2023年8月にデビューし、“誰かのヒーローになる”をコンセプトに活動しているアイドル・グループ、ヒロイックニューシネマ。2024年末、メンバーのひとりが卒業し、2025年1月に二宮きあらが加入し、新体制での活動がスタート。 2025年3月25日には、現体制初のフル・アルバム『THE MUSIC#3』をリリース予定で、さらなる飛躍が期待されている。彼女たちのこれまでの歩みや新たな挑戦について、メンバーに詳しく話を聞いた。
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――ヒロイックニューシネマはどんなグループなのか教えてください。
芹香ナノ 「“誰かのヒーローになる”をコンセプトに活動しています。ジャンル的にはロック系ポップというか、楽曲を大事にしているアイドル・グループです」
二宮きあら 「歌詞をメンバーが書いてる曲もあるので、より私たちの思いを込めて歌える楽曲が多いんです。“まだ終わりなんてない!”や“You're My Hero”など、ヒーローというワードが入っていたり、そういう部分がお客さんから共感を得ているのかなと思います」
叶田明日菜 「ライヴは完全生歌で、“ライヴドキュメンタリー”というコンセプトでやらせていただいています。メンバーの振付をお客さんも一緒にやったり、ステージとフロアが一体化するすごい盛り上がるライヴになっています」
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芹香ナノ(せりか ナノ) 担当カラー:青/誕生日:2月12日/X:@nano_herocine
桜子カフ(おうね カフ) 担当カラー:白/誕生日:6月18日/X:@kafu_herocine
叶田明日菜(かなた あすな) 担当カラー:紫/誕生日:3月24日/X: @asuna_herocine
華希リン(はなき リン) 担当カラー:オレンジ/誕生日:10月19日/X:@rin_herocine
二宮きあら(にのみや きあら) 担当カラー:黄色/誕生日:7月12日/X:@kiara_herocine
――では、グループの成り立ちとこれまでの歩みを振り返って聞かせてください。
芹香 「ヒロイックニューシネマは2023年の8月にデビューしました。もともとこの事務所で私と桜子カフちゃんが同じグループで活動していたんですが、活動する上での方向性とか、目指すところが同じ気持ちの人、ブレない人と一緒にやりたいという思いを持って、心機一転、新しいグループを作ろうということになったんです。スタートの時点で“誰かのヒーローになる”というコンセプトもあって、オーディションをして集まったのがこのヒーローたちです」
叶田 「去年の8月に新宿MARZで初のワンマンライヴ“ヒロイックニューワンマン#1”を開催して、お客さんが集まるのかわからない状態だったんですけど、結果的にパンパンすし詰めみたいな感じになったんです。最初のワンマンでそうした経験をできたのは贅沢だったなと思います」
華希リン 「あと、去年の12月に“NEW AGE YAON”というイベントで日比谷野音に出させていただいたことも大きかったです。グループとして一番大きな野外イベントでしたし、楽曲派の方たちがたくさん集まる中に出演できたんです。野音のステージから見た景色があまりにもきれいで、いつか自分たちのワンマンでこの景色をまた見たいという思いにもなりました」
――そして、今年1月から新メンバーの二宮きあらさんが加入して新体制がスタートしたそうですね。
芹香 「昨年末にメンバーがひとり卒業して、年明けすぐの1月3日の主催公演“the heroic new order”からきあらちゃんが加入してくれたんです。そこが、グループの大きなターニングポイントだったと思います。新曲ができたり、MVを撮ったり、デビュー時からずっと同じだった衣装が新衣装になったり、いろんな動きがあったんです」
叶田 「今年に入ってから流れが変わったというか、気持ちの部分でも切り替わった感じがします」
桜子カフ 「もともとメンバーはわりと自分の中で考えるタイプなんですけど、きあらちゃんが入って意見をどんどん言ったりしてくれて、その影響を受けてみんなが外向的になった感じもあります」
