今でもラップをするのはたのしいです――lyrical school『guidebook』全曲解説

lyrical school   2016/11/30掲載
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 「けやき町」という架空の街――それはlyrical schoolが暮らす街でもある――を舞台に、その街の一日や四季、過去、現在、未来という時間軸の変化と、その情景をリリスクのメンバーが歌い紡ぐというコンセプチュアルな作品となった『guidebook』。そういった時間の変化、環境の変化は、現実においても、例えばT-Palette Recordsからキングレコードへのメジャー移籍や、hinaの卒業とhimeの加入、そしてyumiの脱退など、前作『SPOT』から今作の間にも、多くの変化がリリスクには起こっている。

 その変化には期待もあるが、不安も同時にある。しかし、このアルバムに収録された、「リリシスト」で書かれた“変わらないために変わり続け、変わったからこそ変わらずにいれる”という言葉と、未来を描いた「ラストソング」で発せられる、“今でもラップをするのはたのしいです”という言葉。なにが起きても、時間がいかほど流れても、どれだけ季節が過ぎても、“ラップをするのはたのしいです”という彼女たちの活動と存在証明とも言える言葉を、未来においても彼女たちは宣言するという強い意思と自己肯定には、本当に胸を打たれる。

 それが単なる言葉遊びでないことは、コンセプチュアルな内容に沿った、豪華な制作陣に支えられた非常にクオリティの高い楽曲を、メンバーがその楽曲群をしっかりとリリスク色に染め、ポップスとして非常に強度の高い傑作に仕上げたことからも感じることが出来るだろう。

 どれだけ時間が過ぎても、この音源を再生すれば、彼女たちはこうラップする。“今でもラップをするのはたのしいです”。そんな未来を期待させられる充実作だ。
――メジャー進出して約半年でのアルバムですね。
ayaka 「〈マジックアワー / 格好悪いふられ方-リリスクの場合-〉を発売してすぐに制作が始まったんで、リリース・イベントやライヴと平行しての制作だったし、RECが苦手なのもあって、余裕が無くて泣いちゃうかもって思ってましたね。そんなにいっぱい出来ないよ!って」
ami 「メジャー初のアルバムだから、中途半端なことは出来ないっていうプレッシャーもあって。だけど限られた時間の中で、5人が5人ともそれぞれの魅力を出せてると思うし、一曲一曲のバラエティも強いので、自信の持てる一枚になったと思います」
――リリスクは6人という形がテーゼとしてありましたが、今回は5人という、これまでからするとイレギュラーな形での制作ですね。
ami 「6人の時は、ヴァースを均等に分けてたんですけど、今回はその配分がバラバラだし、組み合わせも今までと違うので、その部分もこれまでと違うカラーになったのかなって」
mei 「個人的には6人と5人でスゴく変わったような気はしないんですけど、声質とか役割は、当然だけど一人分減ってるから、5人のメンバーがどう魅力を出せるかが重要になったと思いますね。minanのヴォーカルは勿論だけど、ayakaも歌パートが今回は多いし、amiもコーラスだったり、himeも速いラップとか、私も低い声でラップしたり、それぞれの持ち味を押し出して」
――歌も含めて、今回のラップは非常にテクニカルな部分が強いですね。
ami 「今までも簡単って思ったことはなかったけど、今回は歌もラップも両方ともスゴく難しかったですね」
ayaka 「私は歌パートが難しくて、ちょっと胃が痛くなりました(笑)」
ami 「作品のクオリティ的にも、自分の中で作り込まないと求められるクオリティに辿り着かないと思ったし、ちゃんとイメージ通りに表現できるのか、ラップできるのかが、“怖い”と思いましたね」
hime 「でも、私は難しい方が嬉しいんです。やりごたえもあるし、女の子が、アイドルがラップしてることって、低く評価される部分があると思うんですね。だから、テクニカルなことが出来るところをちゃんと見せて、スキルをアピールしたいなって」
――himeさんは大学受験も平行していたのに、その意気込みはスゴいです。
hime 「それは正直しんどかったです(笑)」
minan 「私もラップ・グループだから、アイドルだからって、歌が下手って舐められたくなくて。歌パートがあるんだったら、そこも一生懸命形にしようっていつも思ってますね」
――なるほど。今回はそんなアルバムを全曲解説して頂ければと思います。
1. -old-(skit)
mei 「台本はあったんですが、英語で話しかけられて、けやき町の地図を頭に浮かべながらアドリブで道案内するっていう」
――meiさんの英語は相当怪しい感じがしましたが、あれは出来ないふり?
