アップアップガールズ(仮)
〈中野サンプラザ 超決戦〉翌日インタビュー
――中野サンプラザ超決戦を終えて、全体の感想を聞かせてください。
仙石みなみ(以下、仙石) 「中野サンプラザに着いて、外からビルを見た瞬間から気持ちが高まって、中に入ってからもヤバかったです。楽屋も、今までは先輩たちを端の方から見てたけど、昨日はドカンと全部使えて。あと、舞台のセットも客席も私たちだけのものだって初めて実感できたんです。客席も全部7人締めできたのは、今までで一番のビッグなことだし。ほんと全部が贅沢だったなって」
新井愛瞳(以下、新井) 「とにかく楽しかったです。客席の後ろの方にもアプガの熱をお届けできたし、白いサイリウムも綺麗でした」
関根 梓(以下、関根) 「初めてのホールでのワンマンで、ファンのみんなとの間ができちゃうのかなって最初は思ってたんです。でもそんなことはまったく感じないでやれましたね」
佐藤綾乃(以下、佐藤) 「中野をライヴハウスにできたかなって思いました。でも、昨日サンプラザに立ってたって実感がまだないんです。なんか、シンデレラな気分です(笑)。魔法にかかったみたいな」
――いや〜現実ですよ。では、個人的に印象に残ってることは?
関根 「一番楽しいと思えた瞬間の曲が〈全力!Pump up!! 〉です。これぞ関根が目指してた中野サンプラザのファンのみんなの景色だったんです。私たちに合わせて、すべての人が音楽に身を委ねて体を揺らしてくれてて、ほんとに嬉しかったですね。自分の歌に関しては、音程とか細かいところに気を使うのも大事だけど、歌詞にある意味、気持ちを重視して伝えたんです。こっちの方が楽しいって思えましたね。みんなにこうしてほしいって気持ちで、自分も全力でぶつかることができました」
佐藤 「本番は、今の私を見てほしかったのでそんなに気負いせずにできました。前日まで声が出なかったですけど、気力ですね。完全じゃないけど叫べたし。ほんと、前日の〈@JAM〉で煽りができなかったのが悔しくて。そこで、煽りをやってこその佐藤だって改めて思えたんです。中野サンプラザでは自分の持ってる全部の思いを伝えられるような煽りができたかなって。あと最後の〈サマービーム!〉で、みんなが客席に行ってるから、私がステージを独り占めできたんです(笑)」
――さりげなくお得なことがあったんですね。
佐藤 「お得なプランがあったんです(笑)。それも煽りをやってたからできたことだし。これからもっと大きな場所でライヴをやることになっても、みんなともっと魂の会話をしたいと思いました。歌は、昔よりちょっとは音も取れるようになって来たし、表現も上手くなってきてると思うので、課題はたくさん見つかったけど、自分を褒めてあげられるところも増えてきたなって思えました」
新井 「私は体力が持つかが一番不安でしたね。本番はテンションも上がるし超遠くまで走るので。案の定、最初から飛ばしすぎて、前半戦の衣装が重くて汗も止まらないし、〈UPPER ROCK〉で体力の限界を感じて。でも上の衣装が脱げてそこで取り戻せた感じがあって、メドレーで残ってた体力を全部使い果たした感じです。とにかくメドレーではお客さんの近くにいるんだよって見せたくて暴れてやろうと思ってました。で、後半戦は衣装の着替えでちょっと体力が戻ったんです。〈リスペクトーキョー〉も、“サンプラなう!”を言えたので。セトリが発表されたときから、みんなで“サンプラなう!”でしょって言ってたので、喜びをピースに込めました。あと、〈アップアップタイフーン〉のときはタオルを持ったあとの記憶がないんですよ(笑)。でも、お立ち台をいっぱい使えたのですごく楽しかったです」
古川小夏(以下、古川) 「〈(仮)は返すぜ☆be your soul〉で、スクリーンが下りた瞬間が最高に気持ち良かったです。私たちのために集まってくださったみなさんとサイリウムが見えたときに、ほんとに泣きそうになって。1曲目がこの曲で良かった。強気な曲で泣きたくないって、一生懸命泣かないようにしたんです。ここで気合い入れて、良いつかみをできたからこそ、全体的に勢いよくライヴができたのかなと思うし。あと、客席には私が一番最初に走り出す人だったんですけど、お客さんの合間を全速力で走りました(笑)。ホールでお客さんが喜んでる顔を近くで見れるのが嬉しくて。手を振ったり、一緒にやってほしい気持ちを近く伝えられたのも良かったです。体はバテバテだったけど、でもテンション上がってるからできちゃうんですよね。それがライヴの楽しいところだなって思いっきり感じました」