二宮 「私はもともとヒロイックニューシネマのライヴにも通っていて、頑張っている姿を見続けていたんです。そうしたところからグループに加入させてもらいました。キャラクターが特徴的だし、お互いの個性を活かしつつ、ヒロイックニューシネマの新章を盛り上げたいという気持ちです。私は最年少ですけど、先輩方の胸を借りて自分も成長したいし、みんなで一緒にもっと高みにいきたいと思っています」
――外側からの視点を持った二宮さんの加入が、グループのいい刺激になったんですね。
芹香 「そうなんです。いろんな意見を言ってくれるから、自分たちはこういう方向性もあるんだなと気付けたり、今までやってきてなかったことに踏み出せたり。アプローチの仕方も以前より考えるようになりました」
――では、みなさんの自己紹介をお願いします。
二宮 「私はすごくしゃべるヤツです(笑)。1日10何時間配信とかやってたんです。しゃべりすぎて自分のことも周りのこともよく考えるし、MBTI討論者という感じです。あと、宮崎出身でめっちゃオフなときや感情が高ぶったときに方言が出るので、ライヴで真剣な場面で方言が出ないか、ちょっとドキドキしています(笑)。それと、あまりステージ経験がなくて、ヒロイックニューシネマがほぼ初めてのアイドルなんです。活動を始めて2ヵ月ちょっとですけど、毎回ライヴで学ぶことが多いです。パフォーマンス面はもちろん、機材トラブルが起きたときにチームで頑張って乗り切ったこともあります。もっともっといろんな経験して、成長した姿を見てほしいなという気持ちです。そういう姿で誰かを元気づけられたり、笑顔にできるヒーローになれたらうれしいです。もともと歌うことが苦手だったんですけど、このグループに入ってからプロデューサーやメンバーに歌や自分の特徴を褒めてもらえたんです。自分以上に自分を見てくれる人たちが近くにいるという環境が人生で初めてで。それで今まで以上に自分が好きになれたし、歌も頑張ろう、周りの人を知りたい、優しくしたいという気持ちが強まりました。この2ヵ月、アイドルとしても人としてもとても成長できたと思います。憧れるアイドルは、元モーニング娘。の田中れいなさん。めちゃくちゃ好きです。流行りとか関係なく自分を貫き通すスタイルがすごくかっこいいです」
華希 「私はこのグループが初めてのアイドルなんですけど、ステージ経験は今年で15年目になるんです。安室奈美恵さんに憧れて、ひとりでステージを作り上げたいと思ったのがきっかけでダンスと歌を始めました。これまでは、ソロで踊ったり、バックダンサーをしたり、ダンス・チームでイベントに出たりしていて、歌はソロでステージに立ったりしたこともありました。ただ、コロナ禍でステージがなくなったときに、“もしかしたらもうステージに立てないのかも?”と思ってしまったんです。もともと桜子とは学校の同級生で、芹香と桜子がいた前のグループのライヴを見に行ったんです。そのときに“やっぱりステージに立ちたい”と思いました。もともとはダンサーやシンガー志望でしたけど、アイドルの世界に足を踏み入れてみたいと思ったんです。ただ、フリフリのアイドルじゃなくて、ロックや楽曲派というスタイルだったから、今もここにいられているというのはあると思います。とにかく、ステージで生きていきたいという思いがあります。あと私は、去年2024年の“アイドルソロクイーンコンテスト”で優勝させていただたんですけど、これからもっとスキルを磨いて、“歌って踊れる歌姫”という立ち位置を確立したいと思っています。もともと一匹狼みたいに生きてきたんですよ(笑)。グループアイドルとなると、メンバーときちんと意思疎通をはからなきゃいけないし、お客さんにも好きになってもらわないといけないですから、今は人間として変わらなきゃと模索しながら頑張っている最中です。早く人間になりたいです(笑)」
芹香 「私はグループのキャプテンです。アイドル7年目なんですけど、この活動を通して、"自分はやりたいことならちゃんとできるんだ"ということや“結構根性あるじゃん”ということに気付けたんです。あと“いろんな人と接することは面白いんだ”と思えるようになりました。人って同じ人がいないからとても面白いし、それによって自分の心が広がりました。あと“自分はどういう人なんだろう?”と思っていたんですけど、それがちょっとずつわかるようになってきました。現時点だと“根性があるB型”です!」
