マスクをした有名人たちがパフォーマンス・バトルを繰り広げつつ、その正体を推理していく音楽バラエティ『ザ・マスクド・シンガー』。Prime Videoで配信中の人気番組、そのシーズン2の優勝者はセクシーキャラのヴィーナスとして参加した後藤真希だった!
彼女が金髪の13歳としてモーニング娘。に加入するや、センターに立った「LOVEマシーン」が大ヒット。一気にモーニング娘。を国民的グループに飛躍させたアイドル界のレジェンドであることは今さら言うまでもない。
反面、その圧倒的な存在感ゆえ、ともすれば見逃された歌唱力、パフォーマンス力の高さを、正体を隠して臨んだこの番組ではっきり示したのだ。出演オファーを受けて「えっ、私?」と驚いたという今回の激戦の裏話を語ってもらった。
Prime Videoにて独占配信中
本編9話
出演:MC 大泉洋
パネリスト: MIYAVI、Perfume、児嶋一哉(ep7〜ep9はMC)、滝沢カレン(ep8,9)、山崎弘也(ep5,6,9)、森崎博之(ep7〜9)、小林幸子(ep3〜5)、水野美紀(ep2)、土屋アンナ(ep1,6〜8)
(C)2022 Amazon Content Services LLC All Rights Reserved
――YouTubeチャンネルでの「#歌ってみた30曲投稿」に、この『ザ・マスクド・シンガー』と、あらためて後藤さんの歌唱力に注目が集まっています。
「みなさんには“モーニング娘。の後藤真希”のイメージがすごく強いと思うんです。でも、今のソロ活動はアイドル時代と全然違います。顔を隠して、すべてをまっさらにして、ヴィーナスというキャラクターでパフォーマンスを見て、声を聴いてもらったら、どう思われるのか。そう考えて出場させてもらいました。そして、それなら歌をもうちょっと強化して臨まなければと思いました」
――歌に自信があったからこそ出たわけではないんですか?
「いえいえ、まったく。トーナメントで毎回勝負するのは初めての経験でこわいぐらいでした。最後まで残れるのかとずっと思っていましたし。1〜2曲歌ってマスクオフするのだけは回避したくて、出演が決まってからボイストレーニングにも行きました」
――ボイトレに!
「“これは難しい”という曲を歌うときは、ボイトレの先生の客観的な意見を聞いて、自分に取り入れられる歌い方や発声法はないか探ったりしました」
――今回歌った中で、そうやって自分の新しい扉を開けた曲はありましたか?
「ありました。〈タマシイレボリューション〉(Superfly)みたいなパワフルな曲は歌ったことがなかったし、〈be alive〉(小柳ゆき)はサビの熱唱する部分の発声を整えました。あと、〈Go!Go!Heaven〉(SPEED)は単純にものすごく高いんです。子どもの頃は高い声も余裕で出たのに、この年になると余裕ではなくなるんですよね(笑)。キー合わせでひさしぶりに歌ったら、ヘトヘトになってしまいました。でも、キンキンな声で歌いたくなくて頑張りました」
――結果、どの曲も見事に歌いこなしていました。まだ伸びしろがあったわけですね。
「そうですね(笑)。頑張れば歌えるようになるんだと実感しました」
――選曲は後藤さんがしたのでしょうか?
「私たちサイドで候補を何曲か挙げて、番組のスタッフさんが曲順の流れを提案してくださいました。その案がいいなと思ったのでその形で行きました。あとは、キーをどうハメていくかを考えましたね。“ちょっと難しいけど原曲のままのキーがいいかな”とか、“これは1コ下げたほうがいいかも”とか、いろいろ相談しながらやっていきました」
――ヴィーナスのマスクやコスチュームはどうでしたか?
「マスクは最初、少しデザインが違ったんですよ。顔周りの目の形の雰囲気をちょっと変えてもらったりして。でも、完成したマスクをよく見ると、優勝するといただけるゴールデンマスクにそっくりですよね(笑)。セーラームーンのマスクヴァージョンみたいな気分で楽しくやらせてもらいました」
――ちなみに、視界はどれくらいあるんですか?
