そわそわ落ち着かない年始には、粛々とこれまでを振り返っておきましょうということで、恒例企画「CDジャーナルWebスタッフが選ぶ“2011年 私のBest5”」をお届け。勝手気ままにオールジャンルなセレクションをお楽しみください。
なんつーかもうSTRIFEがカッコ良かった2011年でした。(1)同じ場所にいながらMIX CDで会話する大人の作法。無性にお洒落したくなる、色気ある心地良さがビンビンにきています。やっぱりジャケットも完璧ですね。(2)ひたすらにインテンス・ハードコア。作品を発表することの重みを知っている人たちは格が違う。(3)海で聴きました。イケてる。(4)タイトルだけで“買い”な、ホントの意味でのキラー・チューンが収録された7inch。凄い。(5)色々とビッグ・イベントを見逃しながら、お土産話で乗り切った自分を反省しつつ聴くんです。「ideal for living」のアートワークも渋すぎる。ERAは言わずもがな。(星)
本誌1月号「編集部員のマイベスト5」と一部入れ替えて発表します。心を鎮めてくれるような音楽とサイケな高揚感のある音楽を特に求めて聴いた2011年。やはりボン・イヴェールはずば抜けて素晴らしかったです。今、初来日公演が猛烈に待たれている一人じゃないでしょうか。ジャズではイスラエル出身のベーシスト兼ヴォーカリストのアヴィシャイ。抜群の歌心とエキゾ感のチラリズムがたまりません。そしてビョーク新作でのマルチメディア・プロジェクトの発想、動向が今後どんな波を起こすのか注目していきたいです。ラストはCakeの久々の大ヒットとなった自主レーベル第1弾作。フジロックでのハッピーなパフォーマンスも忘れられないものになりました。(木)
昨年はたくさん演奏会に通いましたが、なかでも北九州で聴いたアルゲリッチのシューマン、熱狂のエンリコ・オノフリ祭り、フジロックのYMOが思い出深いものになりました。今年もキースの来日公演が楽しみですね。CDではグルジア出身の美女お二人のジャケが素晴らしかったです(もちろん内容も!)。映画ではダントツで『シルビアのいる街で』がベスト。街中で男がひたすら女を追いかけるストーカー物語ですが、生きとし生ける女性すべてが美しく見えてきます。年末にTVを新調して、Blu-rayの素晴らしさに開眼しました。好きな映画を片っ端からBlu-rayで観直すべく、より多くのソフトのBlu-ray化を熱望します!(原)
2011年に発売されたCDのなかから、ここひと月でよく聴いたものを、聴いた回数の多い順に並べてみました。(1)トマパイはクリスマス・ソングなのにクリスマスが過ぎてもどころか年が明けても聴いてます。カップリングも含めて粒ぞろい。ライヴ観たいなー。(2)全編ハーモニウムのアルバム。ほわほわと漂う音が心地よく、家にいる間ずっとかけてます。(3)大文字ヒップホップの名作。いまもっともかっこいいバンドだと思います。(4)ジュークのコンピレーション。買ったときに特典で付いてきたミックスCDもよく聴きました。(5)STONES THROWレーベルが送り出すポップでサイケデリックな3人組の初アルバム。2012年も楽しく音楽が聴けますように。(市)
2011年最もよく聴いた作品といえば東京女子流の1stアルバム『鼓動の秘密』。ローティーン特有の甘酸っぱい躍動感に満ちあふれた歌声と、松井寛によるアシッド・ジャズを彷彿とさせるグルーヴィなサウンドが醸し出す奇跡的なヤング・ソウル感。かの小西康陽をして「<I Belive in Miracle>を超えた」と言わしめた「ヒマワリと星屑」をはじめ捨て曲なしの超名盤。3月予定の2ndアルバムも楽しみ。二階堂和美さんの『にじみ』も同じくらいよく聴いた。中でも収録曲「めざめ」の中に出てくる“この世の すべては どうにもならない それでも 生きる わたしは 生きる”という一節には昨年、何度励まされたかわからない。2012年は彼女のように素晴らしい歌い手さんの歌声が、もっと多くの人々の耳に届くようになればいいのにと切に願っている。(望)