2003年のデビュー以来、 リロイ・ジョーンズをプロデューサーに迎えニューオーリンズでレコーディングした『ウォーク・ウィズ・ジー・イン・ニューオーリンズ』(2007年)、“フォーク”をテーマにした『ホームカミング』(2008年)、小野リサらを手掛けた村田陽一がプロデュースを担当したボサ・ノヴァ・アルバム『ナチュラル』(2012年)、宮川純がアレンジを手掛けたカヴァー・アルバム『LOVE VOYAGE』(2015年)などを発表。ジャズを中心にしたオーセンティックな音楽性、スモーキーかつエレガントな歌声で音楽ファンを魅了しているnoonに、自身のキャリアと現在のモードについて聞いた。インタビュー後半では、軽量・高音質のワイヤレス・イヤフォンNUARLの“N6 mini”を使ってもらい、音質や使い心地についても語ってもらった。
――noonさんの音楽のルーツは、やはりジャズですか?
「最初からジャズが好きというより、たまたまいいなと思った音楽の一つがジャズだったという感じです。中学生のときにCMでハリー・コニックJr.の〈We Are in Love〉が流れていて、すごくいいなと思ってCDを買いに行ったんです。洋楽ポップスのコーナーになくて、お店の方に聞いたら“ジャズのコーナーにあるよ”って。そのときに“そうか、こういうのをジャズって言うんだな”と思ったんですよね」
――なるほど。その後、さらにジャズを掘ったりしました?
「それも偶然なんですけど、高校のときに同級生の男の子と音楽の話をしていて、その子のお母さんがジャズ好きだってことがわかって、オムニバスのCDを貸してもらったんです。そこに入ってたのがアニタ・オデイ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデイなどで。それぞれテイストが違うのもいいなと思ったし、さらにスタンダードの名曲を楽しむようになりました。“なんで若いときからジャズをいいと思ったの?”とよく聞かれるんですけど、思い返してみると、ディズニー映画の影響なのかなって思います。2、3歳のときから毎年夏に母と一緒にディズニー映画を観に行ってたんですけど、音楽が本当に素敵でした。メロディの美しさ、ロマンティックな世界観はジャズのスタンダードにも通じていると思うんです」
――実際、ディズニー楽曲のジャズ・カヴァーはすごく人気ですからね。J-POPも聴いてました?
「はい、テレビっ子だったので(笑)。小さいころは松田聖子さんが好きで、ドリカムさん、ミスチルさんなども聴いていて。メロディが良いものに惹かれていたんだと思うし、いいなと思った曲は口ずさんでました。英語はわからないんですけど、(歌詞に)カタカナを振って自分なりに歌ったり。性格的に人見知りなので、ひたすら家で歌ってただけなんですけど」
――ステージで歌うことを目指したきっかけは?
「それもハリー・コニックJr.なんです。高校生のときに大阪厚生年金ホールのコンサートを観に行って。CDを聴いて予習してたんですけど、アレンジやフレーズがかなり違っていて、それがすごく衝撃的でした。ステージではまた違うフィーリングで生まれ変わるんだと思って、私もやってみたくなったんです。とは言っても、初めの一歩がなかなかわからなかったんですよ。“歌いたいけど、どうしよう?”というマグマみたいな気持ちを抱えたまま数年間生きてきて、あるきっかけでプロデューサーの方を紹介してもらって、上京しようと決めました。振り返ってみると、しかるべきタイミングで出会えたんだなと思います」
――すごい引きの強さですね。
「念力というか、思いだけは強かったんです(笑)。ジャズ・クラブで歌わない?みたいなお話もあったんですけど、ちょっと夜の世界が怖かったんです。だから名前も“noon”にしたのかもしれないです。……後付けですけど(笑)」
――デビュー後も素晴らしい出会いが続いてますよね。リロイ・ジョーンズさん、笹路正徳さん、村田陽一さん、ホセ・ジェイムズさんをプロデューサーに迎えたり、最高峰のミュージシャンとの共演も多くて。
「本当に幸運だし、ありがたいと思っています。つい最近もスタッフさんから“これは当たり前じゃないからね”と言われました(笑)」
――凄腕のプロデューサーやミュージシャンとの出会いは、ヴォーカリストとしての成長につながっているのでは?