一同 「あはははは(笑)」
芹香 「歌やダンスを習ってきたわけじゃなかったんですが、パフォーマンス面でいうと、さすがにアイドルを始めた当初より、断然にうまくなったと思っています(笑)。でも、まだまだ頑張らなきゃというところはたくさんあります。あと私は小柄で小超動物的な感じなんですけど、そういう見た目で、“がむしゃらにやって勝つ!”という気持ちを持って活動してるのは自分の武器かなと思っています。憧れはBiSHさん。アイドルにあまり興味がなかったんですけど、BiSHさんを見てアイドルをやりたいと思いました。とくにアユニ・Dちゃんが好きで、あと(セントチヒロ・)チッチちゃんの強い感じも好きです」
桜子 「私はグループの中で振付を一番多くやっていて、ダンスも一番歴が長いんです。ダンスは小1からずっとやっています。一番好きなのはジャズ・ダンス。あと、茶道部で部長だったんですけど、そのときに所作も習っていたので、しなやかな動きが魅力的に感じてもらえたらいいなと思っています。憧れのアイドルは私もBiSHさん。それまで見ていたアイドルさんと全然違って衝撃的でした。あとK-POPも好きで、解散しちゃったWeki Mekiのドヨンちゃんがめちゃくちゃ好きでした。オーディション番組もよく見ています。ステージに立つまでの経緯が大変じゃないですか。私はのんびり過ごしちゃうタイプなので、そういうのを見て“もっと頑張らなきゃ!”“やるぞ!”という気持ちになります。ダンスをやっていたとき、ひとりで黙々と基礎練するタイプだったんですけど、アイドルになって今まで出会えなかった人たちと出会えて、いろんな意見や考え方を聞いて視野が広がりました。グループみんなで頑張ろうと思うようになったし、逆に自分がダンスで経験してきたことや見せ方を提案したりしています。自分の役割が見つかった感じがします」
叶田 「私はすごいせっかちで、自分にも人にも厳しいタイプだと思っています。ストレートに物事を言っちゃう、裏表をない人間なんです。苦手な人はほんとに苦手だろうなと思っています。そのくせ、打たれ弱くてという弱い犬なんです。自分の中の"こうだ!"というものが強すぎるんですよね。小さい頃ははみ出し者でしたが、その歴史があるから鎧がトゲトゲになっちゃったのかもしれないです。あと、小さい頃から演技をやったりしていて、じつは芸歴が長いんです。表現することが好きで。でも舞台をやっていてパニック障害になっちゃって、違うチャレンジみたいな形でアイドル活動を始めました。仲のいい戦友みたいな子に“ステージに立つべきだよ”と言ってもらえることが多いので、需要のある限り立ち続けたいという気持ちです。憧れの存在は大森靖子さん。ゴリゴリに大好きです。“私のこの気持ちを言葉にしてくれた!”みたいな瞬間がたくさんあります。“大森靖子は神様だ”と言う人がいますけど、私もとってもそうですし、自分もそういう存在なりたいなと思っています」
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――まさに、いろんな個性を持ったメンバーが集まったグループという感じがしますね。そして、ヒロイックニューシネマは、3月25日に新作『THE MUSIC#3』(ザ・ミュージック・シャープスリー)をリリースします。
芹香 「今回の『THE MUSIC#3』は初の全国流通盤で、TypeAがミニ・アルバム、TypeBがフル・アルバムという形態で発売されます。年明けに発表した〈ラブスプレッズ〉と〈Kiss me goodbye〉という曲を筆頭に、今のこの5人の声がしっかり聴ける作品になっています。フル・アルバムを買ってたっぷり聴いていただくのもいいし、ミニ・アルバムは選りすぐりの楽曲が入っています。どちらもヒロイックニューシネマの入り口のような作品です」
――ではフル・アルバムからそれぞれのおすすめ曲を教えてください。
