土岐麻子をとことん知り尽くす!
〜アザー・ワークスの中の土岐麻子の魅力
ナレーションや歌唱などCMの世界でも数多く聴かれることのある
土岐麻子の声。自然と耳に入りやすい柔らかさを持ち、さらにその心地よさが忘れられなくなる彼女の声は、他アーティストの作品やコンピレーション・アルバムへの参加など、じつにいろいろなところで耳にすることができる。オリジナル・アルバムを聴き込んだ後も、さらに追求できる土岐麻子の世界。ここでは最近リリースされた関連作品の一部を紹介しよう。
まずは、他アーティストの作品に参加したものから。
真心ブラザーズのアルバム
『俺たちは真心だ!』には、「M.C.Sakuの今夜はラップでパーティー」と「傷だらけの真心」の2曲で参加。真心ブラザーズの荒々しさを中和するかのようなコーラスを披露している。また、
くるりのシングル
「さよならリグレット」にもコーラスで参加。対照的な声の融合が楽しめる真心の楽曲に対して、こちらはベスト・マッチングなコーラス・ワークが楽しめる一枚。ちなみに、この曲はハウス「ジャワカレー」のCM曲としてもおなじみの楽曲。そして
TAKU & GOROのジャズ・カヴァー・アルバム
『Radio Indigo』の「THE WAY YOU LOOK TONIGHT」ではゲスト・ヴォーカリストとして参加。
青柳拓次、
伊藤ゴローとのコラボレーションにより、素朴でスタイリッシュな世界観が楽しめる。
最後に、土岐麻子の楽曲「smilin'」(新作
『TOUCH』にも収録)が収録されたコンピレーション・アルバム
『ファーファ・コンピ』。本作は、柔軟剤“ファーファ”の新商品「ファーファTRIP」とのコラボレーションでリリースされた企画盤で、“心ふんわり”というテーマに当てはまる13組のアーティストの楽曲が収録されたもの。ちなみに土岐麻子の他に参加しているのはコトリンゴ、
AMADORI、
ROCO、
moumoonら独特の“ふんわり”感を持つアーティストたち。土岐麻子の柔らかな歌声に惹かれている人は、その心地よさにハマるであろう一枚。
このように、さまざまなシチュエーションで彼女の歌を聴いてみると、主役としても確かな個性を放つことができ、名脇役にもなれるというマルチな才能に気付くことができる。声だけでなくスタイルも“柔らかい”……いつも新たな発見が期待できる希有なアーティストだ。
文/清水 隆