コンポーザー、プロデューサーとして多岐にわたるワークスを披露しながら、ソロ・プロジェクトである
vusik、こだまかおるとのユニット
EART、そして
Shingo Suzuki、
mabanuaと共にスタートさせたバンド・プロジェクト
Ovallと、パーマネントな場所での創作活動も注目を浴びてきたギタリスト、
関口シンゴ。2015年、満を持して登場する個人名義でのソロ・アルバム
『Brilliant』は、ジャズ、クラブ・ミュージックを下地に、彼が培ってきた膨大な音楽的経験の髄を、軽やかに表現した作品となっている。
――関口さんのギタリストとしての出発点はおいくつの時ですか。
「ギターを始めたのは中学2年生の時です。陸上部の仲間に誘われてバンドを始めて、
X JAPANをコピーして……よくある話です(笑)。誘ってくれた子がモッキンバードを使っていて完全に
hide役だったので、僕はレスポールで
PATA役。そこからは洋楽、“早弾きがかっこいいんだぜ”なんて」
――かっこいいんだぜ(笑)。
「それから、
ジョー・サトリアーニの
G3に参加していたギタリストの
エリック・ジョンソンがすごく好きになって、テクニカルな時代が続いていたんですが、だんだんと嗜好も変わっていく中で、大学に入って出会ったのがジャズです。(ジャズは)これまで聴いていた音楽とは全く違った奥行きがあって、そこにとにかく惹かれましたね。アドリブひとつとっても“自分はどこまでいけるんだろう”とか、運悪くロマンを感じてしまった(笑)。あとはもう、音楽の道をずぶずぶと」
――ジャズに惹かれた“奥行き”は、ご自身の作品とも通じる魅力だと思います。空間の色を変えるような。
「ちょっと変える、ぐらいですかね。激しくは……できない(笑)。できないからこうなってるっていうだけなんですけど(笑)」
――2013年には参加されていたOvallが休止を発表しましたが、活動をふりかえってみていかがですか。
「そうですね、今になって“あ、こういう感じに聴こえてたのかな”って客観的に作品を聴けるようにはなりましたけど。あんまり、じっくり考えたりとか……。mabanuaは今回のアルバムに参加していたり、リーダーのごっちさん(Shingo Suzuki)にもしょっちゅう会うので」
――皆さん身近なところにいらっしゃいますもんね。
「ただ、各々ソロで音源を作ったり、ライヴをやったり、次の方向に進んでいるので“今こういう感じでやってんだな”とか思ったり。特にmabanuaとは二人でライヴもしていますし、mabanuaのバンドにサポートで入ったりもしているので、“こういう方向に行くんだな”とか、そういう距離感。2人も互いに見てると思うんですけど」
――ちょっと意識しつつ。
「“あー、おまえはそっちね”みたいなのはあると思います(笑)」
――特に“最近どうよ”みたいな具体的な話があるわけではなく(笑)。
「ですね(笑)。バンドって、多くはたぶん“バンドやろうぜ”って集まって……なんてきっかけがあると思うんですけど、Ovallは各々がソロでCDを出して、活動している中で“ちょっと集まってやってみない?”というスタート。3人だったのが、また各々のところに進み始めた感じなので、あまり違和感がないんですよね。ソロ活動も、もともとしていたから。休止について触れちゃいけないのかなって周りの人に思われたりするときもあったりして、いや、全然大丈夫だけどみたいな(笑)」
――なるほど(笑)。アルバム『Brilliant』は、これまで名乗っていたvusikではなく、関口シンゴというご自身の名義でのリリースとなっています。
「この名義でのライヴは、去年ちょっと始めたぐらいですね」
――こちらの名義でいこうというのは。
「vusikっていうのはすごくコンセプチュアルにやっていて。もともとは“風景が見えるような音楽をやりたい”というような思いから、24〜5歳ぐらいの時に名前を付けて始めたんですけど。……そこまでこだわらなくてもいいのかなって考えていたタイミングで、ここは自分の名前で、名刺代わりに一枚作ったらという流れに」
――なにかきっかけがあったんでしょうか。
「vusikをやっていた時は、たとえば、メンバーがギターとベースとドラムだったら、もうその3人で完結するような。シンプルに音を作ろうと。もう、それ以外の音を入れることをまず考えないでやっていたんですけど」
「そうです。ですが逆に、どういう楽器が入ってくるかはその時の思いつきで、別にリズムが打ち込みでもいいし、ビートがなくてもいいしとか、歌が入ってもいいし……という自由な気持ちで音を作っていったら、どんどんと幅が広がっていった」
――それはもう関口さんの気持ちいいところ、楽しいところを追求する。
「たぶん、そういうのがやりたかったんでしょうね。もっとカラフルで、バラエティに富んだものが作りたいなっていうのはありました」
――それぞれの曲ごとにストーリーはあるんだけど、トータルでももちろん楽しめるし、すごく居心地が良いアルバムでした。
