“ファースト・アルバムをもう1回作りたい”!? ランクヘッドがその真意を語る

ランクヘッド   2007/06/29掲載
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 メジャー・デビュー以降、数多くのライヴを重ね、“初期衝動”を豊かになった表現力で昇華させ4枚目のフル・アルバム『FORCE』(写真右)を発表したランクヘッドに話を訊いた。余談だが、ジャケットに毎回登場していたマーモットの合田マモル君(25)は、ながらくランクヘッドの“アイコン”をつとめてきたが、彼女が出来たためこのアルバムを最後にモデル業は引退した、とのこと。





 ありのままをさらけ出す。言うのは簡単だけれども、音楽でそれを実現するのは容易ではないことだ。だが、ランクヘッドの4枚目のフル・アルバム『FORCE』は、そんな彼らの「ありのまま」――シングル曲のポップさ、ロックの衝動、遊び心まで――すべてをぶつけた作品となっている。2004年のメジャー・デビュー以来、新世代の4ピース・ロック・バンドとしてキャリアを重ねてきた彼らが、本作に辿り着いた過程を聞いてみた。
「前のアルバム(『LUNKHEAD』)が、誰でも聴きやすいようにと意識して作ったアルバムで。その後、ポップなシングルで認知してくれた人も大勢いたから、あんまりギラギラした曲を出したら引かれるかなあ……とか、いろいろ悩みましたね。でも結局、“ファースト・アルバムをもう1回作りたい”と思って。ファーストって曲調はバラバラだけど、やりたいことがいっぱいあって、何やっても楽しくて新鮮だった。もちろん当時は技術がなかったけど、今はアルバム3枚作って培ったものがあるから――いいとこどりですよね。1枚目の気持ちと、4枚目の経験で作るアルバム、っていう」(小高芳太朗/vo)
「『LUNKHEAD』は、自分たちのセルフィッシュな部分は抑えてたけど、その分ポップネスはすごい磨かれたし、発見も成長もあった。それに加えて衝動的な部分がすごいチャージされてたから、最初から悪いアルバムになるはずがないと思ってました」(石川 龍/ds)




 本作は、ファースト・アルバムの『地図』を逆回転させた「OTO」で幕をあける。「夏の匂い」「きらりいろ」といったポップなシングル曲から、疾走感のある轟音ロック・チューンまで、印象がバラバラな曲の中で共通しているのは“自分たちの音楽の“力”を聴かせたい、証明したい”という強いエモーションである。中でも「僕らは生きる」では、小高のひとり語りから歌に突入し、最後に120人分(彼らの友達であるつばきジェット機hare-brained unityメレンゲなどがギリギリのスケジュールの中で友情参加)の感動的なコーラスが加わる。“みんなと手を取り合えばもっとしっかり立てる、だから生きよう”と発するメッセージは、このアルバムのハイライトとなる一幕だ。
「これは最初から一発録りって決めてましたね。言いたいことはだいたい決めてたけど、言葉自体はアドリブです。多分、何回もやったら演じちゃってウソっぽくなるな、って思って。だってダッサいじゃないですかこういうの。最初すごい弱気で、“ないんかなあ!……って思います”っていらんもん付けちゃったりして。もうライヴ音源みたいなものですね、この曲だけは」(小高)
「今までずっとできなかったのが、ライヴとCDとのギャップを埋めることだったんですよね。この曲でそれができた」(石川)
「ずっとライヴのことを考えて作ってたんで、早くライヴで演りたいですね」(山下 壮/g)
「『FORCE』って、4人の力、プラス周りの人が協力してくれてできたアルバムで。これをいろんな人が聴いて、そしてライヴに来てくれることで、もっと大きな“FORCE(力)”になっていくんじゃないかと思います」(合田 悟/b)


取材・文 齋藤奈緒子(2007年6月)
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