「それがほぼ見えないんですよ!たとえて言うなら、枝豆ひとつぶんくらいの視野です(笑)」
――えっ、それであれだけ踊っていたんですか。
「だからリハーサルのときの“これくらいの歩数で移動した”という感覚が頼りでした。リハをしっかりやらないと、本番で自分がどこにいるのかわからなくなるんです。ステージに立ったときは、どこが正面かもわかりませんでしたから(笑)。1曲、まったく違う方向を向いて歌っていましたし。それぐらい見えないんです」
――そんなに大変だったんですね。
「歌い終わったら、普通にハケているように見えるじゃないですか。あれもじつはすごくドキドキしていたんです。“私はちゃんと退場口に向かっているのだろうか?”と思いながら歩いていました」
――最初に歌った「Hide & Seek」はステップが見どころでしたが、そんな状態で転びそうにはなりませんでしたか?
「あのときも足元はまったく見えなくて。見えなすぎたので、いっそ完全に目を閉じて、パフォーマンスをしていました。目を開けていると、どうしても見ようとしてしまって、余計なところに神経が行ってしまうので。演出でステージも暗いし、どうせ見えないならと目をつぶったらうまくいきましたね」
――3回戦から、パネリストの正体予想で、Perfumeのあ〜ちゃんが「後藤真希さん」を挙げていました。
「おお〜って思いました(笑)。私の声を知ってくれていたのは嬉しかったです」
――「ハロプロ独特の仕草がある」と指摘されていましたが、心当たりはありました?
「それがわからないんです(笑)。言われてみたら“そういうところがあるのかな?”と思いましたけど、どういう動きがハロプロっぽいんですかね?ただ、ハロプロの歌い癖みたいなものはやっぱりあると思うので、オープニングで全員で〈LOVEマシーン〉を歌ったときはモロバレだったと思います(笑)」
――バレないようにすることも意識していたんですか?
「トークでは語尾をいつもと変えたりしていました。でも、パフォーマンスに関しては、マスクも被っていましたし、歌い方を変えたりはまったくありませんでした。普段のYouTubeチャンネルでも、何ごともなかったように活動していましたし。“歌ってみた”の30曲連続投稿では、ファンの方から“昔のステージみたいにガッツリ踊って歌う曲も期待しています”という声もあったんですけど、心の中で“そういう曲は『ザ・マスクド・シンガー』でやっているのよ”と思っていました(笑)」
――人と話していて『ザ・マスクド・シンガー』の話題になって困ったりしたことはありませんでしたか?
「『ザ・マスクド・シンガー』をシーズン1から観ている友だちがいたので、“今回も観ているんだろうな”と思っていましたけど、途中では誰も連絡してきませんでした。友だちも半信半疑だったでしょうし、聞かれても何も言えませんからね(笑)。SNSでファンの方がチラホラ、“あのヴィーナスは絶対真希ちゃんだから、観たほうがいい”と言っているのは見ました」
――優勝してマスクを取ってからの反響はいかがでしたか?
「友だちから“おめでとう”という連絡ももらったし、私のファンでなくて、今の活動を知らない方からも“格好良かった”“後藤真希がこんなに歌えるとは知らなかった”と、嬉しい言葉をたくさんいただきました。今の私を知っていただくきっかけになったらいいなと思っています」
――1曲目に選んだ安室奈美恵さんは、一時代を築いたあと、さらにファン層も音楽性も広げていきました。アイドルとして一時代を築いた後藤さんですが、今後さらなる高みを目指していくのでしょうか?
「時代を築くってすごいことだなと最近しみじみ思ってます(笑)。私がモーニング娘。にいた頃から時代を築いていて、今も活躍している方もいますからすごいですよね。私もそうなれるような環境があれば挑戦していきたいです」
――まだまだ貪欲ですね!〈後藤真希LIVE TOUR 2022『歌ってみた〜Songs of You and Me!〜』 〉も控えてますよ。
「はい。そのぶん、プレッシャーもあるのですが、まずはあらためてちゃんとスキルを身につけていきたいなという気持ちでいます」
取材・文/斉藤貴志
撮影/斎藤大嗣
ヘアメイク/Shizuka Aoyama
スタイリング/Mika Yamashina
〈後藤真希 LIVE TOUR 2022 『歌ってみた〜Songs of You and Me!〜』〉2022年9月10日(土)大阪・YES-Theater
昼公演 開場15:00 / 開演15:30
夜公演 開場18:00 / 開演18:30
2022年9月17日(土)愛知・NAGOYA ReNY limited
昼公演 開場15:00 / 開演15:30
夜公演 開場18:00 / 開演18:30
2022年9月23日(金・祝)東京・恵比寿ガーデンホール
開場15:00 / 開演16:00
〈後藤真希 バースデースペシャルイベント〉2022年9月23日(金・祝)東京・恵比寿ガーデンホール
開場19:00 / 開演19:30
チケット詳細はこちらへ
https://avex-management.jp/artists/talent/GOMAK