「オシャレなバンドだということになってるみたいで(笑)」 シビレっぱなしの全8曲、面影ラッキーホールがニュー・アルバムを発表!

面影ラッキーホール   2008/11/19掲載
はてなブックマークに追加
「オシャレなバンドだということになってるみたいで(笑)」 シビレっぱなしの全8曲、面影ラッキーホールがニュー・アルバムを発表!
 うっとり濃厚、トロリとトラウマ、極上のエンターテインメントをリスナーへ提供する歌謡ファンク・ロック・バンド、面影ラッキーホール。2007年に発売されたシングル「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・・夏」に続き、フル・アルバム『Whydunit?(ホワイダニット?)』が到着。実に確信犯的な、めくるめくストーリーとサウンド、またしても“一度聴いたら二度と忘れない”傑作が完成した。


 傑作の呼び声高い『音楽ぎらい』から実に9年ぶりのアルバム『Whydunit?』をリリースした面影ラッキーホール。“この人はうますぎるほどの物語詩の作り手だ”(吉本隆明)、“すごくイイ曲に、すごくイヤな歌詞”(宮藤官九郎)と、錚々たる顔ぶれが絶賛をおくる、さらなる磨きがかかった21世紀最初の新作について、ヴォーカルの佐々木“ACKY”あきひ郎、リーダーのSinner-Yangに話を訊いた。


 面影ラッキーホールといえば、まず目を引くのが強烈なインパクトを与える曲名。今作でも「あの男(ひと)は量が多かった」「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた・・・夏」「あたしゆうべHしないで寝ちゃってごめんね」といったタイトル通りの情念の物語がずらりと並ぶ。
 「そもそもこのタイトルじゃなかったら誰も目をとめないだろうなっていうのはあるんですよ。一時期『火サス』とか2時間ドラマのタイトルが、やたら長くなった時期があって、ああすると視聴率がガーンと上がったっていうのを思い出して、じゃあ曲のタイトル長くしたら人気出るかなって(笑)」 (Sinner-Yang)
 「掴み的な感じでね。どうやったらみんな驚くだろうとか狙ってるだけなので、売れるようになれば、もうちょっと、普通に」 (ACKY)
 「万が一、某レコード会社さんからイイ話が来たら、即座に打ち込みのダンスビートにしますから」 (Sinner-Yang)
 「まあ、そのときは俺いないかもしれないですけど(笑)」 (ACKY)



 もちろん演奏面でも、Sinner-Yang 曰く「今回は音楽的にも技術的にも完全に理想型のミュージシャンが集まった」という総勢12名のメンバーによる、ほぼ一発録りの生音にはシビレる限り。特に70年代ソウル/歌謡曲ファンにはたまらない贅沢さだ。
 「大所帯だと、みんな思ってることが違うから面白いんです。例えば3ピースのロック・バンドなんてベーシックに人気あるけど、個人的なことを言うと、あの純度の高さがすごくつまらなく感じちゃう。いまの12人のメンバーの中に歌詞のこと気にしてない人、フツーにいますからね(笑)。人数が増えるほど、それだけ考えてることが違うので、その要素はどうしてもほしいんですよ」 (Sinner-Yang)


 最後に、これまで石井隆、ケン月影、上村一夫といった漫画家による女性画が飾ってきたアルバム・ジャケットを一新した件について。
 「しばらく活動が少なかった間にネット上で伝説が拡大再生産されて、どうやら我々はオシャレなバンドだということになってるみたいで(笑)」 (Sinner-Yang)
 「前の3作はちょっと泥くさい雰囲気もあったから、本当は近い感覚なのに手に取ってなかった人たちにもヒットするよう90年代の渋谷系な雰囲気を出して(笑)」 (ACKY)
 「ただ、以前からご存知の方は期待を裏切るのかなとも思って。レアな漫画をジャケットにすることも含めて楽しみにしている方もいらっしゃるだろうから、このジャケットにするのは結構勇気いりましたね」 (Sinner-Yang)


 来年は祝・結成15年。1月には心斎橋クアトロと渋谷クアトロでのライヴも決定したので、興味を持たれた方は足を運んでみてはいかがだろう。ちなみに2人からのリクエストは“バブル時代に青春を過ごした奥様たちに来ていただけるのが理想”だそうだ。
 「15年か。そろそろ生まれた子供が不良になったりする歳ですよ(笑)」 (ACKY)
 「俺ら、いくつまでやるんだろ?」 (Sinner-Yang)
 「まあ、いずれは座ってやれるようなバンドにしたいですね(笑)」 (ACKY)
 「キング・クリムゾンのように(笑)」 (Sinner-Yang)



取材・文/秦野邦彦(2008年11月)



【面影ラッキーホール CDリリース記念ライヴ!】
■大阪公演
【日程】 2009年1月18日
【会場】 心斎橋クアトロ
【チケット】 ADV\4,000/DOOR未定
【開場/開演】 18:00 / START 19:00
【special guest】 大西ユカリと新世界
※お問合せ先:smash/http://smash-jpn.com

■東京公演
【日程】 2009年1月25日
【会場】 渋谷クアトロ
【チケット】 ADV\4,000/DOOR未定
【開場/開演】 18:00 / START 19:00
※お問合せ先:smash/http://smash-jpn.com
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
[インタビュー] ソウル&ファンク・ユニットMen Spyder 初のEPを発表[インタビュー] KMC 全曲O.N.Oによるビート THA BLUE HERBプロデュースの新作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015