仙石 「私、前日も泣いちゃって、当日も朝、メイクが終わって写真撮影するときに泣いちゃって、本番が始まる前もオープニング映像を見て泣いちゃって、出る瞬間も泣いちゃったんです(笑)。でも、本番始まってからは全然泣かないでできました。やっぱり中野を満喫したいし、泣いてるのがもったいなくて。視界がにじんじゃうし、泣いちゃうと一気に頭の中が真っ白になっちゃうので。意識をはっきりさせて笑顔で、しっかり客席も見れました。本番も中野にいる充実感を味わいながらも、ホールだけどライヴハウスのように夢中で暴れられたなって。一番高まったのは、〈(仮)は返すぜ☆be your soul〉で、メッチャカッコいい登場ができたことです。お客さんが一気に見えたとき、“キタ!”って感じで高まって。あとはメドレーが楽しかったです。〈マーブルヒーロー〉で、私はステージの真ん中に残る人で、みんなが客席に広がっていくのを見たときに、“アプガらしい!”って思いました。そのあと、お客さんの中に直接煽りに行けたのもすごく楽しかったです」
森 咲樹(以下、森) 「ほんとにあっという間で、気づいたらもう終盤の〈アッパーカット!〉でした(笑)。個人的には、中野サンプラザで替え歌を歌ったのがすごく印象に残ってて。中野サンプラザはさすがにギャグとか入れない方が良いかなと思ったんですけど、ツアーの集大成だし、せっかくだからってやったら、すべりもせず受けもせず、メチャ不思議な空気になって。衝撃すぎてやっちゃった〜って」
――普通過ぎて逆に衝撃でした(笑)。
森 「いろんな人に言われました。“面白い面白くない以前に普通だった”って」
新井 「ウチの親が、“森ちゃんはさすがだね”って言ってた(笑)」
森 「もう、いろんな人に褒めてもらいました」
6人 「誰も褒めてない!!!(笑)」
森 「え、そうなの!? でも新しいことにチャレンジしていけたツアーだったので。中野で替え歌もできて勉強だったかなって。パフォーマンスは声もガラガラで足もダメだったけど、できる限りがんばりました。でもホールでの声の響きが全然違って、いや〜、メチャクチャ気持ち良いです。やっぱすごい楽しいなって思いました。これからもっとホールとか大きなところで歌って踊っていきたいなって思いました。あと、白いサイリウムは感動的でした。ちょっと期待して、ソワソワドキドキしてましたけど」
古川 「ウチ、考えてもなかった」
仙石 「うん、横ブリまでだと思った」
森 「ほんと? 横ブリで見た光景とはまた全然違って、今でも目に焼き付いてますね。ほんとに、アプガのためだけにこんなにたくさんの人が来てくれたんだって実感しました」
佐保明梨(以下、佐保) 「私、円陣のときに泣きました。いつも先輩たちが円陣組んでたところで、私たちだけで円陣組んでると思ったら、ワーって涙が出ちゃったんです。あと、バット2本折りが成功して超嬉しかったです。実は、前日までスランプがやって来たんです。1本しか折れなくて。久々だったからかな。でも、折ったときはすごい快感でした。蹴った瞬間分かんなかったんです。折れたか、ただ飛んでったのか。恐る恐る確認したら、折れてて。足立先生もすごい驚いてたんです。達成感はすごくありました。すごいクールにステージからハケましたけど、ハケてからずっと飛び回ってました(笑)。でも全部が印象に残ってます。〈(仮)は返すぜ☆be your soul〉は、最初、幕があって私たちの方からは、サイリウムだけが見えてる状態なんです。綺麗って思ったところからバンって落ちてたくさんのお客さんの顔が見えて、その瞬間にさーって鳥肌が立ちました。あと、〈ジャンパー!〉でも2000人の人が一斉に飛んでるのに感動したし、〈アップアップタイフーン〉のタオルの数がすごすぎてキャーってなったし、〈Party!Party!〉のキンブレの色も、規模が違いすぎて全部が感動でした。言葉で表すと“ウワ〜〜ッ!”って感じです(笑)。あとは、客席に降りたのも超楽しかったし」
――ヴィジョンで佐保さんの良い顔が映ってましたね。
佐藤 「ヤバかったです。J:COMさんの録画を見たんですけど、明梨の顔が映ってて、たぶんご飯食べてたら吹いてると思います(笑)」
古川 「あれ、ファンの人からしたら嬉しいよね」
佐藤 「超嬉しい、嬉しかったもん」
古川 「ファンか」
佐藤 「ファンです。完全に持ってかれます。ホレました(笑)」
佐保 「(笑)。今までも何回かステージ降りたことありますけど、全然広さが違うので、これでもかってくらい客席を走り回りました。アンコールで2階まで行けて」
――「サマービーム!」で、仙石さんと佐保さんが2階に行きましたが、どうでした?
