「(Tパレ腕相撲大会について)あれ、ガチ泣きです。だって嫌ですもん。“仲良しのNao☆ちゃんと、なんで戦わなきゃいけないの?”って」(森)
「私と当たるってことで泣いてる姿を見て、“森ティが仲良しでよかったな”と思いました」(Nao☆)
――念願の親友対談が実現したわけですけど、まずは腕相撲の話からしましょうか。
Nao☆&森 「あははは!」
――T-Palette Records感謝祭の腕相撲大会が異常に面白くて、イベントの司会をやってたボクが誰よりも大騒ぎしちゃいました(笑)。あれは理想的な興行でしたよ。
森 「ありがとうございます(笑)。あの企画があんなに盛り上がるとは思わなかったって、いろんな方に言っていただきました」
――企画した側もまったく想定してなかったみたいです(笑)。
森 「私たちも計算してやったとかじゃなくて、たまたま偶然、あんなドラマティックな展開になっちゃったので」
――最高の結末ですよ。弱そうなふたりが勝ち上がってきて決勝で親友対決っていう。
森 「そうなんですよ。私たちもアプガからは
佐保明梨が勝ち上がるのかなと思ってたので」
――誰もがそう思ってましたよね。
森 「うちの佐保どうだった? 弱かった?」
Nao☆ 「あのね、佐保ちゃん、ショック受けるかもしれないけど……“女の子”って感じだった」
――女の子!
森 「あ〜。あの子、細いからね」
――本人曰く、腕相撲のコツが分かってなかったみたいですけど。
森 「嘘ですよ(笑)! 前の日、足立 光先生(
六本木ボディプラントのトレーナー)に、めちゃくちゃコツを教わってましたよ」
――森 咲樹さんはコツを教わったって言ってましたけど、佐保さんも?
森 「私は食べ物に関してちょっと口うるさいほうなんで、焼肉が懸かってるって聞いてガチで優勝しようと思ったんですよ。それで前日にたまたまトレーニングが入ってたんで、足立先生にコツをガンガン教えてもらったんです。明梨も一緒に聞いてたはずなんですけど……それが、なぜか(笑)」
――Yマネージャーもえらい熱くなってたから、「優勝しなきゃ」っていうプレッシャーが掛かりすぎてたのかもしれないですね。緊張感で表情が異常なことになってたし。
森 「確かに。明梨はプレッシャーに弱いところがあるので」
――そしてNegiccoには腕相撲が強いイメージがまったくなかったんですよ。
森 「私もなかったです!」
Nao☆ 「ほんとに?」
森 「うん! むしろNao☆ちゃんは弱いと思ってた」
Nao☆ 「そう見えるんですかね?」
――そりゃ佐保さんと1回戦でいきなり対戦したら勝てないと思いますよ。
Nao☆ 「でも私自身、佐保ちゃんと対戦するのが決まったときは、“終わった!”と思いました」
――思いますよね(笑)。よりによって優勝候補と……って。
森 「今だから言えるけど、たぶん明梨もNao☆ちゃんには勝てると思ったと思うんです」
――だからこそ、負けてあそこまでショックを受けたんだろうし。
森 「Nao☆ちゃんに負けて号泣してましたから」
――控え室に戻っても号泣している佐保さんを見て、他のアプガメンバーはどうしてたんですか?
森 「みんな笑ってました。“明梨が負けた! 嘘でしょ〜!”って(笑)」
――佐保さんが負けた直後、古川小夏さんも「面白いことになった!」って笑ってましたね。 森 「私も笑ってたんですけど(笑)。でも、“アプガはアスリート系だから、きっと腕相撲大会も優勝するだろう”っていう周りのプレッシャーがあって。だから、明梨が負けた瞬間、“私が優勝しなきゃ!”って、すごいプレッシャーに襲われたんです」
(C)T-Palette Records 撮影: 相澤心也
――1回戦が終わった時点で、ボクは「決勝で親友対決になったら最高ですね!」って、一緒に司会してた嶺脇社長に言ってたんですよ。
Nao☆ 「えー。そうなんですか?」
――それが一番盛り上がるだろうと思ってたら案の定、親友対決になって。対決することがわかった瞬間に森 咲樹さんが泣き出しちゃったのも最高でした。
森 「あれ、ガチ泣きです。だって嫌ですもん。“仲良しのNao☆ちゃんと、なんで戦わなきゃいけないの?”って」
――単なる腕相撲ですよ(笑)。
森 「腕相撲でも嫌なんです(笑)。私、ガチで優勝しようとしてたんですけど、ガチだからこそ逆に嫌で」
――よりによって親友が相手だし。
森 「そうなんですよ。こっちはガチなのに(笑)。Nao☆ちゃんを骨折させたくないし、でも、焼肉は食べたいし、みたいな」
Nao☆ 「あはは!」
――Nao☆さんは勝ち上がっていくうちに、“これは親友対決があるかもしれない”とか思いました?
