はあります。それから80年代くらいまでは国内外問わずに良質な音楽がいっぱいありましたので、それを知っている人たちには必ず届くはずだという思いがありますね」
取材・文 / 内本順一(2017年7月)
11月2日(木)
大阪 心斎橋 BIG CAT
指定席 7,000円(税込 / 別途ドリンク代)
開場 18:30 / 開演 19:30
※お問い合わせ: サウンドクリエーター 06-6357-4400(平日 12:00〜18:00)
※未就学児童入場不可
11月5日(日)
東京 EX THEATER ROPPONGI
指定席 7,000円(税込 / 別途ドリンク代)
開場 16:00 / 開演 17:00
※お問い合わせ: ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999(平日 12:00〜18:00)
※未就学児童入場不可
12月9日(土)
福岡 スカラエスパシオ
指定席 7,000円(税込 / 別途ドリンク代)
開場 17:00 / 開演 18:00
※お問い合わせ: くすミュージック 092-753-6375(平日 11:00〜18:00)
※未就学児童入場不可