佐保 「階段がキツいんです。早く登らなきゃいけないし、一段飛ばしで走って。でも、扉を開けた瞬間、お客さんがすごい喜んでくれて。ステージで歌ってるときも2階まで届けようと思って、上を意識して歌ってたんです。で、2階の人の近くまで行って、“ラララ〜”のところで、ずっと“ありがとう”って言って回ったんです。ちゃんと後ろの人にまで気持ちを伝えられて良かったなって思いました」
仙石 「私も階段ダッシュが超キツかった。最後の曲だったので、いつもよりも足が上がらないのに、超ダッシュしないと間に合わないので必至でした。でもたぶん、明梨も逆側でがんばってるんだなって思ったらがんばれたし」
古川 「青春じゃん(笑)」
仙石 「2人が飛び出してった瞬間、すごいビックリされて。その顔が忘れられなくて。でも、前方の人が最初気づいてくれなくて、“え?”って振り向かれて」
古川 「ステージから見てたら超面白かったです。みんな一斉に振り返って」
仙石 「で、明梨と、通路で交差する瞬間にガッと抱き合って、それが楽しくて。ステージから戻るときも、早く行かないと会場にいない人になるから、ガンダッシュしてコケそうになりながら戻りました(笑)」
――(笑)。客席でのエピソードは、みなさんありますか。
佐藤 「あります。私、通路行った瞬間言われたひと言で忘れられないのありますもん。“汗ヤバ!”って。“え?”と思って(笑)」
古川 「ウチ、名前呼ばれただけだったよ、“小夏”って」
森 「私、“森ティ”だったかな」
新井 「ウチ、“意外と小さい”って言われたから(笑)。意外とって(笑)」
仙石 「“意外と”ならいいじゃん、ウチ“小さい、小さい”ってメチャ言われた(笑)」
関根 「私は“あずにゃ〜ん、こっち見てー”って」
佐藤 「いいなぁ。ウチ、かわいい感じ、一切なかったです」
佐保 「私は、2階行ったとき、ずっと“ワーッ!”って言われてました。1階で暴れてるときは、お客さん呆然としてました(笑)。お客さんのサイリウムを取って振ったんですよ。返すとき、“ありがとうございます”って言ったけど、その人ポカンとしてました(笑)」
――破壊されると思ったのかも(笑)。では、中野サンプラザでライヴをやってどんなことが見えましたか。
古川 「欲が出ましたね」
新井 「もっともっと大きいステージに立ちたいって」
関根 「もっと広い景色を見たいと思っちゃいますね」
佐藤 「横ブリに立てたときは、次は中野って言えたけど、ほんとに中野に立っちゃったらその先のハードルも上がって、正直怖いっていうのはあります」
新井 「みんなの思いがある中野サンプラザだったし、いろんな理由があって、だからこそ埋まったかもしれないし。もし、まったく初めての場所とか、武道館とかやったらどうなんだろう?って」
佐藤 「でも私、思い入れがあるステージが中野までなので、この先は自由だなって。中野までは自分たちの過去とか振り返ってやって来たけど、これからは未来しかないので。中野に立って、やっと振り返らないで、ズンズン前に行けるところに来たのかなって」
仙石 「単独ライヴとか大きいライヴをやってきたけど、今までと違うなっていうのは実感しました。これからは自分たちでどんどんいろんなのを作っていかなきゃいけないし。って意味ではここからが勝負だし。自分たちからいろんな人を引きつけられる、物語、思いを発信していかなきゃと思います」
佐保 「リアルには見えてはないけど、武道館でやりたいって気持ちはすごく大きくなりました。絶対やるぞって気持ちになったんですけど、でもそれは簡単なことじゃないっていうのも分かった中野でしたね」
森 「私は、中野サンプラザを1回で終わらせたくないと思いました。もし2回目ができるなら、絶対ソールドアウトにしなきゃいけないし。次がほんとに大切だろうなと思いました。あとは、武道館でやりたいですね。ハロー!の先輩や
でんぱ組.incさんの武道館を観に行ったけど、アプガもやらなきゃって思ったんですよ。でんぱ組さんのとき、うらやましいし悔しい部分もあったけど、それよりも自分たちでやりたいって思いが強くなりました」
――リアルに見えてきました?