Nao☆ 「いえ。アプガさん同士の戦いになると思ってたんで」
――まさかNegiccoが準決勝に2人も残ると思わなかったですからね。
Nao☆ 「そうそう。ぽんちゃ(Megu)も強いんですよ。事前に2人で練習したときも接戦で」
――Negiccoはなんで強いんですか? 普段トレーニングとかしてないですよね?
Nao☆ 「え〜、なんだろう?」
森 「Nao☆ちゃん、ロッククライミングやってたんでしょ?」
Nao☆ 「でも、ロッククライミングやったのは1回だけだよ。体験コースで」
森 「元・陸上部だっけ?」
Nao☆ 「うん。腕立て伏せとか結構やってた」
――それぐらいなんですよね。
Nao☆ 「それぐらいです。でも、対決が決まって森ティが泣いてくれたときは、本当に友情を感じました」
森 「わ〜、嬉しい!」
Nao☆ 「私と当たるってことで泣いてる姿を見て、“森ティが仲良しでよかったな”と思いました」
森 「私が泣いてる姿を見てNao☆ちゃんが友情を感じてくれたように、試合が終わった後に、“仲良しの森ティが勝ってくれてよかったです”みたいなコメントをNao☆ちゃんがしてくれたのに私も感動して、ホントに大号泣しました」
(C)T-Palette Records 撮影: 相澤心也
――そんな美しい戦いはちょっとないですよ! TIFでもやってほしいぐらいです。1000人単位でアイドル腕相撲最強を決める全員参加トーナメントを。
森 「ヤバイです!」
――その日に向けて雪辱に燃える佐保さんとか最高じゃないですか(笑)。あと、そうなったときNegiccoがどこまで行けるのかとか。
Nao☆ 「Negiccoはもういいです。歳が(笑)」
――年齢の問題(笑)。そんな、腕相撲で戦うだけで号泣するぐらい仲がいい2人の歴史を振り返ってみたいんですけど。出会いはNHK Eテレの番組『Rの法則』ですよね? “今、ローカルアイドルが熱い”みたいな特集で。 森 「はい。アイドルがアイドルを取材するみたいな企画で。それでNegiccoさんを取材させていただいて、Nao☆ちゃんの自宅にお邪魔させてもらったんです」
Nao☆ 「ふたりで熱く語ったよね。仕事を忘れるぐらい」
――オンエアされてない部分でも相当語ってたみたいですね。
森 「めっちゃ語ってました。カメラが回ってるのを完全に忘れちゃって、仕事についての女子トークみたいな感じで」
――噂によると、森さんもその時期いろいろ悩んでたみたいですね。
森 「悩んでましたね(笑)。当時、Negiccoさんは10年も活動してるし、あんまり悩みとかないんじゃないかと思ってたんです。でも、Nao☆ちゃんが“この先どうしよう”とか話してるのを聞いて、“やっぱり、そうなんだ”と思って。悩みもなく元気いっぱいに活動してるのかなと思ってたから、お互い悩んでるというところで共感できて。あのとき私も研修生から数えて活動10年目ぐらいだったんですよ。まだアプガとしては4年目なので、その違いはすごく大きいから、Nao☆ちゃんのほうがたくさん苦労してるんだろうなと思って。そのとき改めて、Negiccoさんはすごいなと思いました」
――初めて話したときの印象はどうでした?
Nao☆ 「私は人見知りで、それほど人と話すのが得意じゃないんですけど……」
――そもそも他人を部屋に入れるのもイヤなタイプですよね。
Nao☆ 「絶対に入れないです。あんまり人に心を開かないというか……。でも、うちの家族も森ティが家に来てくれたときに、“すごく可愛い子だね”って言ってて。うちの親は結構辛口なんですけど、森ティは相当好印象だったみたいで。話してても、初めて会ったとは思えないぐらい自然な気持ちで話せて」
――そのときに話したのは、アイドルとして活動を続けていく上での悩みが中心だったんですか?
森 「そうですね。“このままアイドルを続けてて、いいのかな?”とか。アイドル戦国時代が終わろうとしてるのに、私たちまだ全然有名じゃないし、みたいな」
――その時点で“仲良くなれるかも”と思ったわけですかね?
森 「……っていうか、話してる最中に仲良くなってましたね(笑)」
――その場で連絡先を交換したんでしたっけ?
