ライヴ・アーティストとしても着実な成長を遂げた安藤裕子が初のライヴDVDを発表!

安藤裕子   2009/01/08掲載
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ライヴ・アーティストとしても着実な成長を遂げた安藤裕子が初のライヴDVDを発表!
 サウンドからヴィジュアルに至るまで、持ち前のクリエイティヴィティを存分に発揮して唯一無二のポップ・ワールドを展開する安藤裕子。昨年には10ヵ所に及ぶ全国ツアーを見事、成功させるなど、ライヴ・アーティストとしても着実な成長を遂げた彼女が初のライヴDVD『安藤裕子TOUR 2008 “Encyclopedia.” FINAL』を発表。“第1期・安藤裕子”の区切りともいうべきツアー・ファイナルの模様を克明に収めた今作について彼女に話を訊いた。

 昨年5月に5年に渡るアーティスト・キャリア、そして、人生そのものを俯瞰するかのような4枚目のアルバム『chronicles.』を発表した安藤裕子。ひとつの大きな節目を超えた彼女は心の重い荷物を降ろしたかのような軽やかな心持ちで、6月からスタートした全国10ヵ所に及ぶツアー“Encyclopedia.”に臨んだ。バックを固めたのは、山本隆二(key)、山本タカシ(g)、沖山優司(b)、沼澤尚(ds)、新居昭乃(cho & key)の5人。枠にとらわれないポスト・ニューミュージック/シティ・ポップスを極める彼女の音楽性をサポートする息の合ったトップ・ミュージシャンたちだ。本番前は極度の緊張に襲われるという典型的なステージ・フライトで知られる彼女だが、ツアー最終日である7月21日の渋谷C.C.LEMON HALLのライヴでは、緊張を克服した先で確かな手応えが伝わってくる素晴らしいパフォーマンスを展開。その一部始終が初のライヴDVD『安藤裕子TOUR 2008 “Encyclopedia.” FINAL』には収められている。
 「あの日の映像は、ひやひやして、気がつくと手をぎゅっと握っていたりして、まだ冷静に観られませんね(笑)。ただ、私のライヴに来てくれるお客さんって、“観る”って感じの方が多いんですけど、お客さんが2時間のライヴをホント一所懸命観てくれていて、体力と集中力がすごいなぁって思ったりしますし、自分でも、ライヴが着実に変わってきているなとは思います。そんななか、気持ち良さが増したり、得られるものも多いんですけど、そのぶん、欲も深まるみたいで、足りないところにいらだったりもしつつ、ライヴそのものが自分の体に近しいものになってきているのは間違いないですね」



 彼女のライヴはMCも含めて拙い部分がないわけではない。ただ、途中に自らアコースティック・ギターを手にして歌うアコースティック・セクションをフィーチャーした全20曲2時間に渡るパフォーマンスはお約束で流すことがないし、オーディエンスとの了解事項に甘えることなく放つ生々しい感情によって釘付けにされる。
 「歌っている最中は、視界の斜め上の方にある“何か”を掴もうとしている感じ。そうやって歌っていると“届きそうで届かない……あ、届いた!”っていう瞬間が何度かやってくるんですけど、届いたときはそれに掴まって、宙をぶらんぶらんしながら、“わぁ、楽しい!”って思ってます(笑)。私がライヴで重きを置いているのは、バランスを取ることではなくて、感情とか空気とか会場のエネルギーを集めて、単なる音っていうもの以上のものを得ようと思っているんです。だから、メンバーがメンバーだけに音楽的には完成されているんですけど、そういうものをライヴに求めている以上、トータルでは完成されることはないと思います」
 この作品には、「太陽の嘘つき」、「THE MOON AND THE SUN」といった未完成の新曲に加え、エンドロールには正式にスタジオ録音が行なわれた「はじまりの唄」を収録。節目を超えてなお、立ち止まらずに歩み続ける安藤裕子の軌跡が残されている。そして、彼方に続いてゆく道は、1月10日から始まる全国14ヵ所のアコースティック・ツアーへ。果たして、2009年の彼女はどんな音楽を聴かせてくれるのだろうか?
 「アルバム『chronicles.』からツアー“Encyclopedia”にかけての時期は音楽的にも人生としても第1期・安藤裕子に区切りがあって、ここから先は新しい自分を始めなきゃいけないなって。ただ、新しい自分とはいっても別人に変わるわけじゃなく、日焼けした後にちょっとずつ皮が剥けるみたいな、ゆるやかなものではあるし、今後、自分がどうなるかは分からないところもあるんですけど、何かが始まっている手応えはあって。だからこそ、1月からのツアーは、また、いちからスタートという意味で怖くもあると同時に新鮮な気持ちでもあるんです」

 
取材・文/小野田 雄(2008年12月)



【安藤裕子ライヴ情報】



●『安藤裕子 2009 ACOUSTIC LIVE』
1/10(土) 長崎・活水女子大学 東山手キャンパス 大チャペル SOLD OUT!
1/15(木) 名古屋・しらかわホール SOLD OUT!
1/16(金) 京都・京都コンサートホール 小ホール SOLD OUT!
1/18(日) 大阪・大阪市中央公会堂 SOLD OUT!
1/24(土) 山形・文翔館 議場ホール SOLD OUT!
1/25(日) 岩手・盛岡劇場(メインホール)
1/30(金) 東京・めぐろパーシモンホール 大ホール SOLD OUT!
1/31(土) 横浜・大さん橋ホール SOLD OUT!
2/06(金) 高知・県民文化ホール グリーンホール
2/08(日) 岡山・オルガホール SOLD OUT!
2/10(火) 鳥取・米子コンベンションセンター 小ホール SOLD OUT!
2/14(土) 札幌・ちえりあホール SOLD OUT!
2/15(日) 小樽・北一ホール SOLD OUT!
2/19(木) 東京・国際フォーラム ホールC【追加公演】 SOLD OUT!


●『安藤裕子 LIVE TOUR 2009』
5/16(土) 仙台・Zepp Sendai
5/24(日) 東京・SHIBUYA-AX
5/29(金) 名古屋・愛知県勤労会館
6/05(金) 福岡・Zepp Fukuoka
6/07(日) 広島・クラブクアトロ
6/12(金) 札幌・Zepp Sapporo
6/21(日) 大阪・国際会議場メインホール
6/26(金) 東京・国際フォーラム ホールA
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