森 「全然見えないです(笑)。でも中野に立ちたいって宣言して1年で来れたので。あと1年か、1年半か、2年未満で行きたいです」
古川 「1年だよ」
新井 「1年半は長い」
森 「じゃあ、1年で武道館に立ちます!」
――期待してます。そして、3つサプライズ発表がありましたが、それぞれについての今の気持ちを聞かせてください。まず、9月の『対バンROCKS(仮)〜東京決戦 3DAYS〜』。
新井 「ロックバンドさんとの対バンはメチャ嬉しいです。今までも、
赤い公園さん、
JOYZさん、
Domino88さんと対バンやコラボをさせてもらったんですけど、すごく楽しくて。アイドルの現場では味わえないものを味わえた瞬間なので、それが3日間連続で味わえるのがうれしいし、それにバンドさんに負けたくないです」
佐藤 「夏になったらアイドルフェスには出たりするけど、バンドさんっていう違うジャンルの方々との対バンから、得られるものがたくさんあるのでチャンスだなって思います」
――では、ハードなノンストップライヴを行なう、11月末からの東名阪ツアー『ライブハウスツアー2014 ハイスパートキングダム』。
関根 「普通、年末のライヴってみんなハッピーな感じですよね」
仙石 「それがアプガは地獄っていう(笑)。しかも“最も危険な”ってキーワードが画面に出てた時点でヤバいなって。史上最大と言われてた去年の川崎ですけど、それよりもヤバいんですよね」
古川 「でも、川崎も、やる前は不安しかなかったけど、やったら楽しかったじゃん? 今は自分たちの誇り、自信になってるので。あそこまで他の人が挑戦したくないって思うものもないし(笑)。そういう誰も挑戦しないことに挑戦できるチャンスをもらえて、しかもそれをちゃんとやり切れて、ひとつのアプガの伝説になってるんだから。また壮絶なノンストップライヴが戦えるのはうれしいし、これから先のアプガのことを考えると成功させたいです」
佐保 「まず、大阪、名古屋の会場の規模が大きくなったのがすごくうれしいです。埋めるのはこれからがんばらなきゃいけないんですけどね。何より私は、ノンストップライヴが大好きなので、それを3回できるんですよ。確かに、ノンストップライヴは苦しいですけど、一番アプガらしさが伝わる、私たちらしいライヴなので、それをツアーとしてできるのが嬉しいです」
――そして、『アップアップガールズ(仮)富士山頂頂上決戦(仮)』は?(笑)
仙石 「私、富士山って登ったことなくて、ずっと登りたいって言ってたんですよ。たぶん頂上まで行くのもキツいじゃないですか。それを乗り越えて、“てっぺんとったどー”って快感がある中でライヴができると思うんです。こんなことやるアイドルグループって他にいないし奇抜さもあるし、自分たちの新しい挑戦になると思うんです。みんなで全員で登り切って……富士山って3000m?」
新井 「3776m!」
仙石 「それです(笑)。どんな感じになるか全然分からないですけど、ライヴ自体が楽しみです」
佐保 「私、富士山登ったことあるんです。小学校のときに、おじいちゃんとおばあちゃんとお姉ちゃんと。思い出としては苦しかったよりも、寒かったんです。夏なのに吹雪いてたんです。私、山をナメてて、すごい薄着で行ったら、途中で8合目くらいの警備の人に、“その格好じゃ絶対無理だからやめた方がいい”って言われたんですけど、でも大丈夫って、震えながら登ったんです。夕方から登って頂上で日の出を見る予定だったんですけど、時間かかっちゃって。登りの途中で日の出を見て、頂上まで行って下りたんです。結構帰りがツラくて。なんにも目的がないし、ずっと同じ景色でグルグル回って、気が遠くなってすごい大変でした。でも、頂上のどこでライヴやるんだろう? そんなに広くなかったし。全然想像つかないです」
森 「私は、静岡県民として、凱旋な勢いですね。発表のときに、やっと静岡県でライヴができるときが来たって思ったので。富士山頂上って、マジで変わったところでやりますけど、やったーって(笑)。がんばろうと思ってます!」