ローランドの名シンセサイザー大集結

松武秀樹   2011/05/12掲載
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6/12開催、ローランド シンセサイザーデイを見逃すな!
ローランドの名シンセサイザー大集結

 “ローランド シンセサイザーデイ”ではローランドが生んだ新旧の名シンセサイザーが大集合する。現在、ラインナップに加わっている現行シンセはもちろん、いまでなかなか実物を目にすることができない往年の名機まで、目の前でじっくり見ることができるのだ。ここでは当日、実際に会場に展示されるシンセサイザーの数々をご紹介しよう。

JUNO-Di / JUNO-Gi / JUNO-STAGE
簡単セットアップと軽量化を図りながらも本格的なサウンドを表現できるローランドのベーシック・ラインナップ。シンセサイザーといったら、とかく重さが頭痛の種。スタジオ練習でもライヴでも、持ち運びに便利で鍵盤弾きに優しい仕様だ。
電池駆動が可能なモバイル・シンセサイザー「JUNO-Di」、豊富な音色と幅広い用途で使えるレコーダー機能を搭載した「JUNO-Gi」、ライヴに完全特化したステージ用シンセ「JUNO-STAGE」と、強力な3機種が並ぶ。
GAIA / GAIA SYNTHESIZER SOUND DESIGNER
つまみの位置や大きさまでこだわり抜き、音の作りやすさが抜群のアナログ・モデリング・シンセ。ライヴでもレコーディングでも自宅でまったりイジるにも、それぞれフィットする新世代のシンセサイザーだ。PCの大画面を使って音作りが楽しめる「GAIA SYNTHESIZER SOUND DESIGNER」も新たに登場。
  
Fantom-G6 / Fantom-G8
スタジオ演奏からライヴ・パフォーマンスまで何でも来い! ローランドが誇るオール・イン・ワン・シンセサイザー「Fantom」シリーズの最新モデル。世界初となるワイドVGA液晶を搭載するなど、楽曲制作からライヴ演奏まで、その弾きやすさで世界中のアーティストに愛用されている。可能性に優れた61鍵盤の「Fantom-G6」、ピアノ・タッチで88鍵盤の「Fantom-G8」がラインナップ。
V-Synth GT
フルートやサックス、二胡など生楽器の音色を本物さながらの表現力で演奏できるローランド独自のテクノロジー「AP-Synthesis」を搭載したモデル。アナログ楽器が持つ微妙な音の仕草や表現力まで完全に再現! サンプリング音源ではできなかった演奏表現が可能になった革命的なアイテムだ。
VP-770 / VP-7
歌いながら鍵盤を弾くだけでボコーダー・サウンドはもちろん、聖歌隊の合唱、ポップ・ソングのハモリ、ゴスペル風の壮大なコーラスまで再現できてしまうヴォーカル・デザイナー機能を搭載したVPシリーズ。Perfumeに代表されるテクノ風アイドル・サウンドで聞かれるようなヴォーカル・エフェクトも表現可能で大注目を集めているアイテムだ。
   
AX-Synth / Lucina
ショルダー・シンセサイザー“キーター”2モデル。音源を内蔵しているので、外部音源に頼らずに迫力のサウンドを演奏できる。ディストーション・ギターやリード・シンセなど、特にライヴで威力を発揮する音色が充実。
  


ローランドのシンセサイザーラインナップはこちら
http://www.roland.co.jp/synth/


 ローランド・シンセサイザー名盤物語


JUPITER-8
 シンセサイザーの歴史をリードしてきたローランド。これまでリリースしてきた製品から多くの名盤・名演奏が生まれている。ここでは、音楽史に残る名盤で聴けるローランド・シンセをご紹介しよう。

 1981年にリリースされた「JUPITER-8」はその美しい音色はもちろん、オート・アルペジオに代表される高機能で一気にブレイク。ローランドの名を世界中に知らしめた一大名機だ。デュラン・デュランハワード・ジョーンズジャーニーといった当時のミュージシャンはもちろん、現在のアーティストたちにも好んで使われるあたりからも人気の程が伺える。