mei 「ガチです。出来ない部分が出すぎちゃいましたね(笑)」
minan 「私も日常でめっちゃ外国の方に道を訊かれるんですよ。だけど説明できなくて連れてっちゃいます。“Follow Me!”って(笑)」
2. GOLDEN
作詞・作編曲 泉水マサチェリー(WEEKEND)
mei 「ラップやトラックの感触、スクラッチも含めて“ヒップホップ・アイドルとしてのリリスク”が前に出た曲だと思うし、アルバムの幕開けに相応しい曲ですね。泉水さんは初期からずっとお世話になってる方で、今回のレコーディングでも雰囲気を作って下さって」
ayaka 「泉水さんのレコーディングの時のテンションは最高なんですよ!」
mei 「ブースの外から体で全部表現してくれるよね」
minan 「ボディ・ランゲージがスゴいんです(笑)。楽曲にも泉水さんのハッピー・オーラを感じますね」
――ビートはタフなんだけど暗さは感じない、オールド・スクールやJURASSIC 5みたいな感じですね。それはラップをユニゾンも掛け合いも並行させていく展開や、それがキレイに聴かせられるような部分にも感じます。
ami 「ハードな雰囲気の中に可愛さのある“ちびギャング”感がありますよね。でも、それがリリスクのヒップホップなのかなって。格好良さと可愛らしさが一緒にあるっていう」
3. プレイルーム
作詞 サイプレス上野 / 作編曲 ALI-KICK
hime 「個人的には長いヴァースを貰った方が、長いぶん自然に個性が出るから、表現しやすいんですよね。この曲みたいに1行ずつマイクをパスしていくような曲だと、自分の個性の出し方が難しい。だけど、この曲のレコーディングの時は私は学校だったんで、みんなが入れ終わった後にラップをRECすることになったんですけど、みんな短いヴァースの中にそれぞれのカラーをスゴく込めてたし、私自身もスゴくやりやすかったですね。それはサ上さんのデモに導いて貰った部分もあると思います」
――メンバーの部屋はどんな感じですか?
mei 「私はこの曲のリリックに似てる感じですね。ガチャガチャでは無いけど、全部がキレイになってるっていうよりは、ジャケットとかは投げっぱなしとか。整理整頓してる部分としてない部分の差が激しいです」
ayaka 「私は三姉妹で、次女と同じ部屋なんですけど留学中なんで、スゴく寂しくて、猫がたまに遊びにきます。片付けは……片付けが苦手で、親がやってくれます」
minan 「ええ?!」
ami 「え!だよね。もう大人なんだから〜」
ayaka 「将来はお手伝いさんにやってもらおうと思います(笑)」
――治す気ないですね(笑)。amiさんはいかがでしょう。
ami 「持ち物が多すぎて、部屋の容量を超えてるんで、めっちゃモノを捨てろって言われてます」
――何が多いんですか?