叶田 「私は自分が作詞した〈Kiss me goodbye〉です。ジャズというか、スイングの曲なんですけど、自分はもともとミュージカルが好きで、歌詞はいろんなミュージカルからもじったりして書いているんです。とくに『ウィキッド』というミュージカルが好きで、曲のタイトルだったり、セリフパートにも引用しています。そうやって書いた世界観をメンバーが歌うことによって、ヒロイックニューシネマが見せるミュージカルみたいな表現になっていると思います。振付は桜子カフちゃんがやってくれているので、ぜひステージを見てほしいです」
華希 「私は〈核〉が好きです。ザ・かっこいいの塊みたいな曲なんです。ライヴのとき、ステージとフロアの本気と本気のぶつかり合いみたいな瞬間が好きなんですけど、全力で頭振ったり、汗かいてなんぼというのを一番ライヴでできるのが〈核〉だと思っています。音源を聴いて、ぜひライヴで思いきり盛り上がりましょう!」
桜子 「私が歌詞を書いた〈エンドロール〉は、ヒロイックニューシネマの中で一番明るさを感じる曲です。歌詞も未来のことを書いていて、幅広い人たちに気に入ってもらえる曲になっていると思います。イヤホンで聴いたときに、歌詞のイメージや音の空気感、明るさを感じてもらえたらうれしいです」
芹香 「私は、自分が作詞した〈嗚呼無常〉をおすすめします。ソロで歌うパートが少なくて、3人とか2人とかメンバーの声の重なりが多い曲なんです。華希リンちゃんが振付をしてくれて、みんなが同じ振りをしてくれたり、ライヴは盛り上がります。歌詞はちょっと強気な感じで、自分の感情や言いたいことを練り込みました。CDで聴くと、歌詞にもフォーカスして聴いてもらえるんじゃないかなと思っています」
二宮 「私は〈ラブスプレッズ〉です。今回の『THE MUSIC#3』のリード曲で、もっともっと愛される曲になっていくんだろうなという期待がある1曲だと思っています。個人的な話ですけど、この『THE MUSIC#3』は〈ラブスプレッズ〉の“君に出会い雨はやがて声を失くした”というワードから始まるんです。コロナ禍からずっと配信をやっていて、生で人と交流する機会があまりありませんでした。だけど、私と同じぐらいアイドルに真剣に向き合っているメンバーと出会えたことで、自分の嫌だった部分も好きになれたり、知らなかった自分のことも知れたり、変化があったんです。だから、冒頭の歌詞に共感できるし、私がアイドルをやっていきたいという気持ちにも重なるんです。あと〈ラブスプレッズ〉は、“愛を広げていく”という意味なんですよ。私たちの『THE MUSIC#3』が誰かに届いてその人の雨を止ませて、その人がまた誰かに私たちの歌を伝えていくみたいに、音楽で愛を広げていきたいという思いがこもった1曲になっています。サビは手でハートを書いてみんなに投げるような振付になっているので、ライヴではそこにも注目してほしいです」
――では、3月28日に下北沢シャングリラで行なわれるワンマンライヴ“ヒロイックニューワンマン#2”への意気込みをお願いします。
二宮 「セカンドワンマンライヴは、私にとっては初めてのワンマンになるんですけど、このライヴで、音楽で世界をひっくり返したいなと本気で思っているんです。トリッキーで個性があって、それをみんなにぶつけて“オレたちは生半可な気持ちじゃなく、マジでお前の世界観を変えに来たぜ!”というのを証明する場にしたいと思っています。やっぱりヒーローになる、誰かを救うということは難しいことだと思うんです。でも、私たちはそれをやり切りたい。この一夜にすべてをぶつけて、私たち自身も、自分たちの殻を破って成長するターニングポイントにしたいです。“ここからさらに飛ぶよ!”という決意を込めた一夜にしたい。気合いみなぎっています!」
――気合いたっぷりなヒロイックニューシネマですが、最後にこの先への熱い思いを聞かせてください。
芹香 「ヒロイックニューシネマはデビューしてから止まらずに変わり続けています。下北沢シャングリラを越えた先に、さらに自分たちの目標が見えてくると思うので、それを私たちとみなさんで同じ目線で進んでいきたいです。誠意を持って、強い意識でこれからも前進していくので、みなさんこれからもヒロイックニューシネマをお見逃しなく!」
取材・文/土屋恵介 撮影/持田 薫
■ "ヒロイックニューワンマン#2" 2025年3月28日(金)東京・下北沢シャングリラ