昨年リリースしたシングル
「トライアングラー」 「雨が降る」がどちらもチャート上位にランクイン。声優、舞台女優としても活動しながら、一般的なJ-POPユーザーの間でもさらに知名度を上げている坂本真綾が、3年3ヵ月ぶりとなるオリジナル・アルバム『かぜよみ』を完成させた。TVアニメ『ツバサ・クロニクル』のエンディング・テーマ「風待ちジェット〜kazeyomi edition」、『マクロスF』挿入歌「蒼のエーテル」のセルフ・カヴァーを含む本作は、彼女自身の表現欲求と(アニメのタイアップ・ソングを軸とした)エンタテインメント性にあふれたポップ・チューンがバランスよく同居した作品となった。
「制作に入る前から“今度のアルバムは、すごくいいものになるに違いない”っていう確信があったんです。文字にすると“なんと自信過剰な!”と思われるかもしれないけど、“いまなら、自分の思いをいい形で表現できる”って。一つには、〈トライアングラー〉(奥深いバンド・サウンドをベースにしたアップ・チューン)を歌ったことが大きいかもしれませんね。いままでに歌ったことのないタイプの曲で、“これをあっけらかんと歌えたんだから、何がきても怖くない”って思えたというか。自分の枠を壊す勇気をもらったような気がします」
アルバムのハイライトをかたち作っているのは、オーガニックな雰囲気と壮大なスケール感が一つになったバラード・ナンバー「カザミドリ」。風に運命を委ねながらも、自由な意思を持って、しっかりと自分の足で歩いていきたい――そんなメッセージを伝えるリリックは、彼女自身の在り方と強く重なり合っている。
「根っからオープンで、自由なタイプの人っているじゃないですか。でも、私はそうじゃないんですよね。もっともっと自分を解放したいのに、どうしてもブレーキをかけてしまうところがあるというか。周りの人からどう見られているか、気にしているところもあったし……でも、最近はそれほど迷わなくなってるんですよ。どんな人にもいろんな側面があるし、それをちょっとずつ表現していけば、それでいいんじゃないかなって。自分が迷わなければ、きっと聴いてる人も迷わないと思うんです」
「自分の思いが詰め込めた」という「カザミドリ」をアルバムの中心に据えることによって、そのほかの収録曲では、よりカラフルな音楽性にトライ。TABOの作曲による80年代ニューミュージック風の「失恋カフェ」、女性らしい可愛さを前面に押し出したポップス「ピーナッツ」といったカラフルな楽曲が、シンガー・坂本真綾の魅力を十分に伝えている。
「それぞれの楽曲がすごく主張していて、それがすごく良くて。“いい曲できた!”って喜んでいるうちにアルバムが出来上がっちゃったというか、無邪気で自由な制作だったと思いますね、いい意味で」
幼少のころから舞台に立ち、歌手としてもすでに12年以上のキャリアを持つ坂本真綾。その評価は「かぜよみ」により、さらに高まることになるだろう。
「このまま進めば大丈夫、という気持ちはありますね。これからもいろんな課題が出てくると思うんですけど、このアルバムを満足いくかたちで作れたことは自信になったし、今後に繋がっていくと思います」
取材・文/森 朋之(2008年12月)
【坂本真綾LIVE TOUR 2009“かぜよみ”】
1/21(水) 愛知県芸術劇場 大ホール
open/18:00 start/19:00
※お問い合わせ:サンデーフォークプロモーション
TEL:052−320−9100
1/22(木) 大阪厚生年金会館 大ホール
open/18:00 start/19:00
※お問い合わせ:キョードーチケットセンター
TEL:06−7732−8888
1/24(土) 東京国際フォーラム ホールA
open/17:00 start/18:00
※お問い合わせ:キョードー東京
TEL:03−3498−9999
チケット料金(税込):全席指定¥5,900
※未就学児童の入場はお断りします。
※詳細は各プレイガイドでご確認下さい。