BENNIE Kが初のベスト・アルバム『BEST OF THE BESTEST』を4月23日に発表する。コカコーラのCMソングでも話題となった「Dreamland」だけでなく、SOUL'd OUTのDiggy-MO'を迎えつつ、彼女たちの転機のきっかけとなった曲「オアシス feat.Diggy-MO'(SOUL'd OUT)」やドラマの主題歌となった「モノクローム」、さらには新曲の「チャクラ」なども収録された本作。“変化が多かった”と語るキャリアを振り返りつつ、彼女たちのオリジナリティを堪能したい一枚だ。 「Melody」でのデビューから7年、その間にコンスタントなシングル・リリースと5枚のアルバムを完成させてきたBENNIE Kが、初となるベスト・アルバム『BEST OF THE BESTEST』を発表した。
「みんなが知ってる曲と同時に、過去を振り返るような……。思い入れの強い曲や転機になった曲も含めて、自分たちの軌跡が表われるようなベストにしたいと思ったんです」(CICO)
「私たちとしても1シーズンを走りきったという思いがあるので、もう一度振り返って整理できたらいいなって。この一枚でBENNIE Kの現在がある理由を示したかったんですよね。1曲目に新曲〈チャクラ〉が入っているのも、一番新しい私たちの姿から、そこに至るまでの道筋を知ってもらいたくてなんです」(YUKI)
それは、“彗星の如く現れた”というより、注目度的にはスロー・スターターだった彼女たちのこれまでの道程とも重なる考え方だ。
「1stの頃はやはり萎縮して、逃げ場がなかったと思うんですね。自分たちの中にあるモヤモヤしたものを吐き出したいって思いが強くて。でも、〈オアシス feat.Diggy-MO'(SOUL'd OUT)〉ぐらいから、“ま、いっか”って空気抜きができるようになったことで、新しい表現が生まれたと思うんです」(Cico)
そう話すように、オーセンティックな色合いが強かった初期から、「オアシス」「サンライズ」以降に顕著に変化したロッキッシュで派手な作風は、“BENNIE Kサウンド”というオリジナリティを確立させる元となっている。
「その時期に音楽に対する考え方が、こっちから発信するだけじゃなくて、“もっとみんなと一体化したい”って方向に少し変わったんですね。ライヴでみんなではしゃげるようなモノも作りたいなって」(CICO)
「“ヒップホップでなきゃいけない、R&Bでなきゃいけない”っていうことより、自分たちのそのときの感情に一番フィットする音楽を作ろうって」(YUKI)
その彼女たちの感情表現の変化もこの7年で大きく変わった部分だという。
「〈SILENCE〉と〈モノクローム〉は繋げて聴いてほしくて。〈SILENCE〉は“内省的な自分と向き合って立ち止まる”ような曲だけど、〈モノクローム〉は“向き合ったあとに歩き出す”って部分にフォーカスしてるんですね。同じように内面を歌っていても過去と今では表現方法が違うということを感じ取ってもらえるんじゃないかなって」(CICO)
前述のとおり、1シーズンを終えた彼女たち。彼女たちの思うセカンド・シーズンはどのようなものになっていくのだろうか。
「ドラマでもシーズン1はいろんなことが起こるじゃないですか(笑)。同じように私たちのこの7年も、一人の人間としてもミュージシャンとしてもすごく変化のあった時期だと思うんですね。これからもいろんな変化を生んでいければいいですね」(CICO)
「そのときにしかできない音楽を作りたいですね。“良い曲が生まれたから出したい”っていうような、そのときの感情や気持ちがパックできるようになれば嬉しいですね」(YUKI)
その意識は彼女たちの歌声にも表われていた。YUKIのヴォーカルは初期のやや曇りを感じさせるものから、伸びやかで軽快さも感じさせるものになり、CICOのラップはビートに対しての自由度の高いフロウが強くなった。それはある種の音楽的な足かせを外し、自分たちの歩き出す方角に迷いがなくなったという表明とも感じられる。
取材・文/高木晋一郎(2008年4月)
■BENNIE K 全国TOUR2008!!
“Funky Freaks Tour'08〜BEST OF THE BESTEST〜 6月8日(日)新潟LOTS
6月13日(金)札幌ペニーレーン24
6月21日(土)鹿児島CAPARVO HALL
6月27日(金)高松オリーブホール
6月29日(日)広島CLUB QUATTRO
7月3日(木)Zepp Osaka
7月4日(金)Zepp Nagoya
7月9日(水)Zepp Sendai
7月11日(金)Zepp Fukuoka
7月16日(水)Zepp Tokyo
※詳しくは、公式ホームページ(
http://www.benniek.jp/)へ。