Nao☆ 「いえ。後日、NHKに仕事で行ったとき、森ティと廊下で会ったんですよ」
森 「そうそう。スタッフさんにNao☆ちゃんが来てるよって教えてもらって。それで連絡先を交換して」
Nao☆ 「私は自分から連絡先を聞いたらいけないんじゃないかと思ってたんですよ。有名な事務所の人だし。マネージャーさんの許可とか必要なのかなと思って。そしたら森ティのほうから連絡先を聞いてくれて」
――「勝手に連絡先交換しちゃダメだよ」って言われると思ってたんですね(笑)。
Nao☆ 「“うちのタレントはちょっと”って(笑)」
――その頃は、まだレーベルは別ですよね。アプガがTパレに加入するのが決まったときはどうでした?
Nao☆ 「嬉しかったです。もっと、森ティと話したかったですし」
――それまで、なかなか接点がなかったですよね。
Nao☆ 「はい。私たちは普段、新潟にいるので。でも、同じレーベルに所属することになったから、もっと近づけるし、もっといろんな話もできるようになるんじゃないかって。森ティが頑張ってる姿を見ることで私は頑張れてたから。森ティがもっと近くに来てくれれば、もっと頑張れるんじゃないかと思ったんです」
――Tパレ感謝祭でNegiccoとアプガが初めて共演したとき、終演後に会場内で軽い打ち上げがあって。あのとき、Nao☆さんが森さんに声をかけられずに困ってたじゃないですか。
Nao☆ 「覚えてます!」
――それで、ボクが「今行かないとダメですよ!」って後押しして。
Nao☆ 「そうなんですよね。豪さんが森ティにも言ってくれて」
森 「そうでしたね。“Nao☆さんが森さんと一緒に写真撮りたがってますよ”って」
――アプガチームが帰ろうとしてるところを足止めして(笑)。そのとき、Negiccoのライヴ中に森 咲樹さんがステージ袖でライヴをずっと観てて、“「圧倒的なスタイル」のラインダンスに入ったらいいじゃないですか”って言ったら、“いや、私なんて……”って言ってたのを無理やりステージに送り出したりもして(笑)。
森 「ありがとうございました(笑)。あれからラインダンスに加わるのが恒例になって」
――アプガの脚を上げる高さが尋常じゃないって話題になって(笑)。
Nao☆ 「あはは!」
森 「楽しくて足が上がっちゃうんですよ(笑)。あのときTパレ感謝祭で一緒にラインダンスをやらせてもらってから、他のイベントでもNegiccoさんと共演させてもらう機会が何度かあったんだけど、やっていいのかなって。1年に1回のお楽しみとかにしたほうがいいんじゃないかと思って」
Nao☆ 「えー。毎回来てほしい!」
森 「……ホントに?」
Nao☆ 「うん。私たちも嬉しいし。それに、アプガさんのファンの方ってすごく温かいから、ファン同士の友情も芽生えるかもしれないし」
――どっちのファンもみんなで肩を組んでラインダンスして。
森 「実際、みんな組んでますもんね」
――そして、交流が深まっていったわけですね。
Nao☆ 「そうです。私、連絡とかまめに取る人じゃないから、森ティとLINEをやってても返事を送らなかったりするんですけど、それでも森ティはちゃんと、あったかく返事を返してくれて(笑)」
――あったかく(笑)。
森 「めげずに送ってます(笑)」
Nao☆ 「あははは!」
「アプガさんが何に対しても一生懸命なのを見てるから、自分たちは、やる気がないグループに見えてないか不安に思うときがあって……」(Nao☆)
「あんなにあったかい雰囲気を出せるグループは、Negiccoさん以外いないと思う。あの雰囲気に自信を持ってほしい」(森)
――両者の共通点は、やっぱり駄洒落とかですかね? すべり芸というか。
森 「ですね(笑)。あと、気が合うなと思うのは、気が弱いところとかネガティヴなところ(笑)。そういう部分がめちゃくちゃ似てるので、お互い支え合いつつ、みたいな。でも、私、びっくりしたんですよ。まさかNao☆ちゃんがギャグとか言うと思わなかったから。そういえば、こないだコンビ組んだんだよね? 痛いコンビになりそうなんですけど……」
Nao☆ 「ツッコミがいないからすべるしかない(笑)」
――ふたりとも心が折れやすいタイプなのに、なんでああいうすべり芸ができるんだろうって思いますけど。
森 「実際、折れてますけどね(笑)」
Nao☆ 「折れるよね?」
森 「折れる、折れる」
――すべってもめげずに行くじゃないですか。Nao☆さんはMCで「今でしょ!」を連呼したりとか、今は林修先生本人もあんなに言ってないと思いますけど(笑)。
Nao☆ 「そこはリスペクトで」
――基本、オリジナル・ギャグはほとんどないですよね。
Nao☆ 「ないです。“いつになったら、自分のネタができるの?”って言われます」
――人のギャグを、しかも流行がとっくに過ぎてから連呼するっていう。
Nao☆ 「そうなんです。人のばっかりで」
(イラスト執筆のため対談に立ち会っていたナカG先生が) 「“テニス!”があるじゃないですか」
森 「出た、“テニス!” あれ、なんだっけ? 共演したときに言ってたギャグ。
南波(志帆)ちゃんのフェスでNegiccoさんとアプガが共演させてもらったとき、Nao☆ちゃんが感想を聞かれて“楽しかったテニス!”って答えてたんですよ」
Nao☆ 「あははは!」
森 「そしたら、アプガのメンバーも“ほら、森ティ対抗しなよ!”って言いはじめて。それで、“えー! どうしよう!”ってなったんですけど、私は“楽しかっ卓球!”って言ったんですよ」
――それは上手いじゃないですか!
