AMI MUSIK DS5
オープン価格 64,800円前後■入力: USB x 1(Type-B) / デジタル x 1(同軸) / 光デジタル x 1(TOSLINK) ■出力: ライン x 1(RCA) / ヘッドフォン x 1(標準) ■外形寸法: 150W x 40H x 140Dmm※お問い合わせ: (株)ワイズテック
www.wisetech.co.jp 自然な描写の中からも楽器の生々しい感触が伝わる
USB-DACのDSD対応が急速に進んでいる。特にパソコンと組み合わせたときに余分なスペースをとらないコンパクトな製品の人気が高まっており、本機もそうした需要に応える形で登場した注目機だ。USBに加えて光と同軸のデジタル入力を積むほか、ヘッドフォン出力とRCAライン出力をそなえる。後者で可変出力を選べばデジタルボリュームを用いた音量調整機能を利用できるため、アンプ内蔵スピーカーと本機を組み合わせ、シンプルかつ本格的な再生システムを作ることもできる。
入力はUSB、光、同軸のデジタル3系統に対応。
DSD信号は2.8MHzと5.6MHzの両方に対応し、Windowsマシンとの組み合わせでは専用ドライバーとの組み合わせでASIOモードも選択できる。また、PCMとDSDの楽曲切り替え時に発生するノイズをハードウェア上で抑える機能を積んでいるため、有害なノイズに悩まされる心配がない。DACチップはシーラス・ロジックの定評あるCS4398を採用している。
前面パネルと天板に5mm厚のアルミ削り出し材を採用しているためか、サイズの割にずっしりとした重量感があり、振動の影響を受けにくいよさがある。アンプ内蔵スピーカーを近くに置くセッティングでも再生音の純度を保ってくれるに違いない。白色LEDはサンプリング周波数表示、入力表示に加えて音量のインジケーターも兼ねている。
MacBook AirとゼンハイザーのヘッドフォンHD800を組み合わせ、最初にDSD信号を再生した。
ショスタコーヴィチの交響曲は各楽器のイメージがむやみに広がらず、低音から高音まですべての楽器のフォーカスが合ったシャープな音像が定位、ステージを立体的に再現することに感心させられた。5.6MHzで収録された
プエンテ・セレステ『NAMA』はリズムの切れが鋭く、軽快なテンポを刻むが、ギターやパーカッションのエッジを強調することはなく、自然な描写のなかから生々しい感触が伝わってきた。
PCM音源ではハイレゾ音源に含まれる空間情報の豊かさを聴き取ることができた。
ネトレプコが歌う
ヴェルディのアリアは中音域から高音域にかけての声の密度感を引き出し、CD以上に力強い表情を伝えてくる。オーケストラとソプラノの位置関係など、空間情報の描写も精度が高い。
ビル・エヴァンスのトリオは楽器の音像ににじみがなく、セパレーションの高いサウンドを再現。過剰にリッチな低音を演出していない点にも好感を持った。