2005年にTemporary Residenceよりファースト・アルバム『Sleeping People』を発表し、ここ日本でも大きな話題をさらった、サンディエゴ生まれの4人組ポスト・ロック・バンド、スリーピング・ピープル。セカンド・アルバム『グローイング』発表に伴い、国内盤リリースを手掛けるSTIFF SLACKの招聘によって、初の来日公演を果たした。精巧に隙間なく構成された楽曲へ、生バンドならではのグルーヴを与えていく圧巻のステージ。多くのオーディエンスを魅了した彼らのバックボーンは? メジャーの流行とは距離を置いた現代のUSロック好きにとって最重要地点がカリフォルニア州サンディエゴだ。強靱なサウンドのバンドを吐き出し続けるその地から登場した最新注目株がスリーピング・ピープルであり、セカンド・アルバム『グローイング』を持って来日公演を果たした。女性ギタリストのJoileah Maddockも含むツイン・ギターの4人組による硬度と密度の高い、変拍子に満ちたサウンドは聴き手をグイグイ巻き込んでいく。そんなライヴ前にギターのKasey Boekholt、Joileah、ドラムスのBrandon Relf、ベースのKenseth Thibideauに話を聞いた。
──そもそも、どういうふうにグループは結成されたのですか?Kenseth「2002年ごろ、僕以外の3人で結成されていて、2003年にサンディエゴに引っ越してきた僕が加わって4人になったんだ」
Joileah「私たちはみんな、友達だったの。レコード屋で働いていた友達を通じて知り合って、Kaseyとスタジオに入ってセッションしたところから始まった感じ」
──スリーピング・ピープルの音を聴いて思い浮かべるのはスリントやトータスといった、いわゆるポスト・ロックと言われる音なんですが、そこらの影響はどうなのですか?Kasey「2001年くらいはスリントやトータスといったインスト・バンドに影響を受けていたよ。中でも今、
バトルズに参加しているメンバーのいるリンクスが好きだった」
──メンバーそれぞれの音楽の原体験を教えてもらえますか。Kasey「最初はラップ(笑)。ロックで最初にエンジョイできたのは
デフ・レパードの<プア・サム・シュガー・オン・ミー>。インディペンデントなバンドで一番最初に気に入ったのはスリントだね。ギターを始めたのは16歳くらいで、ワシントンDCに住んでて冬になるとスケート・ボードが出来なくて、
メタリカのコピーを始めたのが最初」
Brandon「
レッド・ツェッペリンだね。
ジョン・ボーナムに憧れてドラムを始めた」
Joileah「
TOOLと
スマッシング・パンプキンズ……それから
ナイン・インチ・ネイルズ。ママに一生懸命“ライヴに行かせて”ってお願いしても“ダメ”って言われるくらい子供の頃よ。ギターを始めてからはトータス」
Kenseth「最初にギターを始めたときは
アイアン・メイデンやメタリカをコピーしたりしていたね。一番影響を受けたのはやっぱり、メタリカかな」
──最後に、個人的にはサンディエゴのシーンがとても気になるんですが。Kasey「
ピンバックや解散しちゃったけど
ホットスネイクスみたいな90年代からのシーンは間違いなく脈々と続いている。ただベテランが多いから、もっともっと無名の若手が出てきたらおもしろいのにな、と思う。自分たちももっと面白くしたい、と頑張ってるよ。ちょうどバンドも5年になるし、新しいチャプターを迎えたようで、変わっていく手ごたえがあるんだ」
取材・文/大鷹俊一(2007年12月)