ami 「服とか、リリスクのグッズですね」
mei 「分かる! グッズがスゴいよね」
ami 「初期からのTシャツだったりもそうなんですけど、昔のステージ・シューズとか衣装も捨てられないから、大変な事になってます」
minan 「私もamiと一緒で、部屋がモノでいっぱいなので、着替えるのと寝るぐらいしか部屋にいなくて。基本はリビングにいますね」
hime 「私はベッドに天蓋をつけて可愛い感じにしてるんですけど、他に飾ってあるのがTOCさんの〈過呼吸〉のポスターと、スケボーと、レコードっていう、可愛いのかB-GIRLなのかっていうカオスな感じになってますね(笑)。今まではリリスクのポスターを貼ってて。部屋に最初に貼った、初めて家の壁に穴を開けたのがリリスクのポスターだったんですよ」
mei 「嬉しいな〜」
hime 「壁に穴あけないでって言われてたんですけど、リリスクのポスターだけ許してくれて。だけど、リリスクに入ったからファンみたいなスタンスもどうなんだろうって思って、今はTOCさんのポスターに貼り替えました(笑)」
4. おしえて
作詞 呂布 / 作編曲 韻シスト
hime 「どの曲も好きなんですけど、メンバー人気が高い曲ですね」
mei 「アルバムの最後に制作したんで、アルバム全体の流れを汲んだ部分もあって」
ayaka 「リリック的にはアルバムの中で一番可愛らしい曲なのかなって」
――今やKANDYTOWNで大注目の呂布くんも、初期からリリスク楽曲を手がけている一人ですね。
mei 「好きになった男性にとって好きなタイプになりたい、その染まりたいっていう女の子のお話で……(急に)あはは! ……あれ? なんで笑ったの、私(笑)」
ami 「言いながら照れたんじゃない?(笑)」
mei 「そうかも。でも、好きな人が出来た時の女の子の気持ちがシンプルに出てると思うし、女の子が共感できる曲なのかなって」
――自分たちも共感しました?
ami 「私は、“私は私”でいたい部分と、でも好きなひとが出来たらちょっと相手の好みも気になるし……って部分がせめぎ合いますね。それは私のパートの“いつも通りじゃ少し不安”って歌詞にも通じるのかなって」
ayaka 「この歌詞の女性って可愛いですよね。逆に私はこういう部分がないので。“その人の好みになりたくない”って思っちゃう」
mei 「天邪鬼(笑)」
ayaka 「そう! 例えば“ガーリーなのが好き”って言われたらそれは着たくなくなっちゃうんですよ。だから、こういう女性になりたかった(笑)」
5. DO IT NOW!(HEY!HEY!HEY!)
作詞 大久保潤也(アナ)&泉水マサチェリー(WEEKEND) / 作編曲 泉水マサチェリー(WEEKEND)
hime 「ノリのいい曲だから、お客さんを巻き込む感じは、この曲がアルバムの中で一番強いと思いますね」
ami 「短い曲なんで、一気に盛り上げる感じですね」
――今回はこの曲も含めてラブ・ソングが多いですね。
mei 「この感じは〈CITY〉〈date course〉以来だよね」
ami 「だから懐かしい感じでもありますね」
mei 「この歌詞の女の子はスゴく積極的ですよね、特に私のヴァースは。その部分は大久保さんと泉水さんは私のことをイメージして書いて下さって。なので、レコーディングでも積極的な女の子感を出してみました」
ami 「積極的過ぎてド直球な女の子ですよね」
――グイグイ過ぎてちょっとストーカー気味な感じも。
minan 「たしかに言われてみれば(笑)」
ami 「曲調は爽やかだから、あんまりそうは感じないけど、歌詞だけ読むとそうだよ。“好きな人の家族構成まで知りたいの?!”って歌詞を貰った時に思ったもん(笑)」
minan 「恋愛ソングだけど、あんまり“会いたい……”的なベタベタ感がないよね。カラカラな感じ」
ayaka 「カラカラ?!(笑)」
hime 「歌詞を家で音読してたら、親にめっちゃ心配されました。“好きな人出来たの? でもなんか怖い……”って(笑)」
6. サマーファンデーション
作詞 LITTLE / 作編曲 AxSxE
――リリスクは夏曲が多い印象があったんだけど、シングル単位だと「そりゃ夏だ!」と「FRESH!!!」だけなんですね。そしてどちらもtofubeatsくんの制作だったけど、今回はLITTLEさんとAxSxEさんのタッグで。
