鹿児島発の極上のサウンドを奏でる10人組スカバンド、
ARTS。結成15年を振り返ると同時に、新作『SKANNIVERSARY』について、ヴォーカル&トロンボーンのbonさんに聞きました!
―― 結成から15年、振り返ってみていかがですか?
「1991年の結成当初はスカじゃなくて、アコースティック・レゲエだったんです。その前から鹿児島県枕崎市にSHELTERというライヴバーを開いてたんですが、当時鹿児島にはレゲエもスカもなかった。そこで、大阪の
KAJA & Jammin'のライヴを見て影響を受けて、自分たちもレゲエを演ろう! と。その後次第にメンバーが増えて、98年に管楽器3本が揃ったのを機にスカバンドに軌道修正したんです。ま、15年もやってれば、そりゃ歳もとりますよね(笑)」
―― 15年経って、バンドは変わりました?
「熟成された感じもあり、一方でまだまだハッチャケてる感じもあり。枯れたシブイだけのバンドにはなりたくないので。スカにもいろいろあるけれど、僕らの音楽はなんでも取り入れる“マルチスカ”って呼ばれてます。スカという枠にはこだわりつつ、なんでもやる。スカでもこんなにいろんなことができる! ということを表わしたのが今度のニュー・アルバム
『SKANNIVERSARY』です」
―― 地元・鹿児島へのこだわりは?
「環境的にもインターネットがあったり機材が良くなったりで、まるごと“メイドイン鹿児島”でやっていける。鹿児島でやっていることに誇りをもってやってます。なにより、鹿児島のスカのパイオニアになれたのが良かったですね、二番煎じじゃなくて。“オレたちが鹿児島でスカを広めた”という自負があります。今、いくつか出てきた鹿児島のスカバンドもARTSの影響で始めたって言ってくれるし、最初にやってて良かったです」
―― ニュー・アルバム『SKANNIVERSARY』の聴きどころは?
「結成15周年を祝うパーティ・アルバムにしよう、と。15周年だから15曲入りで(笑)。僕らのアルバムは飽きずに聞いてもらうために、いつもインストと歌モノを交互に並べてるんです。メロディはノスタルジックな、どこか歌謡曲っぽいところもあって、そこにスカを当てはめていくところが面白いところかな。ただ、15周年記念アルバムといっても、ベスト盤でもないし集大成でもなく、現時点のARTSのサウンドをパックしたもの。あとは、野郎10人のバンドなんで“男気”も大事にしてることの一つです。ウオーーーッ!! っていう男の熱いノリは意識してますよ」
―― 今後はどんなことをやっていきたいですか?
「15周年は節目だけれど、通過点だと思うし、20周年、25周年といわれるまで頑張っていきたいです。実際、いつやめらたらいいの? というくらい楽しくて、やめる気が沸かないというか。今も鹿児島にいながら、これ以上ないくらい良い環境を作ってもらってるので、体の続く限りARTSを続けていくつもりです」
(2006年9月収録)