清塚信也 “THE LIVE”
2月5日にコロムビア移籍第1弾として、自身初のライヴDVD
『THE LIVE』をリリースするピアニストの
清塚信也さん。速弾きや超絶技巧のアドリブ、爆笑トークなど、ピアニスト&エンターテイナーとしての清塚さんの魅力が満載で、ファンはもちろん、今までコンサートに足を運んだことのない方にもぜひ注目してもらいたい作品です。
今回は、清塚さんの母校でもある桐朋学園でピアノを学んでいる現役女子大生、鷲尾仁美が“女子クラ部”(クラシックを楽しみたい女子が集まるサークル /
columbia.jp/joshicla)に寄せられた質問を抱え、代表して突撃インタビューをしてきました!
「先輩だから厳しくいくよ!(笑)」
――お手柔らかにお願いします……。さて、さっそく1つ目、速弾きに関する質問を。
『清塚さんの手の速さは、速すぎて客席からは見えません。清塚さんにはしっかり見えているんですか? どうやったらそんなに速く動くのですか?』
「なに? “手がはやい”ってのは、僕に対する偏見?(笑)」
――Twitterのプロフィール文に、ご自身で書かれていたじゃないですか。
「ははは! 書いてたわ! ごめんなさい。自分の手は見てないよ。見える見えないの前に、“見てない”。ピアノって基本的に右と左に分かれてるじゃん。目はどっちかにしか焦点を合わせられないんだから、両方は追えない。腕の伸び、手の触り心地で鍵盤の位置が分かるようにしなければいけないんだよ。(速く動くのは)練習したからだね。もともと僕は身体がすごくタフで、精神力にも自信があるし。あと、緊張すると人って萎縮するから参りやすくなるけど、僕はあまり緊張しないんだよね。ステージでも楽屋でも、いつもこのまんま」
――見習いたいです……。では、第2の質問。
『なんでそんなにファンに優しいのですか?』
「優しくないよ!」
――Twitterでも、たくさんのファンの方に一人ずつリプライされているじゃないですか。
「ああ、それはね、僕は“フェア”かどうかにけっこうこだわってるから。一人にリプライしたら、みんなに返さなきゃフェアじゃないでしょ? 一人一人と対話することで、それぞれの価値観を聞かせてもらえるのも楽しいしね。ちなみにリプライが一番できる時間帯は、弾く直前の楽屋ね(笑)。舞台袖までずっとやってる。“出番です”って言われても、“ちょっと待って〜、今顔文字探してるから!”って」
――すごい! 出番前にそんな余裕ないです……。3つ目は、
『清塚さんは声も素敵なので、ぜひ歌も歌ってほしいのですが……。弾き語りを考えたことはありませんか?』
「歌ですか? まず無理ですね(笑)。歌いたいと思ったこともないし、その才能も僕にはない。まず、歌を聴いていても音の方を聴いちゃって、歌詞が自分の中に入ってこないの。言葉って、ものの意味を断定するから、本来は音楽とは一緒になっちゃいけないものだと思ってるんだよね。でも、この人は僕に何を歌ってほしいんだろうね? 言ってくれれば今度コンサートで歌うけど。……ツッコめよ、今のとこは! 歌うんかい!? って(笑)」
――すいません、つい期待してしまいました! 次の質問はズバリ、
『奥様との出会い、第一印象、なれそめ、今思っていること!』
「妻が台湾でタレントをやっていて、向こうのバラエティ番組で一芸を披露することになった時、ピアノで弾き語りがしたいから教えてくれないかって、僕に話が回ってきたのが出会いのきっかけ。第一印象は、頑張ってるなぁって感じかな。僕も海外留学した身だから、外国で活動する大変さも分かるし。今、妻に対して思うことは“ありがとう”だけ。子育てしてくれてるからね。僕は1年の半分は家にいないから彼女は大変だよ」
――お次の質問は、
『新しく始めるとしたら何の楽器にしますか?』
「打楽器かな。ドラムとか。メロディがない楽器がいいな。リズム好きだし、爽快感がある。メロディというのはキャッチーだけど、下で支えてる和声とリズムがあってのものだよね。和声とリズムの方が、突き詰めると深いと思ってる。だからコンサートでは時々、ピアノの椅子をカホンっていう打楽器にかえて、即興演奏中に突然叩いちゃったりしてるんだ」
――最後の質問、これはぜひ私も伺いたいことなのですが、
『私のまわりには、私を含め、将来音楽をやっていきたいけど、とても不安だという学生がたくさんいます。そんな人たちに何かメッセージをお願いできないでしょうか』
「せいぜい頑張って〜(笑)」
――そんなぁ!
「まあ、コンクールの結果を鵜呑みにしないで頑張ってほしいね。僕は審査員をやったこともあるから分かるけど、ある程度の高レベルになってきたら、順位なんてつけられないもん。運もあるし。あとは、自分の腕を磨くのと一緒に、どうやったらマーケットを得られるかを考えること。自分が将来“何に”なりたいか、どこにアプローチしていきたいかということを考えてほしいよね、冷静に」
――ありがとうございました!
「まあ、せいぜい頑張って〜(笑)」