JUNO-106
D-50
 「JUNO-106」は1984年に発売されたアナログ・シンセサイザーの傑作だ。MIDI端子が付き、より低価格を実現したことにより人気を博した。現在でもその自然な音色が人気で、90年代以降はダンス系トラック・メイカーやDJなどからも脚光を浴びている。

 ローランド初のデジタル・シンセサイザー「D-50」は、発売されるや瞬く間に評判が広まり、世界的な大ヒット製品となった。エリック・クラプトンエンヤゲイリー・ニューマンなど世界中のアーティストに使われ数々の名曲が世に放たれた、いわば名機中の名機といえる。


JD-800
JP-8000
 パネル面にぎっしり並んだボタンやスライダーが圧巻で、個性的なサウンドを楽しめる「JD-800」は1991年に発売された。内蔵音色53番のピアノ・サウンドは、一大ブームを巻き起こした90年代中盤、小室哲哉がお気に入りでよく使っていたことで知られる。

 1996年に発売された「JP-8000」は、直感的に音色を加工することができるヴァーチャル・アナログ・シンセの傑作。90年代後半に大流行したダッチ・トランス・ムーヴメントではJP-8000の音色が使われ、以降トランス系のリフ音色として代名詞的な存在となった。
過去から現在まで連綿と続くローランドの歴史に寄り添うように名盤もまた生まれてきた。これからもシンセの発展とともに新たな音楽が生まれていくことだろう。


◎JUPITER-8はここで聴ける!
ハワード・ジョーンズ「ニュー・ソング」

80年代に大流行したエレクトリック・ポップスの第一人者のデビュー・シングル。この曲でいきなり全英3位を記録する大ヒットを記録、一躍人気アーティストに上り詰めた。全編に流れるピコピコの単音サウンドと温かみのあるウォームなシンセ・サウンドがポジティヴで明るい雰囲気を醸し出している。曲中何度か出てくるメロディ音色で使用。

◎JUNO-106はここで聴ける!
ケミカル・ブラザーズ「ディグ・ユア・オウン・ホール」

イギリスが誇る人気テクノ/エレクトロ・アーティストである彼ら、そのキャリアの全編でJUNO-106のサウンドを聴くことができる。97年リリースの2ndアルバムは、大ヒット曲「セッティング・サン」、「ブロック・ロッキン・ビーツ」を収録した"ザ・ブレイクビーツ"といった趣の一枚。JUNO-106を駆使した音色はもちろん、新旧のシンセ音源を使ったサウンドを楽しめる。

◎D-50はここで聴ける!
エンヤ「オリノコ・フロウ」

アイルランドが生んだ世界の歌姫、エンヤが1988年にリリースしたアルバム『ウォーターマーク』に収録されたナンバー。日本デビュー曲となったこの曲は、D-50から生まれた。彼女の透明感あふれる歌声をささえる本機のシンセ・サウンドが、壮大かつ幻想的な曲の雰囲気を作り上げている。イントロから聞けるピチカート・サウンドがそれ。

◎JD-800はここで聴ける!
globe「Departure」

96年にリリースされた、globeの大ヒット曲。CMタイアップ曲に起用されたこともあり、ダブル・ミリオンを記録するほどの話題を集めた。切ないメロディと心に迫る歌詞、そこにJD-800の透明感あふれるピアノ・サウンドが相まって、恋人同士の胸が張り裂けそうな世界が構築されている。

◎JP-8000はここで聴ける!
System F『アウト・オブ・ザ・ブルー』

1990年代後半に登場したユーロ・トランスの派生型、ダッチ・トランスの代表アーティストによるデビュー・アルバム。タイトル曲の中盤から聴ける「トランスといえばこれ!」的なリフレインで、ローランド独自の波形Super Sawによる音色を使用し、一大“ダッチ・トランス・ムーヴメント”を起こした。アルバム全編を通して近未来的なシンセ・サウンドを楽しめる。


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