森 「そしたら、それはお客さんに受けたんです。メンバーも“ほー、やるじゃん”みたいな感じになって」
――森 咲樹にしては、みたいな感じで(笑)。
森 「そうです(笑)」
Nao☆ 「でも、森ティがギャグを言うっていうのを、私もファンの人から聞いて初めて知ったんですよ。それが、そのとき初めて真実になったっていうか。ここまで共通点があったんだって」
――運命ですよ! ところで、ふたりで遊ぶこととかあるんですか?
森 「まだないんですよ……」
Nao☆ 「今日、森ティが“うちに泊まらない?”って誘ってくれたんですよ。なのに、今日に限って仕事がめっちゃ遅くまであって……。残念です」
森 「なので、“私たちお婆ちゃんになっても友達だから、まだまだ先は長いよ”ってメッセージを送って」
――また、えらい先の話ですね(笑)。
Nao☆ 「お婆ちゃんになっても仲良しでいようねって。森ティに会えてよかった!」
森 「うん。会えてよかったよね!」
――今も真面目にお互いの悩みを話し合ったりしてるんですか?
森 「あったかも。そういえばLINEで、そういう話したよね?」
Nao☆ 「なんだっけ?」
森 「あ、テレビに出たときの話だ。Tパレメンバーが出た番組で、アプガからは、みーこ(
仙石みなみ)と小夏(古川小夏)が出たんですよ。その番組で、Nao☆ちゃんがギャグを言ったら司会の人からツッこまれてガチで落ち込んじゃったことがあって」
Nao☆ 「あったあった!」
――バカリズムさん司会のフジテレビの深夜番組『いらこん』ですよね。ボクもハラハラしながら観てました。 Nao☆ 「あれは泣きました(笑)」
森 「小夏から“Nao☆ちゃん、めちゃくちゃ落ち込んでたよ”って連絡が来て」
Nao☆ 「放送が終わった後、小夏ちゃんと仙石さんが“ツッコまれるって、すごくいいことだよ!”って言ってくれたんです」
――要はイジってもらってるってことですからね。
Nao☆ 「出演前に、社長から“爪痕を残せ”って言われていて」
――嶺脇社長に言われてたんですか(笑)。
Nao☆ 「そうなんですよ。だから、なんかしなきゃと思って。で、頑張ったら、司会の方に“うるせえ”って頭を叩かれて」
森 「こういう正直なところも、すごく可愛らしいなって思います(笑)」
――芸人さんにツッコミを入れられるのは、ある意味、同じ土俵に上がったって意味だから悪いことじゃないんですけどね。
Nao☆ 「そうなんですね」
森 「でも、私もガチで傷ついちゃうタイプなんです。最近は慣れたんですけど」
――ようやくオイシイと思えるようになった。
森 「少しずつ(笑)。なので、Nao☆ちゃんの気持ちが分かるんですよ。だから“それって、ありがたいことだよ”とか言って支え合ってます(笑)」
――真面目なところと、あとイメージカラーが緑なところも共通してますよね。
Nao☆ 「森ティのイメージカラーが緑だということに、すごく運命を感じました」
――ただ、アプガのメンバーからは冷たいこと言われてましたよね。「緑なんだから、もうNegiccoに入ればいいじゃん! 戻ってこなくていいよ!」って(笑)。
Nao☆ 「それ聞いて、“森ティ大丈夫かな?”って思ってました。大丈夫?」
森 「うん。大丈夫、だと思われる(笑)」
Nao☆ 「“森ティ、ショック受けてないかな?”って心配でした」
森 「そういう扱いにも慣れました。最近は自ら“Negiccoに入りたいです”って言うようになって(笑)。緑の衣装を着て、Negiccoさんと一緒に写真を撮ってるときは、ほんとにグループの一員みたいな気持ちになって。一緒にいて、ほんわかします」
――こういう伏線を踏まえた上で、また腕相撲トーナメントを見るとさらに燃えるんでしょうね。
森 「確かに」
――2人で何かしたいこととかありますか?
