海外でのライヴ活動を経て、その経験が制作面にも大きな影響を与えたという、
HALCALI。彼女たちのモチベーションが向上するなか、2月11日にリリースされる新曲は、
Charaの名曲「やさしい気持ち」へのアンサー・ソングでもある
「Re:やさしい気持ち」! 本作についてHALCALIの2人に話を訊いた。
2007年から2008年にかけてライヴ活動を活性化。パリ、NY、シカゴなどでもパフォーマンスを行なうなど、ここにきて一気に活躍のフィールドを広げているHALCALI。
「たまったマイルで韓国に遊びに行きましたよ……って、そんな話はどうでもいいですね(笑)。でも、ライヴに対する意識は上がってきましたよ」 (YUCALI)
「そう、楽しみ方が変わってきた。前は決まったことだけをやってた感じなんだけど、その場でしか見せられないものを伝えたい、って思うようになって」 (HALCA)
音楽に対するモチベーションの向上は、ニュー・シングル「Re:やさしい気持ち」にも反映されている。Charaの名曲「やさしい気持ち」をサンプリング、ふんわりと暖かい(でも、ちょっと切ない)情感をたっぷりと響かせるこの曲には、2人のアイディアとクリエイティビティがしっかり込められているのだ。
「女性アーティストの曲をサンプリングさせてもらうのは初めてだったので、3人(HALCA、YUCALI、Chara)の声の重なり方にはすごくこだわりましたね」 (YUCALI)
「(“手をつなごう”という歌詞の)“手”のところで3人の声が重なったら良くない? って、リリックを替えたり。大変だったけど、楽しみながら作りました。もちろん、さらっと気持ちよく聴いてくれてもいいんですけどね(笑)」 (HALCA)
デビュー当時、脱力系ラップ・デュオとも呼ばれたHALCALI。10代女子のシニカルでキュートな目線から生まれるリリックもとても魅力的だったが、そんな彼女たちも20代になり、「Re:やさしい気持ち」のようにまっすぐなラブ・ソングもナチュラルに歌いこなせる表現力を身に付けつつあるようだ。
「確かにこういうストレートなラブ・ソングははじめて。とにかく可愛いでしょ、この曲(〈やさしい気持ち〉)が。だから、そこに寄り添っていこうかなって」 (HALCA)
「2人だけで書くと、こういう曲にはならないですよね。私たちは基本、毒ばっかり吐いて生きてるので。今年は自分のなかの可愛い部分を見つけたいと思います……でも、それを自分でわかってる女子って可愛くないですよねえ(笑)」 (YUCALI)
カップリングにはオーガニック・サーフ・ミュージックのエッセンスを感じさせるトラックと「ちょっとヒネくれてて、わがままだと思われてるけど、“好きな人にだけ理解してもらえれば、それでいいよね”というテーマで書きました」 (YUCALI)というリリックが一つになった「Orange Sunset」を収録。デビュー以来、もっとも充実した時期を迎えようとしているHALCALIはいま、新しいアルバムに向けた制作に入っている。
「シングル向け、アルバム向けってことじゃなくて、遊びみたいな感覚で1曲1曲作っていくのが楽しくて。その時々でやりたいことを積み重ねていきたいなって思います。そんなこと言ってるから、ペースが遅くなっちゃうんだけど」 (HALCA)
「そろそろアルバム作ろうよ、って言ってから、もう1年経ってるからね(笑)。また素敵なアーティストの方々とも一緒にやってるし、私たちは楽しくやってます」 (YUCALI)
取材・文/森 朋之(2009年1月)