minan 「〈DO IT NOW!(HEY!HEY!HEY!)〉の歌詞がスゴくタイトだったから、歌詞カードで見るとこの曲はスゴく長く感じますね」
mei 「夏を舞台にした少女漫画みたいな、こういう恋愛に憧れるな〜って歌詞の詰まった曲ですね。今年の夏はこの曲で過ごしたって感じです」
hime 「浴衣でライヴもさせて貰ったり」
minan 「やったね〜。ライヴでの盛り上がりがスゴい曲ですね」
7. -☆☆☆-(skit)
mei 「昔からあったグラタン屋さんに行きたかったのに、今はもう無くなってるっていう流れで、アルバム世界の時間経過を表した曲ですね」
ami 「台本はあったんですけど、自然と出てきた言い回しが採用されました」
8. リリシスト
作詞 GAKU-MC 大江千里 / 作曲 大江千里 / 編曲 Kenichiro Nishihara
minan 「今までのリリスクの曲とはちょっと違って、この曲はサビのキーが低いんですよね。だから、今までのリリスクとは少し違う雰囲気で聴かせる曲になったのかなって。GAKUさんの文学的な歌詞と、大江さんのジャジーなトラックがスゴくマッチしてると思いますね」
――これはプロデューサーのキムくんから聞いたんだけど、大江さんと打ち合わせた時に、このアルバムに通底する「架空の街」というコンセプトを話したら、一通り聞き終わった大江さんが「その街にはどんな花が咲いてるの?」って。そこから話し合いの中で「花じゃないけどけやきが生えているイメージですね」って話になって、町の名前が「けやき町」になったというのを聞いて、大江さんのイメージ力は素晴らしいなと。そこに組み合うのがGAKU-MCさんというのもスゴいですね。
hime 「ラップは言葉がつまってるところと、逆に間隔をしっかり取るところの差が大きくて。だから私はその“間”をよく考えてラップしようと思いました。GAKUさんのラップを勉強しながらも、そこに染まりすぎないで、ちゃんとリリスクらしさ、私らしさを出したいと思ったし、それには“間”に注意を置くことで、それが出来るんじゃないかなと思って」
mei 「この曲の中の“変わらないために変わり続け、変わったからこそ変わらずにいれる”って言葉は、スゴく重要な言葉だなって。グラタンの後に――グラタンも大事です(笑)――この歌詞を聴くと、その繋がりが分かると思うし、この言葉がアルバムの物語の中心にあるのかなって」
――リリスク自体、今回のアルバムの前にはyumiの脱退があったり、心情だけじゃなくて、具体的な部分でも常に“変わっていっている”。
mei 「その意味でも、その言葉は私達のことを表せてると思うし、変化するものと、変わらないものを大事にしたいと思いましたね」
9. マジックアワー
作詞 SUEKKO LIONS© / 作編曲 坪光成樹 高橋コースケ
mei 「しっとりとした秋の感覚を受けるラブ・ソングですね。シングルの制作の時からアルバムと繋がってることが分かってたんで、このアルバムのスタートになった曲というイメージです。作って下さってる方も、tengal6時代からお世話になってる方々で。“時計台”という歌詞も含めて、“けやき町”の軸になってる曲なのかなって」
――この曲のサビでは、ライヴで「オレモー」というコールが最近入るようになってますが。
ayaka 「でも“オレモー”はDorothy Little Happyの〈デモサヨナラ〉で聴きたいし、私もドロシーでコールしたいです(笑)」
hime 「この曲のサビは歌ってて本当に気持ちいいんですよ。スゴく気持ちを込めて歌ってます」
minan 「しっとりした曲だし、サビもエモーショナルな感じで歌い上げてるから、その情感をしっかり聴いてくれると嬉しいですね」
――ではメンバーの好きな季節は?
hime 「夏です。陽も長くて、ワクワクするし、夏服が好きなので」
ayaka 「リリスクは夏が似合うと思うんですよね。外でのライヴも好きなんで、やっぱり夏かなぁ」
ami 「服は秋物が好きですけど、動くのは夏が好きですね。海が好きなので」
――さすが小田原出身は海にこだわりがありますね。minanさんはどうですか?
minan 「私は冬ですね」
――海がないから?