Nao☆ 「何したい?」
森 「普通に旅行とか行きたいよね」
Nao☆ 「旅行、行きたい!」
森 「プライベートで遊びたいよね」
Nao☆ 「ディズニーランドとか温泉に行きたい!」
森 「もっとゆっくりプライベートで喋れる時間が欲しいです。アイドルっていうことを忘れて、ただの女の子として一緒に遊びたい」
Nao☆ 「もっと深いところまで話したいよね」
――アイドル的な方向ではないですか? たとえば一緒にユニットを組みたいとか。
Nao☆ 「そういえば、アプガさんと一緒に〈リスペクトーキョー〉やらせてもらったとき、すごく楽しくて」
森 「嬉しい!」
Nao☆ 「こんなにコラボって楽しいんだと思ったんですよ」
森 「私はNegiccoさんの曲を歌ってみたいです」
――そういえば新潟での対バンもありましたよね。
Nao☆&森 「ありました!」
森 「アプガの対バン行脚ですね」
Nao☆ 「あのときのライヴ、ずっとおうちでDVD観てるよ」
森 「ほんと? ありがとう!」
Nao☆ 「こうやって(双眼鏡をのぞくポーズで)“森ティ〜!”って」
――いろんなところで森ティ愛を訴えてますよね(笑)。庄司智春さんが「ミキティ〜!」って叫ぶのと同じパターンで、突然「森ティ〜!」って叫んだり。 Nao☆ 「こないだも、年越しの船上ライヴのときに、ぽんちゃが急に“腕相撲やろう!”って言い出して。以前やったとき私が勝ったから、もう1回やりたかったらしくて。私、また複雑な気持ちになりたくなかったからヤダって言ったんですけど、どうしてもって言われて。それで、やったら勝ったんで、“森ティ〜!”って叫んで」
森 「ヤバい! 嬉しい! 友情を感じます!」
Nao☆ 「森ティのことが本当に好きなんで、レッスンでも緑の(仮)Tシャツ着たりしてるんですよ」
森 「それで、“今日、緑の(仮)T着たよ!”って写真を送ってくれて」
Nao☆ 「森ティもイベントで一緒になると、私のTシャツを着てくれたり」
――ちなみに対バン行脚で対バンしたときは、お互いどうだったんですか?
森 「アプガは全員ショックを受けました。対バン行脚の初戦がNegiccoさんで、私たちは“潰しに行くぞ!”ってモードだったんですけど、Negiccoさんの温かい雰囲気に包まれてしまって」
――ライヴ前にお菓子を配ってきたりで(笑)。
森 「貰いました! バレンタインの後だったんでチョコを貰って。ステージ裏もそうですし、ステージ上でもNegiccoさんの温かい雰囲気に飲まれちゃって。みんなで“負けた……”って言いながら帰りました」
――闘いをする気で新潟に乗り込んで来たら、平和なオーラに包まれて勝負が成立しなかった感じで。だってNegiccoは、おにぎりの被り物をかぶってましたよね?
Nao☆ 「かぶってました(笑)。懐かしい」
撮影: SUSIE
――“潰すぞ!”ってモードで乗り込んできたのに、なんでおにぎりの被り物なんだ?っていう(笑)。
Nao☆ 「新潟をアピールしようと思ったんです(笑)。ライヴのテーマが“対決”みたいな感じだったんですけど、私は森ティと対決みたいな感じになるのが、すごく苦しくて」
森 「私もそうだった」
Nao☆ 「でも、あのとき、アプガさんが本気で攻めてきてくれたのに、“戦うのはやめましょうよ”みたいな雰囲気にしちゃって、終わったあとに3人ですごく反省したんだよね」
森 「へえ。そうだったんだ」
――休戦協定みたいなモードにしちゃって。
Nao☆ 「決してユルくやったわけじゃないんですけど。そういえば、新潟で共演したとき、アプガさんのリハーサルを観てショックを受けたんですよ。ひとつひとつの動作がすごく一生懸命で。私たちもリハーサルからちゃんと本気でやらないといけないんじゃないかって3人で話したんです。アプガさんを見習おうよって」
森 「えー。嬉しい!」
Nao☆ 「で、代官山LOOPさんの定期ライヴのとき、“よし、本気でやろう!”ってリハをやったらヘロヘロになっちゃって(笑)」
――リハで体力を使い果たして(笑)。
Nao☆ 「本番がかなりヤバくて(笑)。アプガさんは普段から体力を付ける努力をしてるんだなって。教わることが、めちゃめちゃありました」
森 「私も新潟の公演ですごく印象に残ってることがあって。〈圧倒的なスタイル〉を一緒に歌ったんですけど、〈周りの声に惑わされても 決めるのは君さAlways〉のところを私が歌ってからNao☆ちゃんが歌うっていう流れだったんですよ」
Nao☆ 「うんうん」
森 「そしたら、“あの箇所を森 咲樹さんが歌ってくれて、すごく嬉しかったです”って、作者のconnieさんがツイートしてくださって。それを拝見して、周りの方たちも、Nao☆ちゃんと森 咲樹の友情を温かく見守ってくださってるんだなって思ったんです。アプガのメンバーが全員でラインダンスに参加したのも、あの日の新潟公演が初めてで。それも思い出深いです」
撮影: SUSIE
――Nao☆さんは実際にアプガの「リスペクトーキョー」を踊ってみて、どうでした?
