『ザ・ビートルズ/1962〜1966』
デビュー・シングル「ラヴ・ミー・ドゥ」から『リボルバー』収録の「イエロー・サブマリン」まで、アイドル時代の名曲・名演全26曲を収録。「抱きしめたい」の大ヒット、そして映画『ア・ハード・デイズ・ナイト』(64年)で世界的人気バンドへと羽ばたいたビートルズは、『ヘルプ!』(65年)収録の「イエスタデイ」での弦楽四重奏をはじめ、直球派から技巧派へと転身。さらに『ラバー・ソウル』(65年)では、ポピュラー音楽にインド楽器をいち早く導入した「ノルウェーの森」などで実験精神を発揮し、『リボルバー』(66年)では、テープの逆回転やSE(効果音)の多用をはじめ、未知の領域へと足を踏み入れていく。
「キャント・バイ・ミー・ラヴ」 (1964年)
収録アルバム『ハード・デイズ・ナイト』(1964年)
ポールのベースが大きくなり、ジョージのエレキ・ギターのカッティングもはっきり。間奏前のポールのシャウトに痺れる。
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」 (1964年)
収録アルバム『ハード・デイズ・ナイト』(1964年)
ポールのヴォーカルとジョンの生ギターとリンゴのクラベスがクリアに。
「アイ・フィール・ファイン」 (1964年)
収録アルバム『パスト・マスターズ』(2010年)
ジョンのエレキ・ギターのリフがはっきりと聴き取れ、ポールのベースもでかい。その分ドラムはやや引っ込んだ印象。
「イエスタデイ」 (1965年)
収録アルバム『ヘルプ!』(1965年)
ポールのヴォーカルが前面に出て、名唱がさらに堪能できる。ポールの生ギターとストリングスのバランスもばっちり。
「ドライヴ・マイ・カー」 (1965年)
収録アルバム『ラバー・ソウル』(1965年)
ポールとジョンのヴォーカルが強く響く。ポールのベースもでかく、ジョンのカウベルとタンバリンもはっきり主張している。
「ガール」 (1965年)
収録アルバム『ラバー・ソウル』(1965年)
ジョンのブレス(息つぎ)もポール&ジョージのハーモニーも生々しい絶品。
「イエロー・サブマリン」 (1966年)
収録アルバム『リボルバー』(1966年)
海の音のサウンドエフェクトの臨場感が増し、間奏のSEもクリアに。
『ザ・ビ−トルズ/1967〜1970』
サイケデリック時代の幕開けを飾る「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」からバンドの終焉を迎えた『レット・イット・ビー』収録の「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」まで、レコーディング・アーティストへと成熟していく過程を収めた全28曲を収録。名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(67年)や『マジカル・ミステリー・ツアー』(67年)で貪欲なまでの実験精神によって幅を広げていったビートルズは、初の2枚組『ザ・ビートルズ』(68年)ではそれぞれの持ち味を“個”として消化。『レット・イット・ビー』(70年)では原点回帰を目指しバンドとしての底力を見せつけ、多種多様な音楽性の集大成となった実質的最終作『アビイ・ロード』(69年)ではシンセサイザーを導入するなど最後まで意欲を見せた。グループから個へと変貌を遂げていく歴史を凝縮した作品。
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」 (1967年)
収録アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』(1967年)
ジョンのメロトロンとリンゴのマラカス、それにチェロとハモンドオルガンがクリアに。
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」 (1967年)
収録アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)
音の分離が良くなり、ポールのベースとチェレスタ風のハモンドオルガン、リンゴのスネアなどがよく聴こえる。
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」 (1967年)
収録アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)
エコーのかかったジョンのヴォーカルの艶っぽさが格段にアップ。
「ヘイ・ジュード」 (1968年)
収録アルバム『パスト・マスターズ』(2010年)
ポールのヴォーカルの表情が豊かになり、膨らみが増した。ポールのベースとリンゴのドラム&タンバリンもきりっとクリアに。
「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」 (1968年)
収録アルバム『ザ・ビートルズ』(1968年)
ポールのピアノの強いアタックがはっきり聴こえる。間奏前のポールの掛け声も力強く響く。
「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィーブス」 (1968年)
収録アルバム『ザ・ビートルズ』(1968年)
これはいいミックス。ジョージのヴォーカルが包み込むような音色になり、ジョージの生ギターとリンゴのパーカッションもかなり鮮明。
「ゲット・バック」 (1969年)
収録アルバム『パスト・マスターズ』(2010年)
ポールの声は生々しさを増し、ジョンのリード・ギターやジョージのリズム・ギター、ビリー・プレストンのエレキ・ピアノなどもさらに力強い。
「ドント・レット・ミー・ダウン」 (1969年)
収録アルバム『パスト・マスターズ』(2010年)
これも素晴らしい。ジョンの歌声がさらに切なくパワフルで、ポールとのハーモニーも生々しい。ライヴ感が前面に出た演奏も抜群。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」 (1969年)
収録アルバム『アビイ・ロード』(1969年)
ジョージの生ギターは一部クリアになるところがある、間奏のジョージのシンセサイザーも明快に。ポールのベースも前面に出ている。
「カム・トゥゲザー」 (1969年)
収録アルバム『アビイ・ロード』(1969年)
ポールのベースが大きい。イントロに入るパーカッション系の音やリンゴのドラムもはっきり聴こえる。
「オクトバス・ガーデン」 (1969年)
収録アルバム『アビイ・ロード』(1969年)
ジョンのエレキ・ギターのアルペジオ、間奏のSEとコーラスなどがクリアになっている。