いよいよ2年半ぶりとなる5枚目のフル・アルバム『ぱつんぱつん』を完成させたグループ魂。コント・グループとして活動を開始して今年で13年。パンクと笑いを追究し続けてきた彼らのさらなる進化した姿とは? 破壊、石鹸、遅刻の3人に話を訊いた。 破壊(vo/
阿部サダヲ)、暴動(g/
宮藤官九郎)、バイト君(大道具/
村杉蝉之介)、小園(b/小園竜一) 、石鹸(ds/三宅弘城) 、遅刻(g/富澤タク)、港カヲル(46歳/
皆川猿時)からなるグループ魂。メンバーそれぞれが多忙な中、6ヵ月間に及ぶレコーディングを経て完成したニュー・アルバムは、リード・トラックとなるパワー・ポップ「おかあさん」を筆頭に21曲+6コント、トータル78分10秒というCD収録時間の限界に挑む、まさに“ぱつんぱつん”な意欲作に仕上がった。
「いやあ、今回は結構、重量感ありました」(遅刻)
「作業もスケジュールも“ぱつんぱつん”(笑)。でも、かなり満足いくものができたと思います」
(石鹸)
「曲数が多いだけに、デモやらカラオケやらが入ったCD−Rが相当たまってしまって。どれがどれだかわからないから、とうとうテプラ買っちゃいましたよ(笑)」(破壊)
豪華ゲストも多数参加した本作。まず、デュエット・パートナーに
杏子を迎えた「片付けられない7Days」は、先日フジテレビで放送された『SMAP×SMAP 名曲歌謡祭』にて一夜限りの復活を果たした
バービーボーイズの全盛期を彷彿とさせるナンバー。
「これだけオマージュしてるってことで、
いまみちともたかさん(※バービーボーイズのギタリスト兼メイン・ソングライター)には途中段階の曲も聴いてもらったんですけど、“当時の自分のパターンをすごく研究してるね”って気に入っていただけたようで安心しました」
(遅刻) 続いて、東洋一のサウンド・クリエイター、
横山剣(
クレイジーケンバンド)書き下ろしの
「欧陽菲菲」。「雨の御堂筋」「ラヴ・イズ・オーヴァー」の大ヒットで知られる女性歌手の名を冠したこの曲からも、彼らの新たな一面が垣間見える。
「剣さん曰く、グループ魂で僕が歌う姿を考えていたら自然と“欧陽菲菲”ってフレーズがポンって出てきたんですって。途中、“アワワワ”って剣さんが入ってくるところは最初カヲルさんのパートだったんですけど、完成版では、ばっさりカットされていて、すごく聴きやすかったですね(笑)」
(破壊) 「デモの段階ではもうちょっとアーバンな感じだったんですけど、よりギター・ロック・バンドっぽくするため、後期の
クラッシュのテイストを少し意識したアレンジにしてみたんですよ」
(遅刻) 「〈High School〉は、誰も共感できないような世界観の歌詞と、ヴォーカルにオートチューンを使った結果、おっさんの
Perfume(笑)みたいな感じになっているところに注目です」
(遅刻) 「自分の曲ですが、〈あの娘オレが歯列矯正したからってあんな顔するとはな〉は、とばして聴く女の子もいるだろうと思うと、してやったりな感じはありますね(笑)」
(石鹸) 「僕のイチ押しは、スナックのマスター(※作曲者・小園の本業)が作った〈アイス食べたい〉かな。一生懸命作ったんでしょうね。お客さんがカラオケ歌うの聴きながら」
(破壊) 「変な哀愁がある(笑)」
(石鹸) 「全体的に宮藤さんの歌詞も前に増してすごいことになってますね」
(破壊) 「今回は珍しく曲先行で後から歌詞を付けたものも結構あるんですよ」
(遅刻) 6月21・22日には秩父ミューズパーク野外ステージで
向井秀徳、
怒髪天、スチャダラパーらを迎えた“グループ魂のぱつんぱつんフェスティバル”を開催。これ以降メンバーが演劇モードに突入するため、ライブでアルバム曲を聴ける貴重な機会になること間違いナシ!
「やってる曲のジャンルもバラバラなので、パンク・ファンの人はもちろん、いろんな層のお客さんに来てもらえると嬉しい。〈おかあさん〉もあるし、親子揃ってとかね」(破壊)
「グループ魂はいろんな意味でスピード感があって、新譜を出したときにしかライヴでやらない曲もあるんですよ。今回のフェスのタイミングで聴いてほしい曲もたくさんあるので、この機会にぜひ楽しんでいってください」(遅刻)
取材・文/秦野邦彦(2008年4月)
【グループ魂主催 野外フェスティバル】
●公演名:グループ魂の秩父ぱつんぱつんフェスティバル
●公演日:08/06/21(土)〜22(日)
●会場:秩父ミューズパーク野外ステージ
●開場:11:00 /開演:13:00
●6月21日(土)
向井秀徳アコースティック&エレクトリック
JAPAN-狂撃-SPECIAL
グループ魂
●6月22日(日)
スチャダラパー
怒髪天
グループ魂