Nao☆ 「実際に踊ってみて、すごい曲をやってるんだなって思いました」
――運動量がすごいですからね。
Nao☆ 「Negiccoとはレベルが違うと思って。事前に動画を観て振りを一生懸命覚えたんですけど。(双眼鏡をのぞくポーズで)こうやって森ティを観て」
森 「ありがとう(笑)」
Nao☆ 「私、ずっと思ってることがあって。いつか機会があったら森ティに1対1でダンスを教えてもらいたいんです」
森 「ええ! 私でいいの!?」
Nao☆ 「森ティに直接、指摘されたい」
森 「うそ〜!」
Nao☆ 「“ここをこうするといいんだよ”とか、直接言われたくて」
森 「私は歌が苦手なので、Nao☆ちゃんに歌を教えてほしいです」
Nao☆ 「ええ! 私に歌を!?」
――こういうやり取りを見ていると、お互い褒められ慣れてない気がしますね(笑)。
森 「褒められるの、めっちゃ苦手です。“私なんて”って、すぐ思っちゃうんで」
――グループ内で褒められることは、あんまりないわけですね。
森 「アプガは基本、全員、けなし合う感じなので(笑)。だから取材で他のメンバーのいいところを挙げてくださいとか言われると、みんな悩んじゃうんですよ。もちろんあるんですけど(笑)」
――普段あんまり考えないから。
森 「そうなんです。でも、お互い教えあう企画とかやりたいね」
Nao☆ 「うん。森ティにダンス教わりたい」
森 「私なんかでよければ」
――お互いのプラスになるのであれば、事務所もスケジュールを取ってくれるかもしれないですよね。
Nao☆ 「お!」
森 「お願いします!」
――でも、こんなに仲がいいのに普段そんなには会ってないわけですね。
Nao☆ 「全然会えてないよね?」
森 「うん。会えてない」
Nao☆ 「そこも思うところがあって。東京に出てこれたら、もっと森ティに会えるのにって」
――最近だと『アイドルお宝くじ』とか接点なかったでしたっけ?
森 「でも、一緒に写真撮ったぐらいか。こないだのTパレ感謝祭がそうだったんですけど、イベントで楽屋が一緒のときは、Nao☆ちゃんがメイクしてるそばに行って、ちょっかいを出したり(笑)。“このクリームがどうちゃら”とか、そういう話をして」
イラスト: ナカG
――お互い、最近は悩んだりしてないんですか?
森 「私は目の前にある目標をクリアすることで精一杯で、ひたすら走りまくってる感じです」
――アプガイズムですよね(笑)。
森 「絶対にアプガで武道館に立ちたいんですよ。なにがなんでも7人で武道館に立ちたくて。そういう目標がハッキリあるから、今はそこに向かって突っ走ってます。ありがたいことに中野サンプラザは満員になりましたけど、武道館はキャパシティでいえば4、5倍あるわけじゃないですか。そんなに甘いことだと思ってないので。だからこそ、目の前にあることをひとつひとつ一生懸命やって、絶対、武道館に行ってやるっていう気持ちが今はすごく強いので」
――お互い目標は武道館ですからね。
Nao☆ 「……」
――あれ? ちょっと表情が変わった(笑)。
Nao☆ 「Negiccoは、それまでにクリアしなきゃいけないことが多すぎて」
森 「アプガもそうだよ」
Nao☆ 「いや、アプガさんは、武道館、見えてるよ。パフォーマンスにも迫力があるし」
森 「でも、Negiccoさんの空気は他のどのグループにも出せないから」
Nao☆ 「それよく言ってもらえるんだけど、自分たちでは、どんな空気なのか分からないんだよね」
森 「そっかー」
――他にはないピースフルな空気ですよね。
森 「ピースフルで、あったかい感じですよね」
Nao☆ 「……Negiccoって、やる気ないように見えないかな?」
森 「見えないよ! すごくあったかい気持ちになる」
――特殊ですよね。このキャリアで、あの雰囲気を保ってるのは。
森 「あんなにあったかい雰囲気を出せるグループは、Negiccoさん以外いないと思う」
Nao☆ 「そうなんだ」
