メジャー・デビュー・アルバム『INSULARHYTHM』から約1年、RYUKYUDISKOが待望の新作となるシングル「OK Sampler」を発表! タイトル曲は沖縄音楽とテクノとロックを絶妙にミックスしたアップ・チューン。その他にも初めてギターで作ったという「TAIKO ROCK」、八重山諸島に伝わる呂音階を取り入れた「SANSHIN8」を収録するなど、彼らの音楽性の広がりを明確に伝えてくれる充実の一枚に仕上がった。 テクノと沖縄民謡を融合したオリジナリティ溢れるサウンドをクリエイトする、廣山哲史、陽介からなる双子テクノ・バンドRYUKYUDISKOが、昨年発表したメジャー・デビュー・アルバム『INSULARHYTHM』から約1年ぶりとなる、ニュー・シングル「OK Sampler」をついに完成させた。
「前作(『INSULARHYTHM』)は、フィーチャリング・ゲストにたくさん参加してもらった作品で、メジャーへ移って一発目だしテクノをより一般に広げようって思いで作った作品だったんです。そこから今までより認知度が広がって、新しいお客さんも来てくれるようにもなった。そこで、もっとテクノ寄りな曲を作ったら、さらにテクノ好きになってくれるかなと思って、歌モノよりもインストに近い曲にしようと思って作っていったんです」(哲史)
「前作で、フィーチャリング・ゲストに合わせた、いろんなサウンドを作ったぶん、今年は原点回帰モードなんです。今回は素に戻って、ジャンルのフォーマットも取っ払って、ある意味、無意識で作りましたね。 沖縄に帰ったRYUKYUDISKOが、どんな音楽を表現するのか楽しみながら作ったんです」(陽介)
もちろん原点回帰と言っても、進化し続けるRYUKYUDISKOだけに、過去をなぞることなく、フレッシュなサウンドを聴かせてくれる。 『OK Sampler』は、彼らの実弟NAOTO(
ORANGE RANGE/
delofamilia)のギターと、
井上ジョーのヴォイス・サンプル、
仲村奈月の歌が印象的な、沖縄音楽とテクノとロックを絶妙にミックスしたアップ・チューンだ。
「井上ジョーくんのヴォイス・サンプルは、“nature, future, sounds & import, assignment, segment, good arrangement”って歌っていて、内容は“自然や未来の音を取り込んで、楽曲自体に割り振って並べることで、いいアレンジができるよ”っていう意味。つまり、サンプラーの曲なんです。ちなみに、仲村奈月の歌は、沖縄の方言で同じ内容を歌ってます。元々、仮タイトルが〈Sampler Okinawa〉で、 沖縄を略して“OK”にしたんです。沖縄の音をサンプリングしてRYUKYUDISKOならではの楽曲に仕上げたよって意味ですね」(陽介)
さらに、カップリングには、「初めて自分でギターを弾いて作った、ライヴを意識した曲」(哲史)という「TAIKO ROCK」、「完全フロア・ライクな4つ打ちで、琉球音階じゃない、離島の八重山諸島に伝わる呂音階を使った」(哲史)という「SANSHIN8」も収録。他アーティストとの共演、沖縄民謡の探求など、さまざまな経験と影響を、自分たちの音楽に見事に昇華していくRYUKYUDISKO。『OK Sampler』は、さらに広がった彼らの世界観を堪能できる一枚といっていいだろう。
「これを聴いて踊ってもらってもいいし、リスニングしたり、いろんな楽しみ方ができるシングルだと思ってます。あと一番いいのは、この作品を聴いてからライヴに来てもらえれば、より、曲のことが分かってもらえると思います」(哲史)
「テクノ好き以外の人でも聴けると思いますね。自分たちの音楽性の進化に気付いてほしいのはもちろんなんですけど、聴いてくれる人にも僕らと一緒に、新しい音楽が生まれる瞬間を楽しんでほしいって思いも詰まってるんで。なにはともあれ、まずはこのシングルをぜひとも聴いてほしいです」(陽介)
取材・文/土屋恵介(2008年7月)