2008年、オレスカバンドは『What a Wonderful World! vol.1』を作り終えた直後、全米46都市を巡る“WARPED TOUR 2008”へと旅立った。そこで彼女たちを待っていたのは「本当に全公演歌いきれるのか」(いかす) という不安や、「12日間連続のライヴで唇の下に“吹きダコ”みたいのができた」(サキ) という肉体的苦痛……そしてなにより、「ウチらに足りなかったタフさを補ういい機会やった」(たえさん) という大きな充足感だった。そうしたバンドとしての成長期を経てリリースされるのが、2枚連続リリースとなるミニ・アルバム第2弾『What a Wonderful World! vol.2』。
その言葉どおり、vol.1とvol.2では同じシリーズにもかかわらず、ずいぶんと印象が違う。参加プロデューサーも同じ(グレッグ・コリンズと森俊之)、レコーディングも6曲中3曲(「カメレヨン」「Bouquet」「believe」)は渡米前なのに、だ。では何が違うのか。それはおそらく、彼女たち自身の気持ちの在り方。
「今聴くと、『vol.1』って不安の固まり(笑)。前しか見えてなかったような気がします。だからこそ何も考えずに一直線に進めた部分もあると思うんやけど。逆に『vol.2』の方は、新しいことをしたいっていう意識を持って作りました。バンド自体がいろんなことを吸収したい、もっと新しいことをしたいっていうモードやったんです」(いかす)
「『PAPAYA』っていう曲はウチらが高校生の時に作って、ライヴではずっと演ってたんです。でも音源化するタイミングがなくて……。今回も入れんとこうかなと思ったんですけど、ウチらも全員二十歳になったことやし、10代を完結させる意味でも入れちゃえ!と(笑)。今思ったことは今のうちに出していこうって気持ちの表われなんですよね」(たえさん)
タイトル曲「What a Wonderful World」は、この前向きなモチベーションがあったからこそ生まれた楽曲といっても過言ではないだろう。
「この曲を作るにあたり、メンバー個々と面接をしたんです。議題は主に“何がワンダフルか”っていうことやったんですけど、それぞれが思い描くイメージが驚くほどハッキリしてて。イメージがありすぎて逆にまとまりづらく、苦労した曲でもあります」(たえさん)
「ホーン隊は“ワンダフル”っていうキーワードにめっちゃ苦戦しました。何度やっても“ハッピー”にしかならない。試行錯誤した末に、曲の冒頭に入ってる一音に辿り着いて……。この音が出たとき“ワンダフルの扉を開けてる!”って思いました(笑)」(サキ)
今作を作り終えて以降、早くも今後のことを話し合っているという彼女たち。間もなく始まるツアーについても「お客さんをもっともっと楽しませたい」(サキ)と気合十分だ。そんな彼女たちの待つライヴ・ハウスの扉はきっと、“ワンダフルワールド”へ繋がっている。
取材・文/片貝久美子(2009年3月)
オレスカバンド ワンマン・ツアー
『What a Wonderful World Tour 2009』
●4月18日(土)
●兵庫・神戸VARIT
●開場16:15/開演17:00
●料金:前売り/\3,000 (ドリンク別) 当日/\3,500(ドリンク別)
●問い合わせ:GREENS 06-6882-1224
●4月19日(日)
●京都・礫礫
●開場16:15/開演17:00
●料金:前売り/\3,000 (ドリンク別) 当日/\3,500(ドリンク別)
●問い合わせ:クリエイティブマン 03-3462-6969
●4月25日(土)
●愛知・池下CLUB UPSET
●開場17:00/開演18:00
●料金:前売り/\3,000 (ドリンク別) 当日/\3,500(ドリンク別)
●問い合わせ:GREENS 06-6882-1224
●5月2日(土)
●大阪・アメ村BIGCAT
●開場16:00/開演17:00
●料金:前売り/\3,000 (ドリンク別) 当日/\3,500(ドリンク別)
●問い合わせ:GREENS 06-6882-1224
●5月3日(日)
●東京・渋谷クラブクアトロ
●開場17:00/開演18:00
●料金:前売り/\3,000 (ドリンク別) 当日/\3,500(ドリンク別)
●問い合わせ:クリエイティブマン 03-3462-6969