森 「アプガは戦闘的なイメージでやってて、たとえばチキパ(
Cheeky Parade)さんとかと共通する部分があるのかなと思うんですけど、Negiccoさんは似てるグループがいないし。Negiccoさんは、あの雰囲気に自信を持ってほしい」
Nao☆ 「アプガさんが何に対しても一生懸命なのを見てるから、自分たちは、やる気がないグループに見えてないか不安に思うときがあって……」
――私たちも、もっとガツガツ行かなきゃダメなんじゃないかって。
Nao☆ 「やる気はあるんですけど、みんなユルすぎるっていうか」
――アプガのガツガツさを基準にしちゃいけないと思うんですけど(笑)。
Nao☆ 「しかもアプガさんは全員優しいから」
――みなさん苦労してますからね。
森 「お互い長くやってるのは一緒なので、気持ちを共有できてるとは思いますね」
――末永く、この関係が続いてほしいですね。
Nao☆ 「お婆ちゃんになってもね」
森 「結婚式にも来てほしい」
Nao☆ 「私の結婚式にも来てほしい!」
森 「人生の大切な行事には、絶対来てほしいし、自分も行きたいです」
「Nao☆ちゃんは接しやすいんですよね。普通、5歳上とかだったら、“ハハ〜”みたいに、かしこまっちゃったりすると思うんですけど」(森)
「(森 咲樹の魅力は)しいて言えば全部です。“癒し”というものは森ティからできてるんじゃないか、ぐらいの」(Nao☆)
――(対談撮影を担当した土屋恵介氏とナカG先生に)他に何か質問あれば。
土屋 「共通の音楽の趣味とかあるんですか?」
森 「うーん、あんまりないかもしれないです」
Nao☆ 「韓国の音楽とか?」
森 「あ、K-POPは好き!」
Nao☆ 「森ティ、K-POPのダンスやってるよね?」
森 「うん。アプガでUFZSっていうカバーダンスのグループもやってるの」
Nao☆ 「韓国のグループって、すごくダンスのレベルが高いから、そういう活動ができるのはすごいなと思って」
土屋 「ちなみに今、韓国のグループだと誰が好きなんですか?」
Nao☆ 「今、
2PMのファンクラブに入ってるんですよ」
森 「えー! 2PMの曲、踊ったよ」
Nao☆ 「えっ! うそ〜!」
森 「アプガで男装して踊ったから。YouTubeで観れるよ」
Nao☆ 「(実際に動画を観て)え〜! すごい! レベルが高いグループさんじゃないと、こんなダンスできないよ」
森 「このダンスは、私、泣きました。男性と女性で、筋肉の使い方が違うんですよ。だから上手く踊れなくて。泣きながら小夏に教えてもらった」
Nao☆ 「(食い入るように動画を観て)上手いよな〜〜」
森 「いやいや(笑)」
Nao☆ 「動きに無駄がないんだもん」
――カバーダンスをやると、アプガのパフォーマンスにもプラスになります?
森 「なりますなります。見せ方もそうだし。先日も
AOAさんっていう韓国の女性グループのダンスをやったんですけど、韓国のグループのダンスって余韻とかでセクシーに見えるんですよね。でも、私のダンスには余韻がなくて。それを小夏にも指摘してもらったし、スタッフさんにも指摘してもらったし。いろいろ勉強になってますね。アプガでセクシーなダンスを見せることはないですけど(笑)」
Nao☆ 「Negiccoもセクシーさがないって言われていて」
――そこは皆無ですよね(笑)。
Nao☆ 「全員年齢が上がってきてるから、セクシーになろうみたいな気持ちもあるんですけど。韓国のグループさんって、ある程度の年齢になると、みんなセクシー系に路線変更するじゃないですか。急に露出も増えるし」
――まさかNegiccoもセクシー系に移行する計画が?
森 「え!」
Nao☆ 「いやいや。露出できるところがないから(笑)」
森 「Negiccoさんがセクシー路線になったらどうなるんだろう? できれば、このままでいてほしいなと思いますね」
――ですよね。ちなみに森 咲樹さんはアニメとか観ないんですか?