「それはすごくあると思います。リロイ・ジョーンズさんはハリー・コニックJr.さんのバンドのリーダートランぺッターだった人で。ニューオーリンズで制作させてもらったんですけど、“よしよし、よくできたね”みたいな感じで可愛がってくれて(笑)。緊張しながらも楽しくやれたんです。ホセ・ジェイムズさんとニューヨークでレコーディングさせてもらったときは、彼とは同じ年ということもあって、対等な立場だったというか。本当に素晴らしいミュージシャンばかりだったし、けっこうヘコみましたね。自分の力量を思い知らされたし、“もっとうまくなりたい。がんばろう”と思いました。成長のために必要な勉強だったし、作品に対する意気込みや精神力を含めて、レコーディングを通して進化できるところは大きいと思います」
――2015年には宮川純さんがアレンジを担当したカヴァー・アルバム『LOVE VOYAGE』をリリースしました。
「宮川さんは素晴らしいミュージシャンなのはもちろん、すごく新しい感性を持っている方です。“こういう世界観でやりたい”という提案もしてもらったし、また少し階段を上がれたアルバムだと思います」
――「ダンシング・クィーン」(アバ)、「ブラックバード」(ビートルズ)など選曲もバラエティに富んでいて。原曲へのリスペクトが感じられるアレンジ、歌唱も印象的でした。
「ありがとうございます。オリジナルのメロディをできるだけ崩さないで歌いたいんですよ。“こんなふうにビブラートをかけて”みたいなことも1回もやったことがなくて。私の場合、アタマで考えてもうまくいかないと思うし(笑)、自然に歌うのがいちばんいいのかなと思います。等身大で歌うことで、“noonらしさ”を感じ取ってもらえたら嬉しいですね」
――ここ数年はライヴに軸足を置いた活動を続けていますが、2020年は大変な1年でしたよね。
「そうですね。ジャズ・ヴァイオリニストのmaikoさんとツアーを回る予定だったのですが、延期になってしまって。9月に4ヵ所で開催できたのですが、まさかこんな状態になるとはまったく想像してなかったです。ただ、数ヵ月の休みのなかで、音楽に対する思い、歌えることのありがたさにあらためて向き合えたことはすごく大きかったし、今後につながると思います。1本1本のライヴをもっと大事にして、さらにエンジンをかけていこうと思えたんです。アコースティック編成のライヴが多いので、やっぱりお客さんと同じ場所で共有したいんですよね。お互いに安心できる環境を作っていけたらなって思っています」
――ステイホーム期間中はどんな音楽を聴いてました?
「私は好きになったものをずっと飽きずに聴いてることが多いんです。今年はジェイムス・テイラーのカヴァー・アルバム『カヴァーズ』をよく聴いてましたね。声もずっと変わらないし、素晴らしいです」
――最後に、今後の活動のビジョンについて聞かせていただけますか?
「まずは状況を見ながらライヴを増やしていけたらなと思っています。新しい作品にも取り組みたいですね。スタンダードなものを大事にしながら、いまの新しいジャズのサウンドに自分の歌が乗ったらどうなるだろう?という興味もあります。挑戦したいこともいろいろあるので、来年には形にしたいです」
――では、ここからは、ワイヤレス・イヤフォン“N6 mini”を試聴していただきたいと思います。今回使っていただいた“N6 mini”はN6シリーズ上位モデルの高音質を受け継ぎながら、小型・軽量化・低価格化を実現したシリーズです。
「アルバム『LOVE VOYAGE』でもカヴァーした〈ニュー・シネマ・パラダイス〉を聴いてみたんですけど、サウンドの立体感がすごく出ますね。全部の音の輪郭がハッキリしているのに、音が優しくて。曲の良さがしっかり感じられて、琴線に触れる感じがすごくいいなって。しかもリーズナブルだし(笑)」
――“N6 mini”はいわゆる“ドンシャリ”を抑えて、全ての音域を幅広くカヴァーしながら、音楽の抑揚も感じられるバランスになっています。
「なるほど。ふだんからアコースティックな音楽を聴くことが多いので、いちばん好みのバランスですね。フラットな音なんだけど、しっかり色付けもされていて、曲の世界観が感じられて。クラシックやポップスも楽しめるし、私にはとても使いやすいです」
――普段もワイヤレス・イヤホンを使うことが多いですか?
「移動中はほとんどワイヤレスですね。“N6 mini”は見た目もかわいいし、しっかり音楽も味わえるので、ぜひ使ってみたいです」
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取材・文/森 朋之
撮影/品田裕美