気付けば夏本番! フレッシュな感性の赴くままに、日々DIGし続けるCDJournal.comスタッフが選ぶ“2010年 私の上半期Best5”。1月〜6月までに発売された作品の中からセレクト&レコメン、被り一切なしという奇跡のラインナップをご覧ください。
タイトルだけで名盤確定な札幌ハードコア現在形(1)。サウンド(フィンガー5!)&リリックはもちろんですけど、アートワークの冴えっぷりもサイコーすぎる。来た! ロンドン生まれのアナーコSKAレジェンド! 対訳もじっくり読みふける(2)、ゆらゆら梅雨時ホリデイ・ミュージック(3)、激キュートなぼんやりさん(4)、グループでのフル・アルバムにも期待しっぱなしTYRANTより
HIRAGENソロ(5)、いつもご機嫌です。
ABHINANDA、
EARTH CRISIS、LIP CREAM観てホント幸せ。(星)
サニーデイ・サービス新譜リリースのニュースは、今年前半のかなり心躍る出来事でした。やはりあの3人にしか出せない、淡く甘酸っぱい感じがたまりません。青春 is back!な(1)でした。ほか4枚もわくわく胸が打ち震えた作品ばかり。
ジム・オルークのバカラック・トリビュート(3)は、数々の豪華ゲスト・ミュージシャンやアレンジの妙が面白く、アートワークも素敵すぎる一枚。これは絶対CDで持つ価値あり!(5)は、
渋さ知らズでも活動しているジャズ・ピアニストの初リーダー作。黒っぽいフィーリングを持ちながらパワフルに展開していくオリジナルの楽曲は爽快感たっぷり。外へ、外へと発散していくエネルギー量は半端ないです。(木)
いつにも増して、家でゆっくり音楽を聴く時間が取れなかったこの上半期……。シゴトとは別口で、時間と時間の隙間に、いつも肌身離さず聴いていたのが(1)〜(4)。自然派チェリストの
ブルネロ2度目となるバッハ無伴奏録音(1)と、ベザイデンホウトがムローヴァに負けず劣らず素晴らしい(2)は、ともに演奏者の自由な精神が聴く者の心を解放してくれます。(3)はジャケ写を見ているだけでもワクワク。(4)はPOPさを増してOL層ウケを狙ったものの、果たしてその成果やいかに? (5)はロストロポーヴィチ夫人主演の『チェチェンへ アレクサンドラの旅』が沁みました。それにしても紀伊国屋のDVD-BOX、出るもの出るものいちいちツボで、有難すぎます!(原)
“2010年”と言われて今後まっさきに思い出すであろう作品が
七尾旅人の(1)。規制のフォーマットやシステムに捉われることなく自らの手で表現の地平をガンガン切り開いていく彼の後ろ姿は、同時代を生きるミュージシャンはもちろん、今後現れるであろう新たな音楽の担い手たちに大きな気付きと勇気を与えてくれたはず。“ギターバンド”という既成概念を豪快にぶち壊し、多様なサウンド・アプローチに取り組んだ
アジカンの(2)や、
星野源というアーティストが持つ底知れぬ才能を静かに伝える(3)、独自の進化を遂げて、もはや世界中のどこを見回しても似たようなバンドが見当たらない唯一無比の存在となった
クラムボンの(4)、
マヌ・チャオや
フェルミン・ムグルサといったアーティストと共鳴しつつも日本人としての自らのアイデンティを狂おしいまでに掘り下げた(5)も今年の上半期で強く印象に残った作品。(望)
2010年上半期が過ぎて改めて思ったことは、“ここ数ヵ月、完成度の高い力作が多い”ということ。もう少し具体的に言うと、以前からもそうだったかもしれませんが、“制作者の意図や熱を感じられる”作品が増えてきたように思います。やはり聴き込んで、じっくりと分析しているものは特にそう思うわけですが、上記で挙げた作品はとくに素晴らしかった。アーティストの生き様や行動を追って、コンセプトを認識して、歌詞の言葉をなぞって……そこで初めてわかる深い感動もある、そう実感した5枚です。(清水)