森 「『名探偵コナン』とかは好きですけど」
――それぐらいの感じで(笑)。
森 「Nao☆ちゃん、アニメが好きなんだよね?」
Nao☆ 「うん。さっきもアニメの本、買ってきた」
森 「可愛い(笑)」
――でも、アニメの世界に入り込みすぎてヤバイときがあるんですよね。
Nao☆ 「そうなんですよ。ビルから飛び降りるかと思った(笑)」
――宇宙を舞台にした作品とか見てると、つい飛び降りそうになっちゃうんですよね。
森 「ええ!」
Nao☆ 「ホテルの窓から飛び降りるかと思って(笑)」
――アニメ観るのに向いてないですよ(笑)。
Nao☆ 「本気で入り込んじゃうから危ないの。制限しないと死ぬかもしれない(笑)」
森 「私が止めてあげるね」
Nao☆ 「うん。止めて」
森 「止めてあげる! あと、Nao☆ちゃん、フランスとか好き? 私、フランスがすごい好きなんだけど」
Nao☆ 「行ったことある?」
森 「ないの。でも、両親が新婚旅行でフランスに行ったって話を聞いて、フランスのことを調べたら“可愛いじゃん!”って興味を持つようになって」
Nao☆ 「でも、森ティ、フランスっぽいよ」
――ザックリしたフランス感ですね(笑)。
Nao☆ 「すごくお洒落だし。フランスの街を歩いてそう」
森 「ほんと? パリジェンヌになりたいです(笑)。でも確かにNao☆ちゃんとは共通の趣味とかあんまりないんですよね」
――それよりも人間的に近い?
森 「そう。人間的に合うんですよね」
Nao☆ 「空気かな? 居心地がいいっていうか」
――どちらかといえば森さんのほうがお姉さんっぽい感じですか?
Nao☆ 「そうだと思います」
森 「そうかな〜」
Nao☆ 「森ティは優しいから。“ザ・癒し”って感じですね。森ティがいると無駄にテンションが上がるし。“森ティがいるぞ〜”って」
――子供みたいなテンションになって(笑)。
森 「私からしたらNao☆ちゃんはお姉さんなので。えーと今、20……」
Nao☆ 「26歳だよ」
森 「え! そうだっけ?」
Nao☆ 「うん。4月で27歳だよ」
森 「じゃあ、5歳違うんだ! 3歳ぐらいしか違わないと思ってた」
Nao☆ 「でも、年の差とか全然感じないよね」
森 「全然感じない。Nao☆ちゃんは接しやすいんですよね。普通、5歳上とかだったら、“ハハ〜”みたいに、かしこまっちゃったりすると思うんですけど」
Nao☆ 「年齢が1歳でも違うと、そういう感じになっちゃうよね」
森 「気を遣ったりとか」
Nao☆ 「一緒に話してても、“年下の話題だよな〜”とか思っちゃうんですけど、森ティと話してて今までそういうことを感じたことがないから」
森 「嬉しい!」
――お互い褒めまくりですね(笑)。
Nao☆ 「だって今も改めて間近で見ると、本当に可愛いですもん!」
森 「ちょっと〜!(絶叫) ……お店の中で大きい声出して、すいません(笑)」
Nao☆ 「でも、本当に可愛いよ。どの角度から見ても可愛い子って、あんまりいないと思う」
森 「本当にやめて〜(笑)」
――2人でNegicco「相思相愛」を歌ってもらいましょう(笑)。
森 「あはは。でも、ふたりでいると、こういう感じで、誰が突っ込むこともない平和な感じになるんですよ。だから、すごく一緒にいやすいんです」
土屋 「Nao☆さんから見て、森 咲樹さんの可愛いポイントは?」
森 「怖い怖い(笑)」
Nao☆ 「しいて言えば全部ですけど、“癒し”というものは森ティからできてるんじゃないか、ぐらいの」
――癒しの象徴(笑)。もしくは癒しとフランスの象徴で(笑)。
森 「なれるように頑張ります(笑)」
Nao☆ 「森ティは、みるみる可愛くなってくから」
森 「いやいや(笑)」
土屋 「森咲樹さんから見て、Nao☆さんの可愛さのポイントは?」
森 「全部です(笑)。それに、Nao☆ちゃんの存在も私にとって癒しなんですよ。お互い、癒して、癒されて、みたいな感じなんですけど、26歳だとは思えない可愛らしさっていうか。アプガでいえば、仙石みなみもそうなんですけど、あの子も23歳なんですけど、そんな風に見えないじゃないですか」
――いい意味での子供感のキープの仕方とか。
森 「素敵な幼さというか。そこが可愛いなと思います」
Nao☆ 「どうやったら大人っぽくなれるんだろう?」
森 「ならないでほしい(笑)」
Nao☆ 「髪を伸ばそうか切ろうか考えてるんだよね」
――髪型で変わるようなものではないと思いますけど(笑)。内面の問題ですからね。
Nao☆ 「そっか!」
取材・文 / 吉田 豪(2014年12月)
対談撮影 / 土屋恵介
イラスト / ナカG