――最近のライヴでは、あえてマイクを使わずに「FLOWERS IN THE WINDOW」(3rdアルバム『インヴィジブル・バンド』収録曲)を歌うのが恒例となってますよね。あれ、ホントにいい演出だなと思って。
ダギー 「ありがとう。あれをはじめたのには大きなきっかけがひとつあってね。じつを言うと、僕らはあの曲をしっくりくる形でレコーディングできなかったんだ。というのは、もともと〈FLOWERS IN THE WINDOW〉はピアノとアコギ、あとはタンバリンとバック・コーラスだけでつくった曲でね。いま思えばその編成で録ったデモがいちばんよかったんだけど、スタジオ内でプロデューサーを交えながらいろいろ試していたら、結果的にそれとはちがうアレンジで収録することになってさ。だから、あれは自分たちがあの当時に思い描いていた演奏を、今またライヴで再現しているような感じなんだよね」
ダギー 「正解(笑)。とくに〈Paralysed〉〈Animals〉〈Everything At Once〉〈3 Miles High〉あたりはそんな感じだね。つまり、“人と人がうまく繋がりきれていない”ってこと。というのも、今って誰もが、インスタグラムとかFacebook、Twitterなんかで“理想の自分”をプレゼンしあってるような感じでしょ? そういう“理想の自分”が、今の世の中にはたくさん漂っている。でも、そのSNS上でみんながプレゼンしてるものって、その人本来の生活とは、またちょっと違うものでもあるわけだよね?つまり、実際のその人にはもっと動物的な欲求なり、本能があって、それこそが人間本当の姿なんじゃないかなと僕らは思ってる。で、今回のアルバムではそういうことを歌ってるんだよね」