minan 「たしかに群馬は海無し県ですけど!(笑)。どの季節も好きだし、季節ごとの匂いも好きなんですけど、その中でも冬のクリスマス、年末年始っていう街の気持が逸ってる感じと、煌めいてる感じが一緒にある雰囲気がスゴく好きですね」
mei 「エンジョイ出来るのは夏だけど、雰囲気が好きなのは冬ですね。冬のイルミネーションだったり、クリスマス・ソングが街に流れ出すと、小さい頃の気持ちになれる感じがして好きです」
10. 恋わずわず
作詞 かせきさいだぁ / 作編曲 connie
ayaka 「この曲はデモを頂いた時から“かせきさいだぁさんの曲です!”っていう感触がスゴく強くて、自分のパートにするのが難しかったですね。かせきさんの独特の空気感を保ったまま、かせきさんの物真似にならないように、自分のどう出すのかを考えなくちゃなって。でも、歌ってるとスゴく楽しい気持ちになります」
ami 「かせきさんのラップもconnieさんのトラックも本当にカラーが強いですよね」
hime 「キラキラしたconnieさんの可愛らしいメロディが、かせきさんの歌詞とスゴくマッチして、ホントに素敵です」
minan 「“浦島タロ子”って歌詞はホントにスゴいなーと思ったし、すっごく可愛い!」
mei 「ライヴでやるのが超楽しみです!」
――この曲の中でかせきさんの「冬へと走り出そう」のリリックが使われてて、冬つながりな部分が小粋な感じなんだけど、「冬へと走り出そう」が発表された時、himeさんはまだ生まれてなかったことに戦慄が隠せませんでした。
hime 「そうなんですか!」
――20年前ですからね。
ayaka 「私達も生まれてないかも知れない?」
ami 「生まれてるわ」
mei 「5〜6歳だわ」
minan 「かなり歩けてるね、もう(笑)」
11. -too old-(skit)
mei 「〈-old-(skit)〉と〈-too old-(skit)〉で、後ろに聞こえる街の音が全然違うんですよ。〈-old-(skit)〉では走っていた車が〈-too old-(skit)〉では空をビュンビュン飛んでいて。そういう音からも、時間の経過が分かって貰えると嬉しいですね」
12. ラストソング
作詞・作編曲 ALI-KICK
ami 「ALI-KICKさんはいつもリリスクに一つ上の階段を提示して、登らせてくれるんです。それは難しい曲っていうことでもあって、今回もデモを聴いた瞬間は“これが出来るのかな……”って。私のパートも早口で刻んでいく部分があるんですけど、そういうスタイルを今までやって来なかったから、これを私がやっていいのか不安もあって。だけど、パート割も全部ALIさんがやって下さったんですが、“今まで見てきたけど、いまなら出来ると思ったから、こういうパート割にしたんだよ”って言って下さったんです。だから、自分のモノにしなくちゃ、頑張らなくちゃと思ったし、出来た時は自信にも繋がりましたね」
ayaka 「私はALIさんプロデュースの〈I.D.O.L.R.A.P〉の時、苦戦しまくりでホントに大変だったんですよ。でも、今回はそこまで苦戦しないで出来たので、ALIさんに“どうしたの?!”って驚かれました(笑)。その成長をライヴでも見せたいですね!」
minan 「私はメロディ・パートを頂いたんですけど、頂いた時からこのメロディが好きだったし、歌わせて貰えて嬉しかったです。5人で歌うサビはクセを出さないようにしてるんですけど、一人の歌パートは、自分の独特の部分も含めて、そのまま出そうと思ったし、それが伝わると嬉しいですね。早くライヴでも歌いたいです」
hime 「どの曲でも仮歌を頂いた時、どこで韻を踏んでるとか、この韻とこの韻はこういうフロウでラップすればキレイにハマるとか考えるんですけど」
――思考がラッパー過ぎる!(笑)。
hime 「(笑)。でも、この曲だけは全然掴めなかったんですよね。スゴく変則的な打ち方のビートだし、テンポは早いし、ラップのバリエーションも多くて。だけど、この曲を女の子がしっかり乗りこなせたら、アイドルがちゃんとラップ出来たら、スゴく格好いいと思ったんですよね。この曲を格好良く表現できれば、アイドル・ラップのハードルを上げる事が出来ると思って」
――この曲を一つの“基準”にしたいと。
hime 「それだけチャレンジしがいのある曲だと思いましたね」
mei 「この一曲に、このアルバムのコンセプトや、私達の活動が凝縮されてて。涙が出るような一曲になったと思います。これまでに歌ってきたリリスクの歌詞や、これまでの経験が、このフックやリリックに込められているし、自分たちがラップを続けてきた思いも詰まっていて、リリスクのこれまでとこれからを感じる曲だと感じました、だから歌っていてジンときましたね。自分たちがラップをしてきた意味を、この曲やアルバムで伝えられたらなって」