「それは……嬉しいです。なんとなく“明るい気分にさせてくれるもの”という漠然とした思いもあったので。時代のせいなのか分からないですけど、なんとなく。自分もそういうものを聴きたいし、作りたいですね」
――昨年はスウェーデンでライヴを行なったのも大きなトピックでした。
「とにかくお客さんの反応、音楽に対する接し方というのか、すごく自然で。お客さんが、十代から、お年を召した方、もちろんその間の層も、まんべんなく会場に来てくれていたのが印象的でした。ギター・ミュージアムが入ってる建物の地下がライヴハウスになっていて、そこが主催のイベント組んでくれていて。現地のオルガン・トリオも出演してくれました」
――色んな年齢の方が観に来ていたんですね。
「そこは日本とちょっと印象が違う。ライヴハウスとか、ましてやクラブとかってなると、まず年齢層って限られてくるじゃないですか。スウェーデンはそれを感じさせなかったですね。しかも、若い人たちは後ろで立つか、前で地べたに座って聴いていて、席は譲る。それが自然なんです、すっごく。だから、たぶん音楽を聴きなれてるんですよね。なんかいいなあって(笑)。あの町が独特だったのかもしれないですけど、こういう形もあるんだなと新鮮な印象でした」
――スウェーデンのお客さんの雰囲気、聴き手を限定しないということでは、今回のアルバムとも通じるかなと思うんですけど。
「そうありたいなと思うんですよね、いくら自分がこだわっていたとしても、届かないと意味ないなっていうことを何回も経験してきたし。やっぱり、そういう時にOvallは、すごく届きやすいバンドだった。Ovallのライヴに親を招待したことがあって、“なにやってんのか分かんなかった”とか言われんのかなと思ったら“すごい楽しかった!”、“いいな、なんかドラムも気持ちいいし”みたいな感じだったので(笑)、親の世代でも、こういうビートも全然いけるんだなあなんて……。そうですね、そういう意味で“ポップでありたい”とはすごく思います。どういう人が聴いても、どこかしらで“いいね”と反応してもらえるようになりたいです」
関口シンゴ / Brilliant
――『Brilliant』は、かなり時間をかけて制作されたそうですが。
「録音した時期がけっこうバラバラで、3年ぐらいかけてちょこちょこやってたんですけど、vusikの2ndに参加してくれていた2人(トオイダイスケ / 中島道博)と3〜4曲まとめて録ったり、mabanuaが叩いてる曲もあるし、あと、Tonic Showっていうバンドのキーボードの村岡夏彦さん、Ovallの最後のツアーに参加してくれたキーボーディストの人なんですけど、彼がキーボードを入れてくれてる曲があったりして、メンバーもわりとバラバラに」
――ゲストの参加曲はどうやって決めていったんでしょう。
「
ウーター・ヘメルの曲は、歌を“彼にお願いしよう”ということで、彼をイメージして作りました。“ちょっと歌いまわし、ここ変えたいんだけどいい?”みたいなやり取りもありながら。
ジョヴァンカに歌ってもらった曲は逆に、もうできていたトラックを“どう、これ?”と送ったら、“これならいいね”“浮かんできた”みたいな感じで歌を入れてもらって」
――一緒に作りこんでいく感じだったんでしょうか。
「そうですね。iriちゃんに歌ってもらった曲も、細かいところはスタジオでやり取りして。この曲はiriちゃんが作詞もしています」
――名前を存じ上げなかったのですが、「Freakshow」に参加しているJoel Gaerthe(from Ashtraynutz)という方はどんな経緯から。
「ジョヴァンカと同じマネージメントで、紹介してもらいました。彼はまだリリースもそれほどないと思うんですけど。全然僕も存在を知らなかったので、音源を聴かせてもらって“うわ、この人すごいね”と。お願いできるなら……なんて、もう録ってあった曲を聴いてもらったんですが、曲が返ってきたらキレキレ(笑)。自分的にもすごく新しかったので、これはと。彼はYouTubeでライヴの映像とかも出てくるんですけど、ジャズを基調にした音楽性でカッコいいですよ」
――この曲の前には、以前配信していた「My Favorite Avenue」が。
「たぶんアルバムの中で一番はじめに作っていると思います。アレンジもちょっとずつ変えて、けっこう苦戦して(笑)、なんとか形にした感じです。ライヴではもう、去年も何回もやってるんで、わりと自分的には思い入れがある曲ですね。音もそうなんですけど、“淡い”色合いが好きなんですよね。そういうものを出したかった」
――この2曲が並んでいるのもいいですね。
「言われてみたらすごい曲順ですね(笑)。なんとなく聴いた感じで決めちゃったんですけど。ちょっと一発入れたかった感じがあるんですね、たぶん(笑)。……マスタリングぐらいの時はけっこう心配で。3年も時間をかけてるから、曲調が違えば、録り音も全然違ったりして、“これ、ひとつのアルバムで大丈夫かな”っていうのはやっぱりあったんですけど。最近聴きなおすと、こういうのがやりたかったのかな、よかったのかなっていう気はしてるんですけどね、自分の中では。こういう方へ進めばいいんだなと、見えてきたというか。また次の音源を作ったりとか、ライヴをやっているうちに、どんどん変化はしていくんでしょうけど、でも先へ進むための土台が、ここでちゃんとできたとは思っています」
