シルクハット姿で“おじさんじゃなぁーい!”と叫びギターをかき鳴らす、ちょっと風変わりな司令官。その本当の顔は、日本が世界に誇るべき稀代のロック・ミュージシャン! 老若男女問わぬ人気・知名度を誇るROLLYが、令和の幕開けを彩る豪華絢爛ロック絵巻『ROLLY'S ROCK WORKS』をデビュー記念日である5月21日にリリース。本作には、これまでももいろクローバーZ、PUFFY、藤木直人、MEGらに提供したオリジナル曲のセルフカヴァーを収録。さらにはオープニングとクロージングを書下ろし新曲がドラマティックに飾る、濃厚な作品だ。
「THE ROCK ROLLYでもドラムをお願いしている松本 淳さん、さらに永井ルイと長谷川智樹というふたりのサウンド・クリエイターを招いています。長谷川さんはももいろクローバーZのストリングス・アレンジや楽曲提供もしている方。園 子温さんの映画『自殺サークル』(2002年)で出会いました。今作に収録されている〈宇宙のMON DIEU〉や〈僕等のセンチュリー〉は彼と作った曲です」
――永井さんもTHE ROCK ROLLYのメンバーですね。
「はい。すかんちからドクター田中が抜けるときに、“一緒にやりたい”と声をかけてくれたんです。永井さんが作った音源はまるで70年代のカナダのロック・バンド、クラトゥの2ndアルバム『ホープ』のような、めくるめくロック・オペラで驚きました。しかし当時の僕はアナログ・シンセサイザーを縦横無尽に弾きまくれるプレイヤーを探していましてね、加入には至らなかった。この頃は『笑っていいとも』のレギュラーとして“どんぐり黄門”という〈どんぐりころころ〉を『水戸黄門』のテーマ曲のメロディで歌う、そんなコーナーに出演していたんですが、担当のギャグ作家が素晴らしいロック・キーボーディストだということが判明して……それが後のすかんち、THE ROCK ROLLYのメンバーである小川文明でした。顎が外れそうなほど関係ないことを話している (笑)」
「若かったころ、音楽家としてのエゴで自分の思い描いたヘンテコ世界で世間をぬりつぶしたいと思い、ソロになった。聴いた人が度肝をぬかすようものを作りたくて〈THIS IS THE ROCKROLLY (恐るべきロックローリー)〉というロック・オペラをソロ・アルバム『ROLLY'S ROCK ROLLY』の1曲目に用意して。一番やってはいけないことだと僕以外はみんなわかっていたみたいなのねえ(笑)」
「このふたつ、本当は1曲なんです。〈Eejanaika〉は大変悩んだんですが、“ええじゃないか”以上の言葉は浮かばなかった。僕のふるさと、大阪の高槻には〈高槻音頭〉というものがあって “ええじゃないかええじゃないか”と踊るしね。僕の血となり肉となった70年代の日本のロック・カヴァーや2枚組のライヴ盤、THE MANJIのアルバムも経て、満を持して発表する『ROLLY'S ROCK WORKS』。ここ10年くらいの活動……ソロやシャンソン、谷山浩子さんとのからくり人形楽団も、ありとあらゆるエッセンスを合体させることができました。精魂尽くしすぎてレコーディング中に口内炎だらけになり、さらに顔面も手もしびれて。脳卒中や脳梗塞の予兆かとMRIやCTスキャン、血液検査もやりましたが、問題なく健康だとお医者さんに褒められました。明らかに体調がおかしいのはノイローゼやと思います。あのね……いろんなことがあったのよ。僕、心配症でね(笑)」