minan 「私の夢が全部ここに詰まってるんですよ。ずっとリリスクで活動したいし、この曲みたいな未来を迎えたい。ずっとみんなでラップして、ダンスして、ライヴしていたいなって」
13. RUN and RUN
作詞 岩渕竜也 / 作編曲 SUI
――この曲はシングル・バージョンではyumiのラップが入っていましたが――それは「サマーファンデーション」も同様ですが――アルバムでは彼女のパートを5人で再振り分けしていますね。
ayaka 「寂しい気持ちは勿論、歌の部分でminanとは違うカラーを持ってる女の子だったから、yumiがいないことで、色が弱くなったって言われるかもしれないって、ちょっと怖かったですね。でも、今回5人それぞれのカラーをこれまでよりも増幅して、いろんな引き出しを出すことが出来たと思うし、それによって〈RUN and RUN〉はシングルとは違うカラーに生まれ変わることが出来たんじゃないかなって」
――未来への希望を感じる「ラストソング」を経て「RUN and RUN」で作品が終わるのは、非常にポジティヴなメッセージになっていると思います。
mei 「シングルの〈RUN and RUN〉とはまた違う意味が、この曲に生まれたと思いますね。いい曲も沢山出来たし、5人でアルバムを作り上げられたことも自信になってるので、ライヴがガラッと変わると思います。それが楽しみ。あと〈RUN and RUN〉のMVで私達を知った人にも、アルバムを聴いて貰って、MVだけじゃないってこともちゃんと伝わって欲しい2017、ですね(笑)」
ami 「リリスクは目の前のことについてとにかく頑張って、突っ走ってきたし、それが今に繋がってると思うんですね。だから、このアルバムを聴いて、リリスクを見に来て貰って“今の私達”を見て欲しい。未来も過去も考えなくちゃいけないけど、“今”を知って欲しいです」
ayaka 「メジャー・デビューから半年でシングル3枚、アルバム1枚っていうペースは本当に早いと思うし、これから始まるツアーも含めて、もっとスピード・アップして行きたいですね。アルバム曲もライヴでやるとまた生まれ変わるので、その部分も期待してくれると嬉しいです」
hime 「〈マジックアワー〉を5人で歌った時に、やっぱり寂しいっていう気持ちもあったけど、5種類のフロウだなって思われたくない意地もあって。だから、もっとバリエーションを見せたいと思ったし、それが出来たと思うんで、明るい未来を提示出来たといますね。そして、その未来を実現出来るようにリスナーの方の前で、もっと一緒に楽しみたいなって」
minan 「“未来は明るい”っていうメッセージを打ち出してるので、それを実現したいし、もっともっと面白いことを表現していきたい。アイドル・ラップ・ユニットとして出来ることはまだまだ沢山あるし、このアルバムで豪華な方々と一緒にお仕事出来たように、リリスクと一緒に作ったら面白そうだなって思ってくれる人が増えると嬉しいですね。だから“面白いこと”をもっともっと形にしていきたいです」
取材・文 / 高木“JET”晋一郎(2016年11月)
lyrical school tour 2016“guidebook”
lyricalschool.com/
2016年11月27日(日)
福岡 Early Believers
開場 16:00 / 開演 16:30
前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンクオーダー別)



2016年12月9日(金)
北海道 札幌 cube garden
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンクオーダー別)



2016年12月17日(土)
大阪 OSAKA MUSE
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンクオーダー別)



2016年12月18日(日)
愛知 名古屋 VERSUS東海ホール
開場 15:30 / 開演 16:00
前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンクオーダー別)



2016年12月23日(金)
宮城 仙台 space Zero
開場 14:30 / 開演 15:00
前売 3,500円 / 当日 4,000円(ドリンクオーダー別)



2016年12月29日(木)
東京 Zepp TOKYO
開場 18:30 / 開演 19:30
前売 4,500円 / 当日 5,000円(ドリンクオーダー別)

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