2010年最大のセンセーションとも言えるブームを巻き起こしているのが、ご存知
KARAや
少女時代ら韓国発の女性アイドル・グループたち。韓国発のアイドルといえば、もともと男性グループの東方神起が火付け役でしたが、そんな
東方神起に続けとばかりに、男性グループからも確かな実力を備えたグループが次々に日本の音楽界に進出しています。ここでは、そんないわば韓国男性アイドルの“新世代”をいち早くチェック。その魅力と楽しみ方を分析します。
文/尹 秀姫
2PM
KARAに続いて少女時代までもが来日し、日本の音楽シーンにますますなじんできたK-POP勢。その勢いはとどまるところを知らず、いよいよ待望のボーイズ・グループ新世代も台頭してきました。
女性支持率ナンバーワンの呼び声高い“野獣アイドル”
2PM(ツーピーエム)が11月24日にDVD
『Hottest〜2PM 1st MUSIC VIDEO COLLECTION&The History〜』のリリースをもって日本デビューするのをはじめ、韓国の元祖アイドル
H.O.T.のトニー・アンがプロデュースを手がけたことでも話題になった
SM☆SH(スマッシュ)も10月にシングル
「Lunatic」でメジャー・デビューを飾ったほか、すでに日本デビューが確定しているアーティスト以外にも、さまざまなボーイズ・グループが日本進出を虎視眈々と狙っています。
SM☆SH
かねてからK-POP好きを公言してきた人たちのほとんどは、すでにボーイズ・グループにも注目済み。いやむしろ、女性ファンに限れば、ボーイズ・グループへの興味がKARAや少女時代に飛び火したという人のほうが多いのかもしれません。
彼女たちのハートを鷲掴みにするK-POPボーイズの魅力とはなんなのでしょう?
ステージは魅せてナンボ
鍛え抜かれた肉体美が光るSHINee
いみじくも
レディー・ガガが「音楽は今や聴くものではなく、観るもの」と語ったように、昨今のK-POPはボーイズに限らず、全般的にまずステージ・パフォーマンスありきの音楽として成り立っています。パワフルなフォーメーションを見せるのが得意な2PMや、キレのある個々人のダンスが魅力的な
SHINeeなど、グループごとに魅せ方を心得ており、自分たちの魅力を最大限に活かす曲と振り付けを追求しています。それゆえ、楽曲からダンス、衣装、髪型、そしてメイクに至るまで、すべてのコンセプトがリリース前に事細かに決められるというのもK-POPの特徴です。
さらに、これはかつての韓流ブームで人気になった俳優たちにも言えることですが、韓国男児の“モテ”の最大要素はなんといっても“肉体美(モムチャン)”。鍛え抜かれた肉体を見せることもアイドルの立派な務めです。それゆえK-POPのダンスにはタンクトップを破いて見事に割れた腹筋を見せる、というフリがよくありますが、日本の草食系男子にはない逞しさ、ワイルドさが、今の日本の女性ファンにはかえって新鮮に映るのかもしれません。
歌もダンスも実力本位
理想は“万能エンターテイナー”BEAST
さて、楽曲はどうかというと、かつてのヒップホップ偏重時代に比べ、バリエーションが広がってきました。現在のメインストリームはダンス・ミュージックがメインのエレクトロニクス系。そこに、
BIGBANGだったらヒップホップ、2PMと2AMはR&B寄り、
BEASTや
U-KISSはゴリゴリのダンス系と、グループの特色が加わります。
ダンス主体のグループが多いとはいえ、歌もけっして手を抜いているわけではなく、むしろたまに聴かせるバラードが当たり曲、ということも少なくありません。前回のK-POPガールズ特集でも書かれていたように、K-POPアーティストの特徴は下積みありきの実力主義。メンバーによってはどちらかというと歌がうまい、ダンスのほうが得意というのはありますが、全員がある一定以上のレベルはクリアしています。それゆえ、彼らは“アイドルであること”にある種の誇りを持っています。歌って踊れて、カッコよくて面白い=万能エンターテイナーというのが、韓国における理想のアイドル像なのです。
というわけで、K-POPボーイズをとことん楽しむには、曲を聴くのはもちろんのこと、彼らのステージやミュージック・ビデオもぜひご覧いただきたい。ほとんどのグループがYouTubeのオフィシャル・アカウントから公式にMVを公開していることもあり、今や世界中どこにいても最新K-POPをチェックすることができます。このことも、今やワールドワイドに広がったK-POP人気の要因になっているように思います。
そして、ボーイズ・グループが続々と日本にやってくる今だからこそ、ぜひとも彼らの生のステージを体験してみてほしいのです。ステージで魅せることにひたむきな彼らの姿勢には、じーんと胸を打たれることもしばしば。思わず見守りたい! と思わせる熱が、そこにはきっとあるはずです。
[選盤]
韓国男性アイドル・グループ:いま聴くべき10枚選・文/尹 秀姫
RZCD-46678/B/DVD付
韓国が誇るスーパーグループ、Super Juniorの最新作。前作の「SORRY, SORRY」に引き続き、一度聴いたら病みつきになる楽曲と特徴のあるダンスが見もの。
RZCD-46638/B/DVD付
少年っぽさが魅力の彼らも、今作からは大人の男に大変身。堕天使ルシファーの名の通り、ハマったら抜け出せない魅力を発散している。ダンサブルな楽曲にハーモニーが映える。
Loen Entertainment・L100004171/輸入盤
10月に韓国でリリースされたばかりの新作。タイトル曲「I'll Be Back」は珍しくアップ・テンポな曲で、激しいステップのダンスとは裏腹の切ない歌詞がイイ。
Loen Entertainment・L100004177/写真集付/輸入盤
デビューから2年がたった彼らにとって待望の正式1集(1stアルバム)。ダンス曲主体のK-POP界では貴重な、歌に特化した彼らの真髄が込められた一枚。
Universal Music・DK0606/輸入盤
メンバーのほとんどが再デビューという苦労人で知られるBEASTは、それだけに安定感抜群。前作「Shock」や「Special」でウケた激しいビートとキレのいいダンスは健在! 2011年2月に日本デビューも決定。
FNC Music・KTMCD0089/輸入盤
日本でメジャー・デビューを果たした彼らは、韓国でも大活躍。今年の夏には韓国でこのミニ・アルバムをリリース。日本での彼らとはまた雰囲気の違った楽曲を堪能できるアルバム。
Maru Entertainment・CMCC9590
12月には横浜アリーナでのコンサートを控える超新星だが、今年の夏には3年ぶりに韓国でカムバック。タイトル曲「懐かしい日々に」は彼らの持ち味である華やかなダンスが見られる。
Sony Music・S90282C
マルチリンガルなメンバーが多い国際派な7人組。これまでの曲調を踏襲した男らしさ満点のタイトル曲「うるさい(シクロ)!」など、サウンドにも力強さが増してきた。
HMCX-1100
初来日イベントで感激のあまり涙してしまったリーダーなど、男らしさが目立つK-POPグループのなかではキュートな魅力を持つZE:A。収録曲「Bad-Talk-Sad(原題:イビョルドリップ)」は大御所パク・クンテ作曲。
FLCF-4355/DVD付
日本では超新星の後輩にあたる5人組で、10月にメジャー・デビューしたばかり。「Lunatic」はやわらかな彼らの歌声を活かしたちょっと懐かしいダンス・チューン。