関口シンゴ『Brilliant』発売記念インストアイベント
2015年4月29日(水)
タワーレコード新宿店 7F イベントスペース開演 15:00〜※ミニライブ&ジャケットサイン会
※出演: 関口シンゴ(Guest: Hiro-a-key)[サイン会参加券配布店舗]
タワーレコード新宿店 / 渋谷店 / 秋葉原店 / 池袋店※対象商品: 関口シンゴ『Brilliant』(VICL-64305)
※お問い合わせ タワーレコード新宿店03-5360-7811[イベント参加方法]
対象店舗にて対象商品をお買い求め頂きましたお客様にご予約者優先、先着にて「イベント参加券」を差し上げます。ミニ・ライヴの観覧はフリーとなりますが「イベント参加券」をお持ちの方は、ミニ・ライヴ終了後のジャケットサイン会にもご参加頂けます。[ご注意事項]・イベント当日は、お渡しした「イベント参加券」と「CDジャケット」を忘れずにご持参下さい。
・ご予約のお客様には優先的にイベント参加券を確保し、商品購入時にイベント参加券を差し上げます。
・ご予約で定員に達した場合、その後に商品をご予約・ご購入いただいてもイベント参加券は付きません。
・イベント参加券を紛失/盗難/破損された場合、再発行は致しませんのでご注意ください。
・アーティストの都合及び天候などにより、内容等の変更やイベント自体が中止となる場合がございます。
・イベント当日の録音・録画および、店内での飲食は一切禁止とさせていただきます。
・小学生以上はお1人様1枚、イベント参加券が必要となります。
・イベント対象商品をお求めいただいた際の払い戻しは一切行いませんので、予めご了承下さい。
不良品の場合は良品交換とさせて頂きます。
・会場周辺での深夜・早朝の泊まり込み、座り込み等は一切禁止です。
近隣や一般のお客様のご迷惑となる為、イベント開始時間より前にお越し頂くことはご遠慮下さい。
・イベント中はスタッフがお客様の肩や腕などに触れて誘導する場合がございます。
この事をご了承いただけるお客様のみイベントへご参加ください。
・イベント会場内外で発生した事故・盗難等には主催者・会場・出演者は一切責任を負いません。
貴重品は各自で管理をお願いいたします。
・安全面・防犯面・警備強化の為、サイン会にご参加の際は手荷物置き場を設置させて頂く場合がございます。
手荷物は所定の場所に預けて頂きご参加頂きます様お願いします。
・イベント会場のスペースの関係上、大きいお荷物は事前にコインロッカー等にお預けくださいますよう
お願いいたします。イベント会場ではお荷物のお預かりはできません。
・当日会場では、スタッフからの指示にご理解とご協力をよろしくお願い致します。当日スタッフの指示に従って頂けない場合は、イベントの中止もしくはご退場を頂く場合がございます。予めご了承の上ご参加下さい。
・プレゼント・ファンレターを本人に手渡しすることはご遠慮ください。事前にスタッフにお渡し下さい。
運営の妨げとなる行為をされますと会場より退場して頂く場合がございます。
・対象商品のご予約はお電話とタワーレコードホームページ(tower.jp/)の店舗予約サービスでも承っております。関口シンゴ Brilliant Tour 2015
■2015年4月3日(金)
東京 代官山 LOOP※お問い合わせ: 代官山 LOOP 03-6277-5032■2015年4月4日(土)
三重 四日市 Advantage※ご予約・お問い合わせ: 四日市 Advantage 090-8474-5791■2015年4月5日(日)
滋賀 彦根 ROUNDS※お問い合わせ: 彦根 ROUNDS www.rounds-hikone.com/■2015年4月17日(金)
宮城 仙台 Loop Cafe※ご予約・お問い合わせ: 仙台 Loop Cafe loopcafe902@yahoo.co.jp 022-773-3736■2015年4月18日(土)
秋田 Redhouse※ご予約・お問い合わせ: 秋田 Redhouse 018-836-8588■2015年4月19日(日)
山形 Sandinista※ご予約・お問い合わせ: 山形 Sandinista 023-622-8962■2015年5月9日(土)
群馬 高崎 Casa Familiar■2015年5月10日(日)
千葉 柏 Cafe Line※お問い合わせ: 柏 Cafe Line 04-7145-7277■2015年6月12日(金)
神奈川 Motion Blue yokohama※ご予約・お問い合わせ: Motion Blue yokohama 045